以前、ロードバイクのパーツと500円の正爪用ディレイラーハンガーアダプターでふつうのママチャリフレームを実験的に11速化しました。
じゃあ、必然的にママチャリのピストパーツがごそって余ります。なにかに使えないか? ああ、ほら、部屋のすみに身ぐるみをはがされたロードのフレームがありましたで!
てなわけで、ママチャリの11速の延長でロードバイクのピスト化にチャレンジしましょう。「あべこべじゃないか! アホですけ?!」て意見はよく分かります、ははは。
走って楽しむもよし、いじって楽しむもよし、チャリンコのだいごみです。
そして、B4C的独自ルール2018年版では大規模カスタム3回=ロングライド1回に換算されます。あと、六甲10回=ウィスラー1回のポイントシステムです。
実際問題、カスタムやメンテをしっかりすると、まあまあの汗を掻きます。一昔前のビード上げはまんま上腕二頭筋の筋トレですし、固着パーツは超級山岳級の手強さです。
空いた日に一挙にカスタマイズやメンテして、写真を撮りだめすると、ふつうにへとへとになります。消費カロリーははまあまあ行きますよ、きっと。
ピスト今昔物語
『ピスト』は固定ギアのバイクの俗称です。トラックバイク、フィックスドバイク、ケイリンバイクなどなどの呼び方があります。
現在のロードバイクブームのひとつまえの自転車ブームがピストバイクブームです。2010年前後の一大ムーブメントです。
しかし、アメリカスタイルのフォーマルなノンブレーキピストが社会問題になって、このチャリンコブームはあっけなく閉幕しました。
以降、ピストバイクはすっかり鳴りをひそめますが、往時のスタイルはアーバンコミューター系のアパレルやアクセサリに受け継がれます。
固定ホイール余り問題
で、そんないきさつとうちのピストママチャリにはなんらの関係性はありません。無です、絶無。正味、ママチャリ固定ギア化の決定的理由はフリーホイールの回避策でしかない。
だって、改造ママチャリにフリーホイールを入れても、一般車の域を出られませんよ? 微温的なふつうのママチャリができあがっちゃいます。ふつ改造です。魔改造じゃない。
その平凡なカスタムを避けるならば、固定ギアを! トラックホイールを! チューブラーを! てなりましょう。誰だってそーする、おれもそーする。
で、その改造ママチャリの再改造11速化の副産物が固定ギアのリアホイールです。
Schwalbe One付きのMiche Pistardです。良いトラックホイールです。捨て置くのはもったいない。これをロードフレームにセットしましょう。
さいわい黒リムと銀スポークのスタイルがマットシルバーのフレームにえげつなくマッチします。
毎度のエンド
ちまたのキャリパーブレーキxクイックリリースのロードバイクのフレームエンドは130mmです。ロード系クロスバイク、ミニベロロードなども同様です。
ふつうのクロスバイク、折り畳み、二昔前のMTBなどは135mmです。シャフトやエンドキャップの形状は同様です。9mmのクイックリリースです。
一方、トラックホイールのリアハブのOLD(オーバーロックナットディメンション)は120mmです。130mmエンドとのギャップは最大10mm、片側5mmです。そして、ナット止め。
で、126mmのママチャリエンドに120mmのトラックホイールや130mmのロードのリアホイールはメーカー的にはイレギュラーですが、ぼく的にはぎりセーフです。
極論、5mm前後のギャップはフレームのしなりで埋まります。硬いアルミのチェーンステーさえがこのとおりです。
むしろ、ギャップに気づかずにここまで締められちゃいます。スルーアクスルではこれはむりです。
しかし、10mm、最大1cm、片側5mmの差はわりにルーズなぼくの目にすら危なっかしく見えます。しかも、ロードのフレームはフルカーボンです。過度のストレスは禁物です。
で、細心の注意を払って、エンドとギアのギャップにスペーサをはさみました。でっかいナットと樹脂のワッシャです。
で、両端からぐいぐい締め上げます。トルクはてきとうです。それでも、固定力や安定度はクイックリリースより上です。
奇跡的にチェーンがフィット!
ところで、基本的にストレートドロップエンドのフレームはホイールのポン付けではシングルスピードになりません。チェーンの調整機構がない。
対策はテンショナーやエキセントリックハブ、エキセントリックBB、半コマチェーンなどです。はたまた、リアディレイラーをテンショナーのかわりにするか。
多段変速メカをシフトチェンジしなければ、バーチャルシングルスピードて主張できましょう。
でも、うちにはそんな固定化、シングル化のオプショングッズはありませんし、予備のメカさえがありません。所詮、おあそびのカスタムです。特別予算は出ません。
で、ためしに厚歯のチェーンをかけて、ぎりぎりのリンクでコネクトします。
あーら、なぜか奇跡的にきれいに張れました。ゆるくもなし、きつくもなし。理想のチェーンテンションです。ストドロ型のふつうのフレームでこれは快挙です。
リアホイールのギアは固定の厚歯、チェーンは1速の厚歯、チェーンリングは1x用のナローワイドです。セミ厚歯固定ドライブトレイン、て称せましょう。
伝達効率はフル厚歯固定 > セミ厚歯固定(うちのやつ) > フル厚歯フリー > セミ厚歯フリー > シングルスピード(ママチャリ) > フル薄歯固定 > フル薄歯フリー多段…て、印象です。
ことさらにチェーンのボリュームの差は特大です。比較写真では11速チェーンのプレートのうすさが際立ちます。
最終チェックで近所の坂道を立ちこぎでガシガシ上ります。ふつうに登り切れてしまいます。とくにトラブルなくピスト化できてしまいました。ザ・拍子抜けです。
おかげで最高にシンプルなエンド周りが実現します。ディレイラーやテンショナーの蛇足感がない。EASTONのダイレクトマウントクランクが手伝って、イマドキ感が加速します。
最近、この手のダメ元カスタムがなぜかすんなり行きます。『まかいぞう』のアビリティが着々と向上します、ははは。
でも、これはレアケースです。とくに薄歯のギアとチェーンでの単純シングルスピード化はちょっとのたるみでガシャガシャ外れまくります。テンショナーが必要です。
でも、シングル化するなら、厚歯にして、固定ギアにして、その圧倒的なダイレクト躍動感を堪能しましょう。微温的なフリーギアのバイクとは一体感がちがいます。
ライザーバーロードのピストモードです。近所をぷらっとするにはサイコーのバイクです。
げにピストはロードバイクやクロスバイクよりぜんぜんパワフルでアグレッシブで実用的です。※ただし、平地にかぎる