結果的に初心者がUber Eats で時給換算1000円越えをするのは余裕でした。
こちらは初週の自転車稼働の売り上げの明細です。

※配達パートナーへの報酬は時期やタイミングで常に変動します。忙しい人は→Uber Eats 登録フォーム
Uber Eats で配達する 実践編
出前は水物です。諸々の条件で成果が変動します。とくに重要な要素はエリア、時間、天気です。

万人に快適なシーズン、春と秋はUber Eats 的には不入りの時期です。皆が自分の足で外に食べに行ってしまう。
例外的に2020年の春は空前のフードデリバリーブームでした。ご存知のようにコロナの影響です。
平常時では真夏と真冬が書き入れ時です。誰も外に出たがらないから。雨の日も同様です。
オートバイは夏場に有利で冬場に不利、自転車は夏場に不利で冬場に有利です。時期で車両を使い分けるのはありですね。
以上の基本を踏まえて、個別の事例を紹介します。
場所、日時、天候
今回の活動エリアは関東の神奈川の横浜に近い都市部です。この条件は有利です。Uber Eats の需要は人口に比例しますから。
シンプルに人口密集地の東京、神奈川、大阪が上位に入ります。次点が関東圏、名古屋、福岡です。
稼働の日時は2020年2月下旬の平日の昼間です。天候は晴れ&曇りです。雨マークはありましたが、本気の土砂降りはありません。小雨ぽつぽつくらいです。
2019-2020年の冬は暖冬でした。コンディションは中の上です。極寒ではない。
Uber Eats の報酬の計算方法
Uber Eats の報酬は受け取り、受け渡し、距離、手数料から計上されます。
また、配達パートナーはUber Eats の従業員ではありませんから、厳密には『バイト』ではありません。
そして、報酬は営業利益であって、給料ではありません。自己責任の完全歩合制です。
すなわち、配達パートナーはUber Eats という出前ギルドから一回なんぼのお使いクエストを受けるフリーのハンターのようなものです。
Uber Eats の報酬はフードの受け取り、受け渡し、距離で算出されます。以下が指標です。
エリア | 受け取り(ピック) | 受け渡し(ドロップ) | 距離1kmあたり | 手数料 |
東京 | 265円 | 125円 | 60円 | 10% |
埼玉 | 265円 | 125円 | 60円 | 10% |
千葉 | 265円 | 125円 | 60円 | 10% |
神奈川 | 250円 | 120円 | 60円 | 10% |
愛知以西の西日本エリア | 210円 | 105円 | 60円 | 10% |
コロナ以降の新規エリア(仮) | 210円 | 105円 | 60円 | 10% |
愛知県以西のエリアでは受け取り210円、受け渡し105円です。2020年以降の新規エリアもこちらの基準のようです。
距離料金は前まで150円/1kmでしたが、60円/1kmに下がりました。結果、長距離のうまみが減りました。近距離が正義!
数値の上では東京近郊が有利ですが、実際の売り上げには天候や時間やインセンティブやエリア内のパートナー数などが関係します。
Uber Eats の配達に必要なもの
Uber Eats の配達に必要なものをおさらいしましょう。
- 自転車or原付
- スマホアプリ
- バッグ
- 18歳以上の健全な肉体

厳密にはUber Eats のオリジナルバッグは推奨であって、強制ではありません。→Uber Eats のバッグのもらい方改め買い方
しかし、この『だいじなもの』がないと、第三者には身元が分からず、ピックアップやドロップで支障が出ます。
現行の第四世代モデルは先代の緑色のバッグよりシックになりました。
ピックアップとドロップの注意点
Uber Eats のサービスエリア内でアプリの配達モードを起動すると、近隣の案件のアラートを受信できます。
ちなみにお店に料理を受け取りに行くのが『ピック』で、ユーザーに料理を届けるのが『ドロップ』です。
ここで最初の注意点があります。お店で料理を受け取る=ピックの場所は事前に分かりますが、それをユーザーに届けるドロップの場所は分かりません。
受注後のキャンセル、『受けキャン』は基本的にNGです。Uber Eats Proの評価とかに影響します。数回で垢バンの報告があります。
無意味なアプリの起動は非推奨です。稼働できないとき、休むときにはアプリをしっかりオフラインにしましょう。
忙しい時間帯はランチとディナーのピークです。昼は11:00〜13:00、夜は18:00〜20:00ですね。
秘密兵器スマホホルダー
Uber Eats の配達先、とくにドロップ地点は不特定です。注文者は任意の場所を指定できますから。
たまのピンずれも不確定要素です。

