先日よりYoutubeのチャンネル開設一周年と登録者数10000人の記念を兼ねて、プレゼント企画を強行します。
斜陽の国内スポーツバイクシーンを盛り上げるためにロードバイクをバラ完して上げることにしました。
中華カーボンお取り寄せ
こちらが本体のフレームとホイールです。
「え、スペシャらい・・・????」
気のせいでしょう、ロゴのフォントはそっくりですが、気のせいでしょう。最近のロードバイクフレームは量産型エアロ方式です。ほぼこの形になる。
ブランド名はRollingstoneです。台湾の自転車通販ストアのサイクリングエクスプレスが取り扱います。
新品定価は12万前後です。ノーブランドの工場直販中華カーボンが5-7万ですから、10万越えのこいつは中華的には高級品です。
まあ、NON中華カーボンというのがすでにイレギュラーですけど。カーボン製品を大量に作れる工場が中華圏にしかないし。
東大阪のヘルメット屋さんのOGKカブトがメットの製造工程の比率をごまかして、おひざもとの衣摺工場がJISマーク認証の取り消し処分を食らいました。
組み立ての2割を国内でやらないとJIS認証を貰えないが、その比率でやらなかったとか・・・実質、完全中華製? 安心安全日本製のうたい文句はどうなる?!
自転車メットは無問題です。でも、ユーザーはふくざつな心境でしょう。とくに日本人の中華製アレルギーは意外と根深いものです。
で、そのメットの製造過程には申告漏れがありましたが、製品の品質には問題がありません! て、OGKカブトが力説します
つまり、中国製品はすでに一定の水準を持ちます。実質、ユーザーには違いが分からん。
「国内企業の品質管理があっての」て定型句もこういう不祥事の前ではすこしむなしく見えてしまう・・・
これを踏まえてなおに製造国に病的にこだわるなら、YONEXのフレームを買いましょう。あれは日本製の国産品です。
世間的には「バドミントン屋の自転車?」て言われますけど、ははは。高いフレームだのに!
で、個人的な興味と技術トレンドの勉強のためにディスクブレーキのロードバイクをチョイスします。ディスクロードのバラ完は初です。
実機には何度か試乗します。
個人的にはカンパニョーロのデモ車が好印象でした。デザイン的にはちょいレトロです。フレームのうしろ三角形が小さくない!
ヴィヴァ、イタリア!
ディスクロードのメリットとデメリット
ディスクブレーキの性能面のメリットやデメリットは各方面ですでに語られ尽くされます。ざっとまとめましょう。
メリット
- 制動力アップ
- 雨天のブレーキ力減少がマイルド
- ブレーキでリムを痛めない
- 下りが楽
- 剛性アップ(スルーアクスル化)
デメリット
- 重量増
- 価格
- リムブレーキの遺産を使えない
- 整備がなぞ
- 情報も少な目
こんなところです。個人的にはロードバイクのディスクブレーキ化は大歓迎です。むしろ、副次的なスルーアクスル化の恩恵が特大ですね。
以上が表面的なインプレッションです。乗って分かること。でも、ぼくがここで取り上げるのはいじらないと分からないことです。
結論は「シマノ、どうした?」です。
バラ完から見るメリットとデメリット
さて、バラ完を一気にやってしまうと、動画の本数を稼げません。パーツをちまちま調達して、シリーズ化をもくろみます。
しかし、これより前のジャンクな中古のクロスバイクの修復シリーズの方が再生数的には人気です。なぜだ?! ロードバイク人気はまじで終了してしまったか?!!
で、こまかく工程を分けると、小さなCONSを見逃しません。予想外の出来事にじわじわ精神と予算をむしばまれます。
ディスクロードのバラ完のデメリットをピックアップしますぜ! リムブレーキは大歓喜だな!!
ボルト一本500円!
自転車のディスクブレーキの歴史はマウンテンバイクから始まります。大きな変化は台座です。これは主流のポストマウントです。
フレームの左側に台座がうにょっと突き出します。この中にネジ山がある。ブレーキはボルトで挟まれて固定されます。
ポストマウント以前の台座がインターナショナルです。
上の図はインターナショナル+ポストマウントアダプターです。ブレーキ本体はポストマウント用です。インターナショナルはすでに衰退しました。
で、後発のディスクロードにはまたまた新しい台座が用意されます。シマノ発のフラットマウント台座です。
リアブレーキ=フレームの台座はとくに特徴的です。ここにはネジ山がありません。この穴はただの穴です。ネジ山はブレーキ側にあります。
で、深刻な問題がこの画像にあります。中央のボルトです。これはフラットマウント専用のボルトです。商品名はボルトCです。
このフレームセットは中古です。フォーク側の専用ボルトは箱の中にありました。しかし、フレーム側は見当たらなかった。
で、ネットで調べて、ぎゃーと叫びます。
ネジが500円!!!
