アクションカメラの元祖がGoproです。ただし、歴史はそんなに古くありません。創業は21世紀です。
その後の十数年でこの新興ガジェット屋さんが世界的企業に成長しました。まさに動画配信時代の申し子です。
初代のGoPro HERO 35mmからアップデートとモデルチェンジを重ねて、2019年7月時点の現行モデルは七代目にあたります。それがHERO7ですね。
型落ちのHERO6は家電ストアのセールとかでたまに出ますが、二世代前のHERO5はすでにヴィンテージ風味を漂わせます。デジモノの賞味期限はじつに短命です。
ついでにHERO4からHERO5の世代交代のさいに本体の形状が大きく変わりました。この前後でバッテリーやカバーの互換がありません。5,6,7は共通です。
次世代のHERO8の形状はさだかではありませんが、互換はおそらく継続でしょう。バッテリーやカバーの買い替えはいやだあ~。
基本のHEROシリーズ比較
GoproのフラッグシップはHEROシリーズです。現行モデルはHERO7です。販売日は2018年9月です。
近年のモデルチェンジは一年毎ですから、2019年9-10月には次世代機が出ましょう。8Kとかチルトとか夜間動画撮影強化とかの期待が高まります。
Black、Silver、White
HERO7の展開は3種類です。ハイエンドのBlack、ミドルグレードのSilver、エントリークラスのWhiteです。
名前はそのままに本体のカラーを表し・・・ません。Whiteはグレーだし、Silverはマットブラックです。
ついでに限定版のHERO7 BLACKのホワイトカラーとかもあります。これはほんとに白です。ややこしいって!
公式名は”HERO7 BLACK Limited Edition Dusk White CHDHX-702-FW”です。中身はノーマルのBLACKとおんなじです。
価格設定はそれぞれこうなります。
BLACK=5万くらい
Silver=4万くらい
White=3万くらい
今回のHERO7の3つの売りは手振れ補正、タイムワープ、スーパーフォトです。公式さえが「ジンバルキラー」と称して、強力なHypersmooth機能を全面的に推します。
しかし、これはハイエンドのBlackのみの特典です。SilverやWhiteはジンバルキラーではありません。
ぼくはマウンテンバイクでこれを使うことを想定しまして、最初からBlackのみが購入候補でした。実際にオークションの美品の出荷で二週間待ちましたよ。
ええ、中古ですが、なにか?
またBLACKのコアな機能にライブストリームがあります。スマホをアクセスポイントにして、Wifiとbluetoothでペアリングして、Youtubeやツイキャスにストーリーミング配信できます。
ただし、このライブストリーミングの設定はなかなかたいへんです。Goproアプリの出来がいまいちだ。スマホのセンサーの感度もあるし。
ぼくの試験的ライブ配信ではラグがしょっぱなから5秒くらい発生します。これは実用に耐えません。
バッテリーの方式
Goproの弱点のひとつが電池持ちのわるさです。電源オンの瞬間からバッテリーは急速に減ります。目安は1%/1分です。
ぼーとサイクリングや街歩きすると、あっというまに電池を使い尽くしてしまいます。で、かんじんなシーンを撮り逃す。
ぼくは付属の純正バッテリーでしばらく粘りましたが、電池管理のわずらわしさうんざりして、安い予備バッテリーを買いました。
しかしながら、バッテリー交換で長時間稼働できるのはBLACKのみの特権です。SilverとWhiteの電池は内蔵式です。バッテリーの交換がむりだ!
