自転車ギョーカイの用語で『バラ完』てのがあります。『いろんなパーツをバラで掻き集めて、自転車を組み立て完成させる』の略です。パッケージ販売の『完成車』の対義語です。
![完成度50%](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2017/03/830705c740f2ec9c2b55b61788759d5a.jpg)
- バラ完のあれこれ
- バラ完総集編 サイクルモードの試乗から実車の完成まで
- KONAふたたび
- カーボンフレーム購入
- BOOST用カーボンフォーク
- FSA No42 インテグラルヘッドセット
- BOOST用29erフルカーボンホイール
- SRAM XX PG1199 11速スプロケット
- WTB RANGER 3.0 Schwalbe G-one LITESKIN 2.35
- HOPE Tech3 E4 油圧ディスクブレーキ
- RACEFACE ATLAS Cinch absoluteBlack Narrow wide Oval リング
- RACEFACE Cinch用PF92ボトムブラケット
- SRAM GX 1×11 リアメカとセラミックプーリー
- Fireeye Talon318 ショートステム
- SRAM GX 11spd グリップシフト
バラ完のあれこれ
バラ完のPROSはお気にのパーツで自転車を組めることです。CONSは手間と費用です。個別にパーツを調達すると、体感3割り増しの時間とマネーを負わされます。
でも、完成車の購入もそんなにイージーじゃありません。店で選んですっと乗って帰れる、てのは一般車、ママチャリやシティチャリのイメージです。
まともな小売店は販売車両きちんとセッティングしますから、相応の日数を頂きます。すでに調整された当日お持ち帰りOK車両はそう多くありません。いくばくかの納期は必要です。
また、セールや海外ストアやOEMやバルクや中古をフル活用すれば、同グレードの仕様車よりずっと安く組み立てられます。
チャリ組み立てはPC自作に通ず
このあたりの事情は自作PCとよく似ます。バルクや格安品やジャンクを使えば、定価正規品並みのPCを割安に組めます。AMDのCPUを使いましょう、AMDを、ははは。
もちろん、ある程度の知識と技術と忍耐と覚悟は不可欠です。知識と技術はネットにあふれます。そっちの心配は少なめです。結局、メンタル勝負です。
わりとごり押しが効く
一個のパーツの到着に3週間近く待てる。パーツの規格を間違っても、泣き言をゆわない。最悪、気合とごり押しでむりくり使ってしまうなどなど。
ぼくはチャリ弄りを始めて思いましたが、自転車部品はデジタル系のパーツよりコンパチブルです。やはり、アナログの強みです。力技や一工夫でわりと対応できます。
デジモノのメモリの規格違いやコネクタのサイズ違いはどうにもこうにもなりませんし。CPUのピンとかはほんまにこっろころ変わります。ピン1本違いでノットコンパチブル!
それより最大の敵はメンテ用のケミカル類です。オイルとグリスはわりに肌に来ます。リアメカやスプロケをちょこちょこしては、人差し指をかっさかさにしちゃいます。薄手の手袋は必須です。
じゃあ、自転車のバラ完はでっかいプラモ作りみたいなものです。ぼく的にはガンプラやミニ四駆やゾイドの延長です。かちっとした完成フィギア品より組み立てを好む人です。
ガンダムにパテ盛りやスミ入れをする、アバンテJrに非公式モーターや異常な肉抜きをほどこす、デススティンガーの荷電粒子砲にライトを仕込こむようなカスタム男子は高確率で自転車弄りにはまりますよ~。
で、以下がぼくの「はじめてのばらかんじてんしゃ」のまとめです。
バラ完総集編 サイクルモードの試乗から実車の完成まで
2016年暮れ頃から新車、さらにバラ完を考えまして、フレームをあれこれ物色します。系統はオフロード系、オールロード系です。ノットドロハン車です。
必須のオーダーは、
- カーボンフレーム
- 油圧ディスクブレーキ
- スルーアクスル
- チューブレスタイヤ
- フロントシングル
です。必然的にSRAM系になります。でも、ワイズのセールで事前にShinano XTRクランクを格安でゲットして、Shimano系ドライブにちょっと揺れました。
結局、XTRクランクのフロントシングル時のだささでシマノコンポの採用はお流れになりましたが。2018年のXTR M9100はかっこよくなれよ~。
KONAふたたび
で、そんなこんなで決めかねて、サイクルモード大阪2017に行きます。スペシャライズドの試乗の順番待ちの間にKONA(AKIコーポレーション)のブースに行って、何気にこいつを見つけます。
![KONA HONZO CR TRAIL DL](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2017/03/KONA-HONZO-CR-TRAIL-DL.jpg)
KONAのカーボンハードテイルです。2016年の試乗車が非常に好印象でした、プロセス153でしたか。そして、このマットないかつい29erです。
このときまでこのフレームの存在を知りません。で、実際に乗ると、一発でぴんと来ます。これや!
