自転車にケーブルワイヤー類はつきものです。シフターの有無はまちまちですが、ブレーキはぜったいに必須です。ノーブレーキの自転車は日本の法律的にアウトですから。
前後セットxアウターインナーセット=4本です。これが機械式ブレーキの自転車の最小ケーブルワイヤーの総数です。
で、ケーブル類は消耗品です。スポーツバイクのものはなおさらです。インナーの交換の目安は年一回です。
ケーブル交換を自転車屋に頼むと、1000円/1本を取られます。ワイヤー交換は必然的にブレーキ調整、シフター調整を含みます。相応の手間がかかる=工賃がかさむ。
そして、例のごとくちまたの自転車店の整備の出来栄えは非常に不安定です。担当者の腕前と気分がすべてです。自分でていねいにやる方が安定で安上りです。
自転車ケーブル基本4種
自転車の機械式ケーブルワイヤー類は計4つです。ブレーキのアウター、ブレーキのインナー、シフターのアウター、シフターのインナーです。
ニッパーでこれらを切ろうとすると、いくつかの問題点にぶつあたります。シフト用のアウターケーブルが強敵です。
ニッパーとケーブルカッター
実のところ、ニッパーはケーブルカットの専門家ではありません。ニッパーは汎用カッターです。単線のワイヤーをきれいに切れても、より糸や結線をうまく切れない。
インナーケーブルはまんまより糸です。
へたなカットはほつれのもとです。
ケーブルカットの専門家がケーブルカッターです。
このパークツールカッターは自転車ケーブル専用品です。パークツールはアメリカの有名な自転車工具ブランドです。
フラットなニッパー、クロスなケーブルカッター
ニッパーとケーブルカッターの決定的なちがいは刃先の形状です。
右のニッパーの刃先はフラットにとどまります。それぞれが反対側まで交差しない。やわい線、ほそい線は刃と刃のわずかなすきまに首の皮一枚で生き残ります。
左のケーブルカッターの刃先はおたがいに交差します。すきまがぜんぜん生じません。これが切断力の秘密です。
ケーブルカッターの実演
では、ケーブルカッターの威力をためしましょう。最初のいけにえはブレーキアウターです。
このパークツールのケーブルカッターCN-10Cの刃先はここまでしか開きません。圧倒的なおちょぼ口です。自転車のケーブル類はこの範囲に収まります。
反面、かみつきパワーは強力無比です。長い柄+短い刃の作用点の力はてこの原理で最大限に倍増します。
ばっつんこ!
かんたんです。正味、ブレーキアウターはぐるぐる巻きの針金みたいなものです。切断はむずかしいものではありません。
おつぎの犠牲者はインナーワイヤーです。
切り口はひじょうにきれいです。一本一本の断面がおおむね〇です。
ニッパーの切り口はここまできれいに仕上がりません。線のつぶれが多くなって、力のかけ方でいやらしい『ほつれ』がしばしばでます。
最後はシフト用のアウターケーブルです。これがいちばんの強敵です。構造が外から、ゴム被膜|細い鋼線の束|ライナー管| のようになります。歯切れがよろしくない。
こんなふうに一回目でケーブル内のすきまを潰して、二回目で別方向から縦切りすれば切り落とせます。二段階右折のようなものですね。
ケーブルカッターは一発でKOしちゃいます。直接右折です。
断面のまんまるが見えます。専用工具のくちばしの威力はだてじゃありません。
かしめ機能が大活躍
このパークツールのワイヤーカッターは自転車専用です。具体的には柄の根元のかしめ機構がアメイジングです。
カットしたケーブルの整形に。
コネクターインサートの圧入に。
もちろん、エンドキャップのかしめに。
て、自転車の各部のスモールパーツのはさみ、つまみ、かしめにジャストな大きさです。金額分の価値は十分にあります。
が、そこまで工具にお金を出せないorたまにしか使わない、日本のParktool的なHOZANのカッターを使いましょう。
“編み込みワイヤーをばらけさせずにきれいにカットできます”
これがまさにケーブルカットのかなめです。