現在のチャリンコ事情でミニベロ・折りたたみ自転車の一般的なホイールサイズは20インチです。そのほかのサイズは特殊です。
- 16インチ=ブロンプトン
- 17インチ=モールトン
- 18インチ=BIRDY、タルタルーガ
- 24インチ=TERN Eclipse、GIANT MR4、一部の技系チャリ
22インチはジュニア用です。21や23はない。24の次の26インチは二昔前のMTBの標準サイズです。これはもうミニベロじゃありません。
2015年以降に14インチがじわりと来ます。車載用、輪行用ですね。
20インチの406と451
ミニベロホイールの難点は大きい20インチと小さい20インチの2サイズがあることです。406と451。この二つのサイズは共に20インチのホイールです。
406や451は自転車業界用語でETRTOといいます。The European Tyre and Rim Technical Organisation(欧州タイヤリム技術協会)の頭文字の略称です。
ETRTO≠インチ
ETRTOの単位はおなじみのmmです。
でも、
- 1インチ=2.54cm=254mm
- 254mm*20インチ=5080mm=50.8cm
なんで20インチがETRTO508でないの?
はい、このETRTOはホイールのリムの直径(タイヤがはまる中溝のところの直径)です。
で、俗にいう20インチはタイヤの大外の直径です。
- ETRTO451のホイール+1 1/8インチのタイヤ=50.8cm=20インチ
- ETRTO406のホイール+2インチのタイヤ=50.7cm=20インチ
計算式の1 1/8と2インチはそれぞれのホイールサイズのメジャーな一例です。必然的に451のタイヤは細めに、406のタイヤは太めになります。
つまり、ミニベロの406から451へのインチアップというのはホイールを大きくして、タイヤを細くすることです。
同じ『20インチ』でもホイールとタイヤの内訳が違います。はて、これでどんな違いが生まれるか?
ミニベロインチアップの意味
インチアップのメリットは足回りの向上です。デメリットは快適度ダウンです。長所は短所。
ぼくはこの理屈を知らずに406から451ホイールにインチアップして、細タイヤの乗り心地の悪さにギブアップしました。
反動で「2インチくらいのタイヤにしてやる!」てヤケを起こしても、上記の仕様のために451用の太めのタイヤが市場にありません。
現時点で気軽に買える最太の451は1 3/8インチです。TIOGA COMPIII、BMXレース用のごつごつパターンのタイヤです。
タイヤの大外の直径はほぼ52cm、インチ換算でざっと20.5です。足回りは重くなりますが、防御力はぐっと上がります。
これでデス歩道の段差、ダーク排水溝の蓋、エビル路面のつぎはぎ、ジェノサイド線路のレールからなるオンロード悪路四天王の攻撃をらくらくしのげます。
反対にETRTO451の最細の7/8タイヤはロードバイクの23cと同等の幅です。ラフにだーっと走れません。くだんの四天王が強力に立ちはだかります。
また、451タイヤの種類が406タイヤみたいに豊富ではありません。ミニベロの主流はながらく406でした。451タイヤは後発です。
さらにミニベロタイヤの優先順位はロードの700cタイヤやオフロードの26、275、29タイヤより劣ります。タイヤメーカーのメイン商材じゃない。
てことで、451タイヤの選択肢は限定的です。パナレーサー、シュワルベが二強ですね。
406と451ホイールの長所と短所
406の長所はホイールとタイヤの選択肢の多さです。短所はとくにありません。
451の長所は速度アップです。短所はホイールとタイヤの選択肢の少なさです。
正直、無闇なインチアップは費用と時間の無駄遣いです。同じホイールでタイヤとチューブの組み合わせを考える方が建設的です。
しかし、ミニベロや折り畳み自転車乗りはマニアックな人ばかりです。浪漫が合理に勝つ!
451の最軽量セット
目下の451の最軽量の組み合わせはパナレーサーとタイヤとチューブのセットです。通称、パナパナセットです。軽量化のための悪魔のコンボです。