頼りは配達パートナーの土地勘や地元愛でなく、スマホのGPSとGoogle Mapとメモです。必然的に画面との睨めっこの時間が長くなります。
で、スマホのいちいちの出し入れが数秒のロスです。また、落下・破損の確率が跳ね上がります。未達は最大級のペナルティです。
一切の責任は個人事業主である配達パートナーに掛かります。
コスト削減とリスク低減のためにスマホホルダーが必須です。安い物がAmazonにあふれかえります。

2000円のワンタッチ式のスマホホルダーです。固定力、見た目、機能性は十分です。
ながらスマホに注意
固定のスマホビューはUber Eats やポケモンGOに非常にべんりですが、画面の凝視や注視はながらスマホになります。取り締まりの対象です。
どんな画面の凝視や注視がながらスマホになるかは現場の状況とお巡りさんの気持ち次第ですが、一説では3秒がぎりぎりセーフのラインです。
といって、カーナビというメカは世に広く普及しますから、常識的な一瞬のよそ見は許容されます。
Uber Eats ぐちゃぐちゃ問題防止秘策
下手な初心者が不用意に汁物を運ぶと、Uber Eats ぐちゃぐちゃの画像検索の惨劇に見舞われます。
真っ先に思い浮かぶのはラーメンやそばですが、麺類の需要はそんなに旺盛ではありません。何故なら麺類は伸びると一気に劣化するから。
スープ、ジュースのオーダーは普通にあります。あとはつゆ、出汁、ソース類ですね。これらの対策に緩衝材は必須です。

「料理をこぼすな」
「汁を垂らすな」
実際にこの二つが配達トラブルのトップクラスです。登録時に貰える配達パートナーガイドブックにもこの特記事項があります。
もともとUber Eats はアメリカ発のサービスです。おそらく容量がアメリカンサイズです。あちらのマクドナルドのドリンクはほんとにバケツです。
現に日本人が背負うと、あのバッグが異様にでかく見えません?
中身も同様です。小食な日本人の単品注文はあのアメリカンサイズなバッグにはすかすかです。
緩衝材やストッパーの調達は配達パートナーの役目です。Uber Eats はそんな細かい指示をくれません。自分で考えましょう。
緩衝材にはタオルよりぷちぷちがおすすめです。布に食品類が付くと、雑菌が出て、匂いがしますから。
それから、万が一のバッテリー切れの不安を考慮して、スマホのモバイルバッテリーを準備して、初日の配達に出かけました。
はじめてのピック&ドロップ
今回のUber Eats のデビューの条件をおさらいしましょう
- 場所:神奈川県
- 日時:2020年2月25日
- 天候:晴れ
- 時間:昼間
絶好のフードデリバリー日和です。が、気持ちはそんなに乗り気じゃありません。期待より不安が大です。汁物は来ないで!
近所でスタート
初戦に本気の繁華街や都心部はアウェーでしょう。ホーム中のホームが安泰です。
アプリをオンラインにして、家の近所をうろうろしつつ、ピックアップのアラートを待ちます。
最初の注文は数分後に来ました。スマホがピロピロと鳴ります。汁物か? 汁物なのか?! おまけに頑固おやじの店じゃないのか?!!
「バーガーキングに行け」
ディス・イズ・ノー汁です。いや、バーキンのパテはビーフ100%で直火焼きでジューシーですけど。

とにかくUber Eats の神がぼくにほほえみました。
やはり、ファーストフード、大手チェーンの配達がメインのようです。これは当然です。新規サービスには大手が先に参入して、中小や個人が後から続きます。
古参の話では配達の三分の一がマクドナルドです。もはや日本人の主食はコメではありません。
ちなみにピックアップのキャンセルは可能ですが、むやみやたらの拒否はプラスには働きません。
Uber Eats のセオリーでは配達アプリをオンラインにする=稼働の意志を表明するです。注意しましょう。
店で注文番号を伝えてピックアップする
ところで、店舗での所作には決まりがありません。Uber Eats の運営はそんなことをいちいち細かく指示しません。
つまり、ここでの振る舞いはパートナー自身に掛かります。常識的に手始めはあいさつでしょう。
「Uber Eats です。料理を受け取りに来ました」
などと明るくはきはきやって、注文番号を伝えましょう。愛想と元気と清潔感は出入り業者の生命線です。
アプリの注文番号を店員さんに伝えて、料理をピックアップします。バーガーはすでに完成済み、包装済みでした。待機時間のロスがゼロです。
店側のピックアップの決まりもまちまちです。
- バッグを店内に持ち込まない
- バッグを店内に持ち込め
- 温かいものと冷たいものを一緒にしない
- 店前に駐輪しない
- ここに駐輪しろ
このような独自のルールを守らないと、店側からBAD評価を付けられます。串カツ屋の二度漬け禁止のようなものです。
ピックの道中で注意事項のメモをよく読みましょう。
ピック後にようやくドロップ先が分かります。100mか5kmか。ピック後の配達拒否は完全なイレギュラーですし、トラブルの元です。
ドロップ先へ
バーガーキングから出て、ユーザーのもとに向かいます。スマホとの睨めっこの始まりです。
途中、道路工事で迂回したり、線路の改修で踏切を見失ったりして、軽いパニックに陥りながら、目的地の周辺までやってきました。
この道中の右往左往はリアルタイムでユーザーのスマホのプレビューに届きます。
が、上記のような道中の不可抗力は伝わりませんし、そんなものは迷子や遅刻の言い訳にはなりません。
また、ピックからドロップまでの距離には報酬が出ます。60円/1kmです。過剰な遠回りや寄り道はペナルティの対象です。
ドロップ先の近辺で自転車を降りて、Googleマップのピンで大まかな位置を確認しつつ、メモで細かな部分を照合します。
位置情報はGPSに起因しますが、精度はバラバラです。安いスマホのGPSはけっこうポンコツです。ピンずれはパートナー泣かせの現象です。
やはり、細かいところではメモが役立ちます。今回、本人が20m先からこちらを見つけてくれました。
初回の緊張感と二か所の工事のせいで到着が少し遅れましたが、ユーザーはにこやかでした。
あ、Uber Eats の支払いはほぼクレジットカードです。現金の受け渡しはまずありません。
でも、日本人は先進国で随一の現金主義者です。この事情から日本版アプリには特例的に現金払いの項目が実装されました。

