MTBとロードとノーマル自転車の調整方法や定石は部分的には共通しますが、完全には一致しません。
40Tオーバーのギアのスプロケに『上下のプーリーを垂直にする』方式を使うと、適当なチェーン長を出せません。この場合、『2リンクを足す』方式が正解です。
ひさびさロードのルーティング
で、ひさびさのロードバイクのメンテナンスでケーブル類の勝手の違いに戸惑います。MTBみたいなフルアウターが標準じゃない。
フレームの上下チューブ内のルーティングは内装で、インナーはむき出しになります。シフターとブレーキのいずれがそうです。
まあ、上の図みたいにグロメットのアウター受けを外せば、ふつうにフルアウター化できます。でも、ケーブルの重量がかさみます。
リアディレイラーとスプロケです。
メカは廃版のCampagnolo Athena 11sです。ロードのパーツ的には二世代か三世代前の製品にあたります。オーソドックスなロードバイクのRDです。
機械式のケーブルの取り回しは変速性能にじかに影響します。ケーブルはれっきとした機材の一部です。それなしではシステムが働かない。
ケーブルをわらうものはケーブルになきます。神経や血管のようなものだ。実際、ブレーキフルードの交換は英語では”Bleed”です。これは『出血』を意味します。
ケーブルの長さを決める
リアメカのアウターのルーティングのポイントはケーブルの長さと曲がりです。と、むずかしく意識せずに、直感でテキトーにカットして、ポン付けしました。
これは明らかに長すぎです。外見的に機能的に芳しくありません。
外装のケーブル類は車体の外観に線のながれを作ります。これがぐちゃぐちゃになると、全体の印象のスマートさがうせます。下記は悪い例の中の悪い例です。
フルオープン・フルフリーダム・ルーティングです。
しかしながら、メンテナンス性はベリーグッドです。フル外装 < セミ内装 < 完全hiddenインテグレーテッドの順でメンテ性は悪化します。
旧式リアメカは神経質
リアメカに戻りましょう。ステーにアウター受けを挿入して、ぱっつんしました。
うーん、だらしなさが消えません。このカーブがわりに目立ちます。MTB系のメカのここはもっとスマートです。
注目はメカ側のアウター受けの位置です。これが後ろ側を向かず、斜め横を向きます。これはSRAMのメカですが、シマノシャドータイプもこれです。
こんなふうにきゅうくつにアウターを通しても、変速不調を起こしません。むしろ、ステーのケーブルの出口とメカのアウター受けから旧来のU字カーブがむりです。
現行の御三家のロードのリアメカはこのMTBのシステムを取り入れて、ルーティングの自由度にすぐれます。カンパの12速レコードのメカもこの方式です。
対象的にうちの旧式のアテナのメカのアウター受けは真後ろにあります。旧式のロードタイプです。ケーブルの長さを適正化しないと、変速不調を起こします。
こぶしひとつの31cm
ケーブルカッターでパツパツパツてやって、ここまで切り詰めました。
おおらかな目安は『こぶしひとつ』です。そして、メカとステーのアウター受けのエンドキャップがタイトでないか。
ちなみにエンドキャップなしは非推奨です。経年でアウターの被膜が縮むと、末端の鋼線がむきだしになります。劣化とさびのもとですね。
細かい人はストレスのかかり具合を見て、樹脂とアルミのキャップを使い分けます。あいにくとうちには樹脂系のチープなキャップしかありません。
数値の目安は30-32cmです。これの実測は31cmでした。
こぶしひとつ、目視のフィーリング、推奨の数値が一致します。これがベターな長さでしょう。
ケーブルカッターを使おう
ケーブルのルーティングには専用のカッターを使いましょう。ふつうのニッパーはアウターのばっつんには力不足です。ふつニッパーではほそいワイヤーがばらける。
ブレーキアウターは楽勝ですが、シフトアウターとインナーは強敵です。細い線の方がきれいに切れない。インナーのエンドがほつれると、モチベがみごとにさがります。
HOZAN、Park Tool、PWTなどがおすすめです。キャラものずきにはニパ子のやつです。
それから、ワイヤーの切れ端は鋭利です。まれにタイヤにひっついて、ピンホールパンクの原因になります。