自転車のお手軽なカスタマイズのひとつにハンドルバーのカットがあります。ことさらに初心者は、
「短いハンドルバーがベストだ! 軽量化だ! 本格派だ!」
というばくぜんとしたネットの空気に汚染され、使い勝手や操作性を度外視して、ハンドルバーをぎりぎりまで短くしようとします。
自転車いじり覚えたての頃にぼくはこのパターンにはまって、初期のハンドルバーの長さに満足できず、パイプカッターを調達しに行きました。
行き先はご存知のダイソーです。うちの近所の新大阪の大型店にはがっちりあります、パイプカッター!
100円じゃありません。432円です。ダイソー内では最高級品です。でも、工具的には安いもんですわ・・・と、これが早とちりの元凶です。
浮いたお金でおかしとジュースを買って、そそくさと帰宅して、ハンドルカットに取りかかりました。
実質的にハンドルバーにしか使えない?
さて、このポテチ4袋分の超高級工具、切断能力は充分です。アルミの厚めのライザーバーの端っこをものの数分で切り落としてくれました。
ハンドルカットの成功に気を良くしたぼくは他にカットできるものを探して、シートポストのカットに挑みました。しかし、カッターがポストのコラムに入らない。あれ?
当時のぼくはシートポストの規格のことを良く知りません。でも、よその自転車ブログでカッターでポストを切った記事を読んで、早合点しました。
その後の調査でうちの自転車のポスト径が30.4mmだと判明しました。このダイソーのカッターのカット径の上限は28mmでした。
自転車のシートポストのコラム径のメジャーなサイズのひとつが27.2mmです。よそのブログの記事のやつは27.2mmのものでした。
が、うちのマイナー規格の30.4mmのやつはだめです。カッターがポストに入りません! 小は大を兼ねない!
圧をかけながら切るので、最初にシートポストを奥までがっちりはめ込まないといけません。刃が軽くかかるくらいはだめです。
28.6mmのオーバーサイズのコラムがぎりぎり、30mmオーバーのものはむりぽです。
結局、ぼくの場合、このパイプカッター、ハンドルのカットだけに使いました。実質的にハンドルカッターです。
そして、ハンドルバーが短くなって、グリップがエンドまではまりきらなくなりました。泣きっ面に蜂です。
ダイソーパイプカッターはお買い得?
ダイソーでは100円の金のこを買いましょう。ハンドル、シートポスト、フォークコラム、古いビニル傘、フリーダムに切れます。
ただし、アルミ粉末には注意してください。金属の塵芥は人体に有害です。
そして、自転車整備用にパイプカッターを買うなら、上限32mm以上のカッターを買いましょう。たいていのチャリパーツに使えますから。
この画像は22.2mmのハンドルバーです。分厚いアルミのコンフォート系のハンドルです。
この状態までセッティングできれば、ものの数分でカット完了できます。カット性能自体は優秀です。
金ノコでこの厚みを切ろうとすると、なかなかてこずりますし、アルミ粉塗れになります。そして、ぼくのようなずぼらさんは真っ直ぐに切れない・・・
結局、ダイソーをはしごして買うほどのものじゃありません。便利は便利ですが、とくにお買い得じゃありません。ちなみにカッターのサイズはこのひとつきりです。
- ハンドルバー22.2mm ○
- 27.2mmシートポスト ○
- オーバーサイズコラム △
- 30.9mm、31.6mmシートポスト ×
です。
カーボンにはパイプカッターはNG
このパイプカッターは金属チューブ専用です。カーボンパーツには対応しません。結果がこれです。
カーボンパーツの構造はカーボン繊維のシートの重なりです。内側の最終層がカッターの圧に負けて、こんなふうに剥離します。
今のところ、剥離の確率は100%です。
絶対にやめましょう。
クロスバイクのハンドルやポストのカットに32mmまでいけるアマゾンのこれがおすすめです。
たいていの金属パーツをカットできます。無理なのは1.5のフォークコラムと34.9のシートポストぐらいです。