2010年台初期のロードバイクのタイヤは700x23cでした。ベストセラーはContinental GP4000 S IIです。まさにチューブドクリンチャータイヤのピークです。
2015年ごろからホイールリムの有効内径がC17にワイド化して、25Cタイヤ時代が到来しました。
同時期にロードバイクのディスクブレーキ化、チューブレス化の大波が来て、空前の変革期がおとずれます。
どこぞのトリノの軽量パーツ屋さんはざんしんな1xロードレーサーで気を吐きます。
このヘンタイロードの3T Stradaは海外では話題です。廉価版の発表がありました。なんだかんだでフレーム初参戦の3T Exploroは売れましたから、この3T Stradaも一定の支持を得ましょう。
25Cタイヤがすっかり定着
オンロードバイクのフロントシングル、油圧ディスクブレーキ、チューブレスはまだまだ普及の途上にありますが、C17リムと25Cタイヤはすっかりスタンダードになります。
このトレンドの移行で旧来のレギュラーだった23Cクリンチャーがイレギュラーなものになりました。今日の23mmタイヤの位置づけは『軽量』や『ほそめ』です。
このところ、自動車タイヤの自転車タイヤ参入がちらほらあります、ピレリとかグッドイヤーとか。サイズ展開はおおむね25-30Cです。で、タイプはチューブレスです。
定着=陳腐化
しかしながら、このスタンダードな25Cタイヤさえがはなばなしい登場からすでに数年目の節目を迎えます。
ロードバイクの進化は非常に微温的ですが、3年は潮流の変化には十分な時間です。初のロード用の12速ドライブトレインはカンパニョーロから出ましたし。
その証拠に最近のロードレーサーのフレームのクリアランスはおおむね28mmです。ブレーキパーツもこれに伴って、ワイド化します。
つまり、現行のスタンダードの25Cタイヤの旬は過ぎました。2010年代後半のタイヤサイズのトレンドでは25Cは『細いタイヤ』になります。
トレンドはあまねく一般に浸透すると、もう最新ではなくなります。25cタイヤはすでに最新作ではありません。準新作です。TSUTAYAでは一泊100円になります。
Zonda C17化がもう二年前
人気おすすめホイールベスト1のCampagnolo ZondaのC17化が2016年の夏です。C15はとうに終売です。新古品の在庫はほぼ出てきません。
第二候補のRacing 3も翌年にはワイドリム化します。最後ののぞみのアルテグラホイールは同年のアップデでC15をキープしますが、後継はまさかのRS堕ち&分家で”Ultegra”のかんむりを失います。
そして、海外通販のRS700の実売がRS500と変わらないてゆうミステリーが常態化します。3万アルテは昔話になりました。
622x19C時代の幕開け
トレンドの移行はハイエンドモデルから始まります。で、トレンディーなカーボンクリンチャーやディスクブレーキ用チューブレスホイールのリムは徐々にC19化に移行します。
なぜか? 最近のカガク的ケンキューでは「そっちの方がホイールシステム的にはいろいろと好都合だから」です。じゃあ、仕方ないネ!
人気4大ホイール屋の一角、フランスのMAVICはタイヤバンドル&装着済みのパッケージ売りのWTSと再起のチューブレスUSTでロードホイールのイニシアチブをとります。
ここのエアロホイールのコスミックプロカーボンSL USTのリムの有効内径はC19です。推奨タイヤサイズは25-32です。
付属のタイヤは25Cですが、C19リムのベストサイズは28mmタイヤになります。そして、おそらく実測の採寸はリムに釣られて広めに出ます。
で、リムがワイド化すると、タイヤがワイド化します。で、ミドルグレードのアルミホイールxハイエンドタイヤはふつうです。
結果、中位の普及帯のアルミホイールがタイヤのワイド化と同時進行ないしワンテンポ遅れでワイド化して、一般ユーザーの手元に行きわたります。
はたして、今シーズンのCampagnolo ZONDA 2019のリム幅はどうなりましょうか? くしくも年数の末尾とワイドリムのリム幅の数値が合います。これは2017モデルと同様の状況です。
推奨タイヤサイズは拡大の一途
「タイヤの推奨幅は+-2サイズまで!」
一昔前までそんな通説がありました。しかし、ディスクブレーキ化とチューブレス化でこの常識はふるくさいものになります。
- マビックのオールロード系 30-40
- Fulcrum DB 28-62
- Shimano RS370 28-45
フルクラムのカタログ値はとくにがばがばです。ふつうのRacing ZEROにさえ”25-50″てアメイジングな記載がおどります、まじか?!
そして、一昔前まで30mm以上の700cはシクロクロス用の特殊なタイヤでしたが、オールロード系の急速な発展で700Cの35mm以上のタイヤが一般的になりました。
スポーツバイク的には『ホビー』なグラベルバイクやツーリングバイク用のパナのグラキンSK 700-40(700-43)です。性能は競技用に劣りません。
これがC19のクロスバイクのホイールにもC28のMTBのプラス系ホイールにも問題なくつきます。700Cがロードバイクの専売特許でなくなった、てのが真相でしょう。
700C≠ロードバイク
ZONDAクラスのコスパホイールはホビー、練習、予備、普段使いを兼ねます。お手軽エンデュランス、かんたんオールロード化が視野に入る。
「700cホイール=ロードバイク用=軽量」
2015年以降にはこれがもうぜんぜん通用しません。そして、C19と28mmタイヤが広く浸透すれば、C21と30mmタイヤが幕を開けます。
軽い細いクリンチャーの700cホイール? 絶滅危惧種です。新古品を辛抱強く探すか、手組を頼むか、ひとおもいにチューブラーを買いましょう。
これは28x22mmですが、最細は19mm~です。最細最軽量は160gのTUFO ELITE JETなどです。ヒルクライムには最高ですが、下りと平地にはぽんこつです。
結局のところ、「23cチューブドクリンチャータイヤ、C15リム」てものに特別な意味や優位性はありません。2010年代前後のロードバイクのタイヤのトレンド、それだけです。