正直なところ、動画撮影の初心者は90分やそこらで適当な動画素材を集め切れません。サイクリングや街ブラは長引けども短縮しない。「ロケが押す」ってやつです。
動画のしろうとがYoutube向きの10分前後の動画を作るなら、2時間程度のフッテージ(動画の素材)を確保しなければなりません。慣れれば1時間で行けますが。
SilverやWhiteの稼働時間を延ばすなら、電源をこまめにオフにするか、現場でチャージするかしましょう。
本体のサイドのカバーを外せば、撮影しながらモバイルバッテリーで充電できますけど、本来のコンパクトさを失いますね。
これでアクションはむりでしょう。
なぞの無印Gopro HERO 2018
黒、銀、白、この御三家のほかになぞのモデルがあります。”Gopro HERO”です。製品名にナンバリングが付きません。たまに”2018″て表記が付きます。
これは廉価版のHEROです。手振れ補正やそのほかの機能はナンバリング機に負けます。
しかし、この無印HEROはWhiteやSilverと違って、バッテリーを着脱できます。電池が完全内蔵型ではありません。つまり、予備バッテリーで長時間の連続撮影が可能です。
HEROのアクセサリーやマウントはナンバリングシリーズと共通します。「GOPROの豊富な周辺機器を使える気軽なコンパクトカメラ」てところでしょうか。
このHEROだけは春ごろに販売されました。完全旧作ではありませんが、完全新作でもありません。準新作ですね。宿命的な中途半端さが漂います。
正統な先代HERO6 BLACK
HERO7 BLACKの先代がHERO6 BLACKです。動画は4K60fps、写真は12MPで、ここはHERO7と同等です。
が、そこは型落ちのかなしさでジンバルキラーの”HyperSmooth”はHERO6 BLACKにはありません。
それから発売当初のHERO6の価格は59000円で、後継のHERO7の53460円より割高でした。
おまけにHERO7より後発の強力なアクションカメラのOSMO ACTIONが44820円です。さて、HERO8の販売価格はいくらでしょうか?
OSMOやSONYのアクションカメラ
HERO7の評価は2018年内に固まりました。ネット上のシグナルは「買い」です。年末年始に動画を始めたぼくは良い時期に買えましたね。
その後にライバル企業や大手家電屋ががっつりの対抗馬や意欲的な新作を出します。まっさきに出てくるのがDJIとSONYです。
DJYはGoproの実質的なライバルです。本社は中国広東省深圳にあります。中華系のガジェットメーカーだ。
Goproがアクションカメラの業界標準であるなら、DJIはドローンの業界標準です。クアッドコプターMAVICシリーズが看板商品です。
実際、Gopro KARMA対DJI MAVICの対決はこの中華ドローン屋さんの勝利に終わりました。Goproは一機でドローンから撤退しましたね。
で、このDJIが手掛けるウェアラブルカメラがOSMOシリーズです。ジンバルカメラOSMO Pocketで注目を集め、アクションカムOSMO ACTIONでGoproとがちんこバトルします。
タッチパネルの操作性、全面ディスプレーのプレビューなどがあきらかにGoproを意識します。防水深度は11mです。Gopro HEROシリーズは10mです。あからさま!
税込み定価は44820円、実売価格は4万前後です。差額で大容量の高速SDカードとアクセサリと予備バッテリーを揃えられます。
Goproよりあきらかに劣るのは手振れ補正と色味のナチュラルさくらいです。Goproブランドにこだわらないなら、2019年前半のアクションカム最有力候補に挙げられます。
SONYの新作RX0 IIはアクションカメラではありません。公式では「デジタルスチルカメラ」です。人気デジカメのCYBERSHOTなどと同じジャンルに属します。
が、用途は自撮り向きのコンパクトカメラです。チルト画面がなによりのあかしだ。そのせいか市場価格は約8万です。
SONYのアクションカメラの先代はFDR-X3000 WCやHDR-AS300です。2016年発売ですから、HERO5あたりのライバルでした。
で、3年ぶりの新作はこの正統後継でなく、「デジタルスチルカメラ」に落ち着きます。DJIのようにGoproと正面から殴り合う気概はしません。
ソニーユーザー、CYBERSHOTファン向けの高機能コンパクトカメラに見えます。廉価版のRX0が5万です。