いろんな規格が混在する自転車パーツですが、シートポストも例外じゃありません。ちなみにシートポストてのはサドルの下の棒です。

カーボンシートポスト
この棒はシートピラーとも称されます。post=英国風表現、pillar=米国風表現です。いずれが『柱』を指します。
googleの検索数ではシートポストが200万件オーバーで、シートピラーが80万件です。
シートポストあれこれ
シートポストはサドルを固定するヤグラとフレームのシートチューブに差し込むポストからなります。これはごくごくオーソドックなシートポストです。

ルイガノシートポスト
サドルのレールに固定するヤグラです。これはボルト2本締めのタイプ。

ヤグラ
1本締めより角度の融通がききます。ホームセンターのママチャリとかにはもっとごっついヤグラが付きます。こういう細部パーツから自転車のグレードがそれとなく分かります。
こちらは一般的なサドルの裏側です。

一般的なサドルレール
これはママチャリ・シティサイクル系のでかサドルタイプです。ここの形状はうん万円の高級サドルでも安サドルでも一緒です。
ただし、材質がカーボンだったり、チタンだったりします。安物はだいたいしょぼいスチールです。
シートポストにこんなふうに組み付けます。

やぐらとレール
ボルトを六角レンチで締めて、取り付けます。サドル交換をしない人もこの取り外しを覚えておけば、サドルの角度調節に役立ちます。
角度をうまく決めれば、安チャリの乗り心地をアップできます。ベスト角度を試行錯誤しましょう。
独自規格のI-BEAM
サドルとポストの規格にはI-BEAMて特別なものがあります。

ibeamシートポストやぐら
これは専用ポストと専用サドルのニコイチアイテムです。上の一般的なサドルはI-BEAMポストに付きません。必ずサドルとシートポストをセットで使います。まあ、マイナーアイテムです。
ほかにはBMXのシートポストやメーカー独自の一体型ポストなんかがあります。
BMXのプレイヤーはほとんどサドルに座りません。サドルは飾りみたいなものです。ポストもめっちゃショートですし。街乗りBMXerがなんかちっさく見えるのはこのせいです。
注意点はシートポストの太さ
サドルとやぐらのセッティングはとくに難しいものじゃありません。ほとんどのチャリンコで共通です。
しかし、フレームとポストはそうじゃありません。注意点はポストの太さです。これは車種や年式でばらばらです。おおまかなサイズ区分は
- 27.2mm=ロードバイク、クロスバイク
- 30.9mm 31.6mm 34.9mm=MTB
- てんでばらばら=ミニベロ、折り畳み
です。
ちなみに上記のルイガノのシートポストはミニベロのもので、30.4mmのマイナーサイズです。これはロードやママチャリのフレームには入りません。
より大きいMTB系のものには入ります。でも、0.5mmのクリアランスのおかげでゆるゆるになります。目一杯に締めても、きちんと固定できません。体重で下まですとんと落ちます。
シムを使う
サイズ違いのポストをフレームに固定するにはこんなものを使います。シートポストシム(アダプター)です。

ポストシム 30.4mm-27.2mm
『かませ』です。ゆるゆるのクリアランスをこれで埋めて固定します。フレームのシートチューブの内径とシートポストの外径でシムの厚さも変わります。これは30.4-27.2mmのシートポストシムです。
うちの愛車みたいにフレームのシートチューブの内径が特殊だと、このアダプター探しが一苦労です。国内の通販ではまずありません。海外サイトのアイテムかアマゾンの平行輸入品になります。
シートポストの計測に必須のデジタルノギス
パッケージやカタログを見れば、シートポストの径を調べられます。が、より具体的な数値を見るにはデジタルノギスを使います。
ポストの外側はもちろんですし、チューブの内側はこのとおりです。

シートチューブ内径
このチューブのカタログ値は30.4mmですが、実測はこのとおりになります。経年で削れて、0.1mmほど広がりましたね。
シートチューブの0.1mmはけっこうな黄信号です。体重が掛かりますからね。後日に折れたシートポストはここまで磨耗しました。

ポスト径
まあ、ひんぱんに上げ下げしすぎましたわ、ははは。
自転車は工業品ですが、自動車部品や単車部品ほどに高精細じゃありません。0.1mm級の誤差は日常です。実測を計るなら、デジタルノギスを調達しましょう。
とにかく、こいつは便利です。あれこれむやみに計りたくなります。