サドル選びの悩ましいところは高いサドル≠良いサドルなところです。高いサドルは軽くかっこよくなりますが、クッション性の一点で安いサドルに劣ります。
ママチャリのふかふかサドルからスポーツバイクのかちかちサドルに乗り換えると、サドルの異常な硬さに衝撃を受けます。
だめな人はここでもう脱落します。ぼくもバネ付きのふかふか系のやつからスポーツタイプ系に乗り換えて、その不快指数マックスなかたさに閉口しました。
パッド入りのパンツを履く? あんなケツもりもりのピチピチウェアはシンプルに嫌です。美的センスに反する。そもそもストイックな乗り方はぼくの好みに合いません。
しかしながら、ママチャリから流用したふかふかサドルが夏秋の酷使で破れてしまいました。
放浪の末にワイズロードのワゴンで破格のI-beamのシートポストとサドルが見つかりました。これが今回の宿題の始まりです。
独自規格のI-beamサドル
SDGのI-FLYサドルはしばしば超セールに掛ります。定価10000円→3500円とか。何でこんなに安くなる?
理由はポストの規格です。SDGはI-beamという特殊な規格を取り扱います。このモデルのサドルとシートポストが良く売れ残ります。
そして、このモデルは主に折り畳み自転車のダホン用に流通しました。シートポスト径が30.0mmとまたまた特殊です。
シートポストのメジャー規格は27.2mmとか31.6mmとかです。ロード系、MTB系、どっちのメジャー規格のフレームにもはまらない・・・
納得の売れ残り、ワゴン品です。需要はDAHONの愛用者が買い替えるくらいですか。幸運にもY’sのワゴンにはシートポストもありました。しかも、驚異の90%引き!
クラフト用のアルミパイプくらいのお値段です。ただし、クランプが30.0mmで、うちの愛車にぴったりじゃありません。
コンマ数ミリの差でずれるシートポスト
愛車のフレームのシートポスト受けの内径は30.4mm、これもまた特殊な規格です。
『0.4mmやで? シートポストのクランプをがっちり締めれば、いけんちゃうの?』
そう思って、そのまま入れると、こうなります。
根元まで、すとん、です。体重かけずにこれです。仮にきつく締めて、無理に止めても、加重で一発で下まで行きます。
固定には一工夫が必要です。ちなみに0.2mm厚のシートポストシムなんてものはどこにもありません。じゃあ、どうするか?
アルミシートでシートポストのシムを自作
要はシムやアダプターという大層なものじゃなく、かませです。アルミの空き缶が0.1mmですから、これを二枚重ねにしてみる・・・
というのはあまりに貧乏臭く感じたので、工作用の0.2mmアルミシートをホームセンターで買ってきました。200円くらいです。
てきとうなサイズに切って、滑り止めのやすりがけして、パイプにまきつけて丸み癖をつけます。で、完成品がこちら!
はい、完全にごみです。燃えないごみの日にうっかり捨てられかねません。放置は厳禁です。さっさと組み込みましょう。
シートポストクランプをゆるゆるにして、このシムをフレームにかませて、ポストをねじねじ押し込みます。
クランプを強めに締めて、バウンドしてみても、下がりません。完成です。
SDG i-beamの重量を計測
取り付けた後で計測を忘れたことに気付きました。最初の取り付けでポストとシムがいい感じに削れたらしく、サドルが意外にスムーズに外れました。
手間のついでにシートポストをカットしました。ダイソーのパイプカッターは3cm以上のポストにはまりません。金のこでぎこぎこ地道にカットしました。
さて、実測です。
330g!
台座とサドルが一体型のカーボンファイバーで、金属パーツがなく、見た目以上に軽量です。20000円ぐらいの高級サドルに勝るとも劣りません。
しかも、独自の構造でやぐらやボルト締めの台座よりポジションを細かく変更できます。
でも、I-beamは不人気の絶滅危惧種です。マイナー企画の宿命ですね。