ごらんのように先端の形状が特殊です。そして、ステーの厚みで長さが変わります。セット500円ではありません。一本500円です!
ぎゃー!
太さはM5ボルトとおんなじです。高熱処理代が掛かるとしても、この価格はぼったくりバーです。
このボルトを使おうとした人、採用しようとした人はアホでした。このさきっぽの形状が値段の原因でしょう! なんでふつうのネジにしない?
せめてセット500円でしょうよ。てか、ポストマウントでよくね? ぼくはこのフラットマウントのメリットをとくに感じません。見た目はすっきりしますが、うーん。
イージージョイントホースが意味不明
シマノはスポーツバイクのディスクブレーキ化を推進します。社長がたびたびそのように明言しますし。
実際、そこそこのクロスバイクさえがこの数年でディスクブレーキ化します。MTBは前からそうですし、新興のグラベルやE-bikeははなからディスクです。
てことで、旧来のロードがリムブレーキの最後のとりでです。ゆえに販売店もそれに準じます。国内はとくに顕著です。
で、油圧ディスクブレーキの取り扱いに慣れない世界各国のアレな自転車屋のためにシマノがイージージョイントホースなるシステムを開発します。
特別なコネクターのおかげで店でかんたんにドッキングできるという夢のようなシステムです。
赤い丸がレバー側のコネクタです。これにブレーキ側のコネクタを接続します。ホースを一から繋げるよりかんたんです。
が、レバー側のエア抜きとオイル充填は必要です。販売店マニュアルにそうあります。えー!
しかも、このレバー側のコネクタはエアロフレームの内装ルートに入りません。
今回、3T AERONOVA風の中華カーボンハンドルの穴にみごとにつっかえました。
ところで、このイージージョイントホースは小売店用のキットです。市販品ではありません。
このコンポは完成車取り外し品ですから、たまたまこの小売店用のなぞキットが手元に来ました。
で、コネクタが内装ルートに通りませんから、このジョイントは無用の長物です。取り外して、新しいホースを切り直さねばなりません。
イージージョイントにはオイルが出荷時点で充填されます。これを抜くのが二度手間です。オイルの掃除もたいへんです。ありがためいわくだ。
そして、ディスクロードのトレンドはめっきりフル内装形式です。全国のプロショップの恨み節が聞こえます。
現実問題、ぼくが油圧ホースの内装動画を上げた日にサイメンの飯塚氏がほぼ同じ内容の動画を上げました。
「シマノ、どうした?」
個人ユーザーはこのジョイントシステムにはそう当たりませんが(そもそもバラ完しない?)、販売店はジョイント+内装に当たりかねません。
シマノがこの微妙なキットを改良して内装に対応するか、はたまたしれっと終売するか・・・そのあいだに何人の不器用な自転車屋さんが涙しましょうか。
個人ユーザーとして一本500円のアホな専用ボルトの衝撃が重くのしかかります。だって、前後4本2000円ですぜ?!
ミネラルオイルとブリードキット高すぎ
えーい、ついでに愚痴を言いきっちゃいましょう。価格の不満はまだまだあります。シマノの油圧ディスクブレーキ用のミネラルオイルがまたまたファンタジーです。
この価格差は昔からネタですが
- 一般用の50ml=1200円
- 業務用の1リッター=2500円
はい、算数が破壊されました。パッケージ代ですか?!
ぼくはこの正規品50mlに1200円を払いかねて、オクで100mlの小分け品を買いました。送料込み780円で買えました。
小口の家庭用をこの価格で売るなら、パッケージに「DURAミネラル」て入れてよ!
あと、オイル交換のキットが2000円です。
デュラエースホースとデュラエース注射器(シリンダー)じゃないと許されません。ホースとシリンダーは100均かホムセンでOKです。
バラ完から分かるディスクロードのデメリットはそんなところです。ボルト500円はいまだに尾を引く・・・