2015年以降のロードバイクのホイール界のトレンドはワイドリムです。それまでの標準だったC15リムが廃れて、C17リムが標準になりました。結果、タイヤ幅は23mmから25mmへ。
ディスクブレーキ、スルーアクスル、チューブレスは移行の途上にありますが、ホイールないしリムはほぼ完全にワイド化しました。23Cはすでに過去のものです。
23ed→25ing→28ill?
メーカーの思惑とユーザーの意見は必ずしも一致しません。でも、トレンドはジャスティスです。規格は刻一刻と変化します。
もはやロードバイクのC15リムはメジャーでなくマイナー、ノーマルでなくナローです。
ここから23mmタイヤへの大回帰は現実的ではありません。むしろ、1モアワイドな28cタイヤの台頭が浮上します。
オンロードのトップレースが激しさを増す・・・厳密にはステージごとのメリハリが強くなります。坂はさらにきつくなり、道はさらに荒くなる。
ハードなクラシカルステージでは25mmタイヤさえも盤石ではありません。よりオフロードの機材に近い28mmのチューブレスが視野に入ります。
コースのメリハリが明確になれば、軽量、エンデュランス、エアロのロードのモデル差がより明確になります。
軽量は重量規定で頭打ちです。結果、トレンドはエンデュランスとエアロに向かいます。UCIの規定改革が先かタイヤとホイールの28mm化が先か・・・
しかし、長らくロードバイクの足元を支えた23cタイヤとナローリムホイールはたくさんの愛好者を持ちます。2015年以前にロードバイクを買った人はそうでしょう。
「23cタイヤの予備がまだまだあるぜ!」
さて、あなたのおうちの棚の中には予備のコンチネンタルGP4000S II 700x23cがごそっとありませんか?
そんな人たちのために現行モデルからナローリムのホイールをまとめましょう。
4大ホイールブランドのナローリム
カンパニョーロ、フルクラム、マビック、シマノがロードバイクのメジャーリーグ四天王です。初級者から上級者まで大半がこの4社のリストとにらめっこして、目ぼしいホイールを探します。
Campagonolo Neutron
一連のワイド化のながれのあおりでC15リムと23cタイヤの用途は通常モードからヒルクラモードへ押しやられました。おおよそ各社のロープロ、軽量モデル=ナローリムです。
イタリアの人気メーカーCampagnoloのナローリムモデルはNuetronです。ロープロのヒルクライム特化型の軽量アルミホイールです。
Nuetronのリアのスポークの構成はおはこの3×7のMega G3じゃありません。とたんにカンパぽさが薄れます。剛性アップのための補助スポークが原因です。
型番に”Ultra”の文字が踊りますが、Neutron Ultraはそのほかの上位のUltraモデルとちがって、ハブはふつうのカップアンドコーンのベアリングです。
カタログ外の無印Nuetronは1680gのカンパぽくないロープロナロークリンチャーてさんざんなものです。
ZONDA C15やShamal C15はすでに懐かしいレベです。デッドストックや売れ残りは単発にぽつぽつ来ますが、レギュラー在庫じゃありません。
Fulcrum RED WIND
FulcrumのナローリムホイールはRED WINDシリーズです。アルミカーボンコンポジットのディープホイールてヒトクセのモデルです。
現行のノーマルRED WIND、上位版のRED WIND XLRのいずれがETRTO C15です。が、50mm~のディープホイールで、ヒルクラム向きじゃありません。
Red Wind 2017モデルの仕様はまだ旧態です。2018モデルのワイド化の余地はあります。
ちまたのナローリムホイールの需要とはやや離れます。アルミカーボンコンポジットもアナクロの域に入ります。いまはカボクリの時代ですから。
Mavic R-SYS SLR
Mavicのナローリムは軽量アルミホイールの最高峰のR-SYS SLRです。2017モデルではKsyrium Pro SL系がナローリムでしたが、UST化の今季からきっちり25-32にワイド化しました。
R-SYSの立場ははっきりです。『最強の軽量アルミホイール』です。重量はその名に恥じません。へたなカボクリより軽量なペア1296gです。
Exalith2、ISM 4d、前後非対称リムハイト、WTS専用タイヤetcetc・・・て、マビックのアルミホイールテクノロジーの総決算的ホイールです。必然的に価格もオールスターです、ははは。
2018モデルから蛇足的な黄色のアクセントスポークがなくなって、いかつブラックな外観が復活しました。マビックはUSTをおしますけど、R-SYSはチューブレス化しません。
ところで、MavicのホイールはWTS=タイヤバンドルです。C15リムホイールの中に23cタイヤと25cタイヤのオプションがあります。
そして、23cオプションの在庫が・・・ええ、めっきり見当たりません。海外ストアの在庫は25cばっかりです。おまけにカンパフリーだよ。
これはナローリムよりさらにナローのC13リムのアルミカーボンセミディープです。推奨タイヤサイズは21mm~です。クリンチャーの21mmはレアです。仕様がRed Windより特殊です。
Shimano RS500,RS700,R9100 C24
このC17の全盛の最中、われらのシマノはC15リムホイールを多彩に継続します。Ultegra WH-6800の後継の新型アルテWH-RS500 CLがC15です。
Ultegraロゴの喪失とRS落ちはざんねんですが、値段から仕様から用途から23cタイヤ派の心の支えです。
しかし、中身は先代からぜんぜん進化しません。名実ともにザ・Ultegraである6800の方が魅力的に映ります。少し前まで3万ちょいでしたし。
RS700は2ndグレードUltergaへの原点回帰的な新作です。実より名のホイールです。現行のRS81系に近くなります。700はアルミカーボン、770はフルカーボンのDISC版です。
型落ちのお古かシマノの新品か
結局、23c派の選択肢は非常に限られます。『カンパ、フルクラム、マビックの型落ちのお古を見つけるか、シマノのどれかを選ぶか』です。
大半の庶民ユーザーが買えるZONDA C15やRacing 3 C15のラストモデルが2016や2015です。ピカピカの新品を手頃にゲットするのは難儀でしょう。
以上のことからC15はすでに気安い汎用品じゃありません。かわり者、こだわり屋、機材マニアのスタイル、派閥、流儀のひとつです。
トレンド外の非標準なイレギュラーな古物を主観と思い入れで愛好し続けるには相応の気構えと工夫を求められます。
「デッドストックのきれいなZONDA C15が近所の店で3万円ですって?!」
夢のまた夢です。
個人的にはセミビンテージな10年物のカーボンチューブラーがおすすめです。現代の感覚では21mm前後のステキな細さに頭がくらくらします。