で、帰宅後にいろいろ調べます。KONA初のカーボンハードテイルで2017モデル。BOOST規格! 415mmのショートリアセンター! あー、ほんまにこれやがな!
以下にパーツの項目をざらっと書き出します。箇条書きは
- PRICE
- PROS
- CONS
です。
カーボンフレーム購入
- 160000
- 用途、ブランド、見た目、文句なし
- ない
KONAは通販OKのブランドです。折りよくカンザキ吹田でSサイズの在庫を見つけて、ぽちっとメールして、数日後に頂きました。
![KONA HONZO CR TRAIL DL フレーム](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2017/03/34fd75bde03ae6cd06054619c388a2bb.jpg)
KONA HONZO CR TRAIL DL 2017です。国内モデルはフレーム販売のみです。ここから本家カナダサイトのイメージ車のディティールを参考にして、あれこれパーツを考えます。
BOOST用カーボンフォーク
- 20000
- 作りはGOOD
- 仕上げはそれなり
で、フレームを買うと、ホイールを絞れます。フレームのリアエンドはスルーアクスルの148 12 BOOST用です。
が、トレンディーなセミファット系のプラスタイヤは入りません。モデル車のリアタイヤは2.25インチです。
どのサイズにするかあ? とすこし悩みましたが、悩んだら目新しいものを買いましょう、トレンディーイズジャスチス! てゆうアタラシモノズキの妖精の声に従いまして、セミファット対応のホイールを買います。
じゃあ、おのずとフォークはBOOST用のセミファット対応型になります。サスフォークを使わずにセミファットのボリュームとリジッドフォークの軽さを活用しましょう、てナイスなヒラメキが出ました。
サスフォークの不安点は重さや価格よりオイルやエアやスプリングのメンテの手間です。オイル染みやエア漏れ、コイルのサビに悩まされるのはまっぴらです。
で、気さくなカーボンの29er BOOSTリジッドフォークを買います。
![フォーククリアランス](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2017/03/197978816309ab1fc3f74c73131fe6fc.jpg)
じゃあ、こんなのはレアマイナーです。正規品は見当たりません。中華工場のほやほや直販をぽちっと買いました。
強度や見映えは悪くありません。ディスクブレーキ台座のフェイシングは甘めですし、表面処理はわりにざつですが。ペイントオーダーの納期を待てなかったよ。
FSA No42 インテグラルヘッドセット
- 1900
- ふつう
- 下調べがむずい。玉押しが割りタイプじゃない
カーボンフレームのヘッドチューブはワンと一体型です。ここのデザインでヘッドパーツが決まります。
で、タイプはインテグラルですが、サイズはまちまちです。しっかり調べましょう。ぼくはモデル車のものと同じFSA 40 ABCのバルク品を買いました。
![FSA 40 ABC インテグラルヘッドセット バルク](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2017/03/1a433eadc3c7c3686ecab04b15a5ed01.jpg)
セラーの詳細が同じ型番で外径表記だとか内径表記だとかします。BBとヘッドパーツの下調べはほかより神経質です。
力押しでクラウンレースを圧入しました。
![所詮この世はパワーだよ!](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2017/03/3f717b9157bfa133f1164caea6591d2b.jpg)
BOOST用29erフルカーボンホイール
- 60000
- 軽い、安い、いかつい
- ない
中華カーボンの第二段はカーボンホイールです。フォークと同じくセミファットのBOOST用のカーボンホイールがレアマイナーです。29plusはさらに希少種です。
セミオーダーできる良セラーを探して、テープレスのフルカーボンホイールを頼みました。ハブは台湾NOVATECです。王道の中華ホイールです。
![29erフルカーボンホイールBOOST用](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2017/03/4450f46aa9ccfca2b32a00fa2aeb354b-1.jpg)
リム内径は28mm、外径は35mm、ハイトは28mmです。リムはホールレスのつるぺたです。
![ニップル穴なしでテープレスリム](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2017/03/ad60f4ac52898e9a1fa993ed7cd7d60f.jpg)
