自転車趣味が高じると、車体が増えて、パーツ類が決勝用、普段用、練習用、観賞用、自慢用と多岐にわたり、タイヤが太巻きバイキングのように溢れかえります。
イージー化した自転車パーツの売買
スポーツバイクブームとネット通販の隆盛、オークションサイト、フリマアプリの普及で自転車パーツの処理は簡単になりました。
ぼくは以前からヤフーのオークションサービスの『ヤフオク』を利用します。
若者に人気のフリマサイトの『メルカリ』はアパレル、おもちゃ、ソフトの売買には向きますが、自転車機材のようなマニアックなアイテムにはやや不利です。
悩みは梱包と配送
ヤフオクで大きなチャリパーツを売り買いすると、自転車機材の特性に悩まされます。はい、配送、送料ですね。
ホイール、フレームは大型商品です。
パーツの処分には数々の壁がたちはだかります。
- 段ボール調達
- コンディションチェック
- 梱包
- 配送
めんどうはめんどうです。でも、でっかいデッドストックはもちぐされですし、スペース食い虫です。個人の資金と空間は有限です。
自転車とパーツの送料
配送サービスの送料は主に重量と質量から決まります。
重量は梱包込みの実測重量です。ロード=8kg~、クロスバイク、ミニベロ=10kg~、MTB=15kg~てところでしょう。
いずれも配送業者の重量の規定には引っ掛かりません。現実問題、自転車関連の配送料は質量で決定します。
質量=三辺合計です。梱包時の縦横高さです。計測場所はそれぞれのもっとも出っ張った部分です。
で、自転車の完成車ではだいたい縦=ハンドルorサドル、横=フロントホイールからリアホイール、厚み=ペダルorクランクになります。
容積縮小のためのサドル下げ、ハンドル外し、ペダルなしはチャリ梱包の3大秘技です。これがぞくに9分組、7分組の状態です。amazonの自転車はこれで来ます。
この合計はゆうパックの170cmやクロネコヤマトの宅急便の三辺合計の上限の160cmを越えます。
すると、扱いが大型荷物、家財、引っ越し系になって、送料がはねあがります。
仮に15kgオーバーのごてごて装備のママチャリやシティサイクルを発送しようとすれば、自転車代金以上の送料を取られかねません。
離島、沖縄、北海道の割り増し料金が加われば、送料がふつうに2万3万になります。遠隔地のチャリダーは受難です。
対照的に海外通販の国際送料は『日本向け』で一括されます。離島、沖縄、北海道の特別料金は国際送料には掛かりません。
ホイールはぎり普通荷物
現在の日本市場でコーヒー豆のような流通量を誇るのがロードバイクのホイールです。
手ごろな万能型のアルミホイールのZONDAやRacing 3はマクドナルドのビッグマックみたいに安定します。3~5万円。
このロードバイクのホイールセットはゆうパックの170cm未満の通常配送物の範囲にぎりぎりおさまります。東京-大阪の送料が2000円ちょいです。
フレームはグレーゾーン
もう一つの大物パーツがフレームです。
これは一筋縄ではありません。梱包のさじ加減で三辺合計が普通荷物と大型荷物を行き来します。
さっきのKONAのフレームのBOXを見ましょう。
これは大型扱いで来ました。フレームサイズはSです。配送元は自転車ショップ(カンザキ)ないし代理店(AKI)です。送料は2160円でした。配送業者は佐川急便です。
個人向けは郵便局やクロネコの独壇場ですが、業者向けは佐川、西濃、福山の3トップ体制です。
これらの営業所は住宅街にはありません。工場地帯や郊外にどーんとあります。なんかアウェー!
大型扱いの難点
正直なところ、フレームの梱包の三辺合計が180cmや200cmになっても、送料は二倍や三倍にふくれあがりません。
が、荷物の扱いが普通から大型に変わると、いろんな支障が出ます。送料の算出が容積換算重量になるとか、配達が翌々日になるとか。
最大のデメリットは日時指定が不可になることです。再配達の時間指定もむりです。ドライバーや営業所へのおねがいはOKですが、拘束力はありません。
ネットにはホイール用や完成車用のダンボはありますが、フレーム用はありません。
830+190+680=1700mm=ゆうパック用ですね。
完成車配送サービス
ここ数年で個人向けの自転車専門の配送サービスがちょろちょろ出てきました。表にしましょう。
自転車配送サービス名 | 配送会社 | 送料 | 割引 | 梱包キット | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
カンガルー自転車イベント便 | 西濃運輸 | 5960-18622円 | あり | 3000円~ | 実績No1
本命 |
サイクリングヤマト便 | ヤマト運輸 | 2652-9765円 | あり | – |
CJ+会員 |
シクロエクスプレス | 佐川急便 | 4950-13200円 | あり | 3850円~ | シクロエクスプレスは代行業者
配達形態は佐川急便のラージ飛脚便 |
ヤマト家財便 | ヤマト運輸 | 16555-60445円 | – | – | ふつうの引っ越し料金 |
飛行機の手荷物 | Peach | 3900-5900円 | – | – | 長距離は家財便より安い |
上の三つが自転車専用、下の二つが比較対象のための引っ越しサービスと飛行機の手荷物です。
料金の最安は東京-神奈川とか大阪-京都みたいな同エリア、最高は北海道-沖縄です。金額は片道です。
カンガルー自転車イベント便、輸送便は自転車専門配送のパイオニア的サービスです。配送業者は西濃運輸です。
公式ページには全国の自転車イベントの告知があって、その会場や施設向けの申し込み受付が都度に設けられます。
また、代理人受け取りが可能です。ごていねいに『他人への譲渡・売買、オークション等で利用される方へ』て注意書きがトップにあります。
往復で500円割引、営業所持ち込み&引き取りで300円ずつの割引、計1100円の割引が可能です。
自前の梱包がOKですし、ボックスの販売が2700円~、レンタルが2900円~もあります。
サイクリングヤマト便はクロネコの新手の自転車専用サービスです。特徴は安さです。が、CJ+という連動の課金サービスへの年間登録が必須です。
シクロエクスプレスは民間の自転車配送サービスです。カンガルー自転車便のつぎにここがGoogle検索で出てきます。
ここは配送会社でなくて、配送代行業者です。実際の配送形態は佐川急便のラージ飛脚便です。三辺合計の規定が同社とかぶります、~260cm。
梱包ボックスの指定があるとか、専用キットがやや割高だてところがちょっと不安です。実質、ダンボール手配屋さんでしょうか?
個人的にサービス受付と配送業者が別個になるのは好ましいシステムに思えません。トラブル時の責任の押し付け合いが目に見えます。
あと、佐川急便は自転車配送専用サービスをしませんが、しまなみ海道とコラボして、『手ぶらサイクリング』という地域限定・提携宿泊先限定のサービスをします。
通常のヤマト便では自転車(26インチ)は問答無用で家財便のEランクになります。取り扱いがお引越しモードになって、料金が最低1万越えにジャンプアップします。
Peachの手荷物は目安です。結局、沖縄とか北海道への自転車の移送の最安値は輪行です。
ロードバイクや完成車用のダンボールはまあまあのお値段です。三辺合計257cmは上記の三つの自転車専用配送サービスの枠内におさまります。