自転車は汚れます。走っても汚れますし、放置しても汚れます。
凶悪な自転車の汚れ
ギア、リング、プーリー、チェーン、これが自転車パーツの汚れ四天王です。共通点は回り物、複雑な形状、剥き出しのコンディションです。
ギアとリングとプーリーはギザギザ、チェーンはデコボコです。つまり、汚れやすく掃除しにくい。
スプロケットの形状はほぼいやがらせです。
しかも、回転駆動系の汚れはグリス、オイル、ダスト、ノイズの混合物で、糊状・ヘドロ状のしつこいやつです。単純な水洗いでは落ちません。
台所のコンロの油汚れの凶悪版です。こういうやつには水洗いより布や紙での拭き取りの方が効果的です。
ウエスの洗濯がめんどう
自転車清掃には大量のぼろ布やぼろ切れが必須です。業界用語では『ウエス』ですね。マイクロファイバー系のタオルがおすすめです。
しかし、タオルは汚れます。そして、洗濯がめんどうです。この汚れはもともと上記のヘドロです。当然のごとく水洗いでは落ちません。
洗濯機でシャツと一緒に洗う? おかんに怒られます。
結局、使い捨ての紙切れが手軽です。しかし、ふつうの古新聞、ティッシュペーパー、ちり紙は一瞬でぼろぼろになります。対象物がギザギザでデコボコですから。
で、このオイルで汚れた紙のクズがそこらへんに散らばると、後に悲劇を巻き起こします。安易な紙清掃は禁物です。
自転車掃除には不織布
で、自転車の清掃には不織布が役立ちます。読みは『ふしょくふ』です。布て銘打たれますが、パルプ製の紙を含みます。
使い勝手、適度なサイズ、コストから自転車乗りにこよなく愛用されるのが日本製紙クラシアのワイプオールx70です。
車のワイパーてのがあるようにワイプ=拭き取りです。オール=万能型ですね。つまり、これは万能拭き取り紙です。
ホームセンター、ヨドバシの実店舗やamazon、楽天でふつうに買えます。業務用は大容量ですが、個人使用にはこのくらいの枚数がベターです。ぼくはアマゾンで710円で購入しました。
ワイプオールの中身です。
質感や手触り、紙の繊維の目はキッチンペーパーやクッキングペーパー、コーヒーフィルターにそっくりです。
現にこれらも不織布の一部です。このワイプオールはその超強化版です。
ワイプオールはほつれない
不織布の特徴はほつれにくさです。ためしにチェーンを無造作にごしごしこすりましょう。
ふつうのちり紙や新聞紙は一瞬でもろもろに崩壊しますが、ワイプオールは形状をキープします。吸水、吸油性はばっちりです。
そして、不織布はタオルみたいな織物ではありませんから、糸のほつれや毛羽がぜんぜん出ません。紙と布のいいとこどりです。
角の立ち方は紙系の特徴です。折り目が付きますし、エッジがとがります。ふつうの織布はこうなりません。
スプロケットの歯と歯の隙間を掃除するための特性にさえ思えます。
そして、引っ張れば破けます。つまり、擦れ耐性が布以上で、引っ張り耐性はふつうの紙です。非常にアメイジングな製品です。
水にも強い
紙は水を吸うと途端にもろくなります。
「キッチンペーパーを切らしてもうた!」
で、苦し紛れにティッシュペーパーを使うと、お肉をちり紙塗れにできます。紙の繊維は水分でばらけます。トイレットペーパーはまんま水溶性ですし。
ワイプオールはキッチンペーパーとおなじく不織布です。水をかぶっても、もろもろになりません。
おまけに紙の張りが消えて、布のしなやかさが出ます。簡易なぞうきんです。
これでチェーンをゴシゴシゴシゴシ無造作に50回ほどこすりました。
糸くず、紙くずはぜんぜん出ません。まさに拭き取り掃除のプロフェッショナル、自転車清掃の強力な味方です。
使い捨てのポリエチレンの薄手の手袋とタッグを組めば、まさに鬼に金棒の無敵っぷりを発揮します。
コストはせいぜい15円/1回です。軍手&ウエスの旧世代タッグに引導を渡せます。もちろん、ゴミ箱へポイできます。
万能型の拭き取り専門、ワイプオールの威力をお試しあれ。amazonの在庫がふつうに最安です。