リムテープ入らずで経済的ですし、のちのちのシーラントの掃除がラクちんです。フロント765gのリア895g=ペア1660gです。
ロードの定番のアルテグラホイールWH6800が1640g、フルクラムのRACING 5 LGが1658gです。このリム幅、スポーク数、ディスクブレーキハブで1660gはカーボンのパワーです。
SRAM XX PG1199 11速スプロケット
- 17000
- 軽い
- 定価は高嶺の花
ハブがBOOST用ですから、当然のごとくカセットはXDフリー用です。予備のSRAM XX PG1199をふんぱつしちゃいました。
![SRAM XX1 PG 1199 ワンユニットのスプロケット](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2017/03/d70a0087db0df7bc972b72e22834e14a.jpg)
ワイズの年末セールで安く買えましたね! 定価は4万オーバーです、うひゃー!
WTB RANGER 3.0 Schwalbe G-one LITESKIN 2.35
- 10000
- でかい、かるい
- G-oneのピンホールにシーラントが回りずらい
タイヤをちょっと冒険しました。モデル車両よりちょっと太い2.35インチをリア用に、セミファットの3インチをフロント用にCRCで取り寄せました。
![Schwalbe G-oneとWTB Ranger 30](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2017/04/b7ba3e022d41d92e1d6ef47c025b76a2.jpg)
WTB Rangerの3インチは定番、シュワルベG-oneは新作のグラベルタイヤです。STAN’Sのシーラントとチューブレス用のバルブでチューブレス化します。
![前後ホイール完成](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2017/04/wheels-new.jpg)
フロアポンプと石鹸水でとくに苦戦せずにビード上げまでできました。シーラントは100ml/本です。今のところ、空気漏れや減圧はしません。
HOPE Tech3 E4 油圧ディスクブレーキ
- 32000
- かっこいい
- 割高
油圧ブレーキはこだわりのポイントです。Shimano、SRAMを避けて、欧州系のブランドのやつを物色します。
最終的に独MAGURAか英HOPEかで悩んで、HOPEに決めました。理由は見た目とお値段です。MAGURAはエクスペンシブでしたわ。新型はドイツ系のサイトにしかないし。
![HOPE TECH3 E4レバー](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2017/04/dc0d1286e8510cc09aad75f9d0e9f1ed.jpg)
ブレーキのタッチはせんさいです。握りで細かく調整できます。高級競技用機材です。ぼく的にはちょっとの力でがっつん! てロック気味に止まる方が好みです。
RACEFACE ATLAS Cinch absoluteBlack Narrow wide Oval リング
- 22000
- グリーン!
- なし
クランクはオフロード系の有名ブランドRACEFACE ATLAS Cinchです。アームなしのダイレクトマウントタイプです。決定打は緑のカラーです。
![](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2017/04/54cbc2daf6630b889043c664c48a708b.jpg)
リングはポーランド製のabsoluteBlackのCinch用の楕円リングです。メロンかキュウリみたいなあざやかさです。
RACEFACE Cinch用PF92ボトムブラケット
- 5000
- 回転良好
- ちょっとお高め
で、BBが自動的に決まります。モデル車のものはPF92です。Wishboneのものにしようとしますが、30mmスピンドルのPF92タイプを見つけられません。
反動でRACFACE Cinchの純正ものにしちゃいました。このチョイスはへたれですー。
![ダストキャップ被せて完成](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2017/04/e47c35312d9a936c36769f4766ad4e80.jpg)
プレスフィットタイプの圧入はかんたんです。毎度のようにパワーでごり押ししました。むしろ、専用工具を使った験しがありません。レッツDIY圧入!