現金払いはめちゃくちゃめんどうですよ~。お釣りの準備は大変ですし、大量の小銭は嵩張ります。衛生面もびみょうだ。
経験者の目線から初心者にはおすすめできません。→DiDi Foodでは現金払いとクレカの併用がデフォルトです!
ユーザーに料理を届けたら、アプリの完了ボタンを押して、配達を完了します。置き配の場合には写真撮影をして、完了の証明とします。
Uber Eats の報酬は?
では、このUber Eats の配達パートナーのデビュー戦の成果をおひろめします。

時間、距離、金額がこんなふうに出ます。54円の手数料の項目の”JCTは”Japanese Consumption Tax”の略で消費税のことです。
※報酬は時間、地域、プロモーションで異なります。
時間は14分です。変な緊張感のおかげで長く思えましたが、アプリの計測ではこうなりました。
この配達のあとでとんとんとオーダーが入って、初日の配達は7件に達しました。上々の滑り出しです。
さらにほぼ同じ条件で翌日と翌々日に稼働しました。三日間の成果は最終的にこうです。

配達完了が20件、オンライン時間が7時間11分、売り上げが10237円です。時給換算は
10237÷431×60=1425円
おお、予想より高額だ! 初日のあたふた、二日目の不入りがなければ、時給はさらに上がりますよ。
しかし、この売り上げの全額はこちらの懐に入りません。Uber Eats のバッグのデポジットがここから引かれます。

バッグのレンタル料は1000円/1週で4回払いです。が、ぼくは登録後に少し日を空けたので、三週分を一遍に徴収されました。
売り上げは週払いです。指定の銀行口座に振り込まれます。これは海外送金扱いです。ゆうちょや信金の口座では登録が不可です。メガバンクが安定です。
※現在、バッグのデポジット制は廃止になりました。→Uber Eats のバッグの秘密
ブースト、クエスト、ピークタイム
さて、売り上げのデータを見直しましょう。

売り上げの総額は10237円です。このうちの正味の配達料は『送迎の売り上げ』の8737円です。
その下の『プロモーション』の1500円は追加報酬です。5回配達で+500円、15回配達で+1000円の計1500円ですね。
このような回数ミッションは『クエスト』と呼ばれます。条件や金額は場所、日時、天候で異なります。マジのお使いクエストだ。
雨の日のランチやディナーのピークには配達パートナーが減って、オーダーが増えますから、『雨天インセンティブ』が頻繁に発生します。

さらにチップの機能が実装されました。これは注文者さんからの善意の心づけです。Uber Eats に天引きされません!
Uber Eats のデビュー戦+αのまとめ
初心者が初日から1000円オーバーの時給を稼げました。三日間の最終的な時給は1425円です。
隙間時間の副業やお小遣い稼ぎにはUber Eats の配達パートナーは非常に優秀です。
スマホホルダーはべんりですが、ながらスマホは禁物です。バッグの中身がぱんぱんになることはめったにありません。緩衝材は必要です。
配達の大半はマクドナルドやケンタッキーのようなファーストフードです。恐怖の汁物はそんなにありません。
ピックとドロップの際にはメモの注意事項を読みましょう。現地の詳細は意外と分からないし、GPSは正確無比ではない。
売り上げを効率的に上げるには各種のインセンティブが不可欠です。ブースト、ピークタイム、クエストをうまく活用しましょう。