SRAM GX 1×11 リアメカとセラミックプーリー
- 8000
- セラミックの回転はサイキョー!
- プーリーの強度が不安 GXの赤ラインがじゃま
リアメカはSRAM GX 1×11です。SRAM11速の中級グレードの変速機です。もともとのシールドベアリングのプーリーをセラミックベアリングを変えます。
![](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2017/04/a6af133428715b6d9f8b377ec1e5fa37.jpg)
実際の効果は定かじゃありませんが、空回りのしゅるーーーーーんて滑らかさは超キモチイーものです。
THOMSON Elite Dropper
- 18000
- 無敵
- 定価がファンタジー
シートポストは可変式のドロッパーポストです。現代のチャリには必須の便利アイテムです。低速時や信号待ちの足付きの良さは街乗りの強い味方です。
![THOMSONドロッパーのサドル側のワイヤー取り回し](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2017/04/dropper-post-housing.jpg)
ドロッパーはもともとレンタルサイクルの利用者ごとのサドル調整の手間を省くために開発されました。発明者は台湾KINDSHOCKの社長さんです。事務椅子に着想を得たとか。天才!
つまり、ぼくの使い方は本来の用途に近い使い方です、きっと。
モデルはTHOMSON ELITEです。質感がサイキョーです。ケーブルはシフター用です。こちらは台湾JAGWIREです。
Fireeye Talon318 ショートステム
- 5000
- グリーン!
- なし
ステムはベリーショートのCNC系です。カラーで選んじゃいます。はい、Fireeye TALONです。あざやかグリーンは貴重です。
![Fireeye ステム](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2017/04/Fireeye-cnc-stem.jpg)
ステムとキャップを固定すると、ケーブルの取り回しを決められます。ブレーキホースは未カットです。油圧ディスクブレーキホースのカットはまあまあめんどうです。
![ドロッパーポストのケーブルも変更](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2017/04/a1f9983e6a558e75f2c25a3cd5184a84.jpg)
このあと、ドロッパーポストの高さを何度か調節して、ケーブルを長くしました。短めに設定しちゃうと、可変域のトラベルを上げられません。結局、15cmほどを追加しました。
Lizard Skins DSP 2.5mm バーテープ
- 3000
- えげつないグリップ力。本物トカゲ革よりトカゲ
- お高め
フラットバーにバーテープを巻く! をやるために最強バーテープのLizard Skins DSPを調達します。
![絶縁テープで仕上げ](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2017/04/bartape-roll.jpg)
絶妙なもちもち感、巻きやすさ、キングオブバーテープです。その他のテープがかすみます。一巻きでフラットバーの左右にたっぷり巻ききれます。文句なしにおすすめ!
SRAM GX 11spd グリップシフト
- 3000
- グリップシフト最強!
- マイナー過ぎ
結果的にバラ完のラストピースはシフターになりました。11速用のグリップシフトです
![SRAM NX SRAM GX 11spd グリップシフト](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2017/05/f92ecc3fba41ce294e605cb8958e0edf.jpg)
まあ、これが出回りません。3-8速用のものはそこそこ出ますが、11速用はでんせつポケモンなみです。そして、正規輸入品&並行輸入品はファンタジープライスです。
ぼくはスペインのBikeinnで買いました。ここでしか見つけられなかった。トリガータイプはたくさんありますがねー。
で、グリップシフトの使い勝手はベリーグッドです。トリガーやデュアルタップがまだるっこしく思えます。ぐりぐりで変速できるラクちんさは感無量アメイジングです。
ぼく的にはぐりぐり >> トリガー > デュアルタップです。なんで11速用がもっと普及しないかあ? 見た目もすっきりしますし。
![めっちゃ使いやすいSRAM グリップシフト](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2017/05/bc448551843f4f4aa3fb5178a1258b89.jpg)
メンテ性と耐久力、グリップがロックオングリップになるのがCONSですかね。でも、PROSはそれを上回りますよ。とにかくラクちんです。
この結果、左はバーテープ、右はロックオングリップになっちゃいました。
完成品です。
![KONA HONZO CR TRAIL CR](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2017/05/semidemi2.jpg)