新しいバイクをバラ完しようと思います。100km前後のプチ遠出用の快速号です。それ以上の長距離はオールロード仕様のMTBの役目です。太タイヤの恩恵は絶大です。
で、オンロード系のバイクを検討して、あれこれ画策を始めます。トレンディーなエアロディスクロードが理想です。でも、手ごろなフレームがありません。
- GIANT PROPEL DISC→フレーム販売なし
- 3T STRADA→割高。赤色が×
- BMC SLR DISC→やっぱし赤い
- FOIL DISC→配色が好みでない
- CANYON AEROAD DISC→いまひとつ
- 中華カーボン→本命不在
です。
軽量タイプ、オールラウンダーはよりどりみどりです。しかし、エアロが意外とない。ブランド品20万、中華6万を目安に探しますが、目ぼしい手応えを得られません。
ロードレーサーを作ろう
ふと目線を変えて、へんなしばりを設けず、なにがしかのおもしろいものを探します。じゃあ、中華ストアのとあるフレームでレーダーがビビッて反応しました。これや!
そんなわけで新作のベースが決まりました。スタンダードなオールラウンダーのロードレーサーです。CCC号、Cheap China Carbon、安中華カーボンのロードです。
今のところ、フレームの納期は不明です。しかし、商品ページから各部の仕様は分かります。5月の連休までの完成&乗り出しを計画して、パーツの調達を開始します。
その第一段が届きました。
初っ端から大物です。
カーボンホイール!です。しかも、ディープリムだ! はやりのカボクリ? いえ、チューブラーです。手組の中古です。なぜかトレンドに真っ向から反逆します。
反逆の手組カーボンチューブラー
このカーボンホイールの詳細です。
- リム=Reynolds Assault Tubular 46-20
- ハブ=White Industries T11
- スポーク=DT AEROLITE
- タイヤ=Continental Sprinter 22mm
レイノルズはカーボンホイールのしにせです。White Industriesは実力派のハブ屋さんです。DTはスイスのスポーク屋さんです。コンチはドイツの有名なタイヤ屋さんです。
じつにごうかな顔ぶれです。そして、しぶさが光ります。華はなくとも、実はあります。ディープリムでインパクトは十分です。
カンパやフルクラムの赤、マビックの黄は今度の新車にイメージに合いません。こういうしぶいホイールが理想的です。
White Industries made in USA
目玉はハブです。
made in USA!! このWhite Industriesの評判は同国の王者クリスキングに肩を並べます。そして、クリキンほどのミーハーさはしません。まさにうってつけです。
モデル名はT11です。ロード11速用の軽量なハブです。ホイールの組み方はフロント20本ラジアル、リア24本2クロスJISです。ニップルはインナータイプです。
コンチのタイヤはおまけです。
重量計測
おたのしみの重量計測です。タイヤ込み、QRなし、TANITAのアナログキッチン計の実測です。そろそろデジタルばかりを買おう。
810+990=1800g
ここからコンチのタイヤの重量を引きます。カタログ公称値を参考にしましょう。これが275gです。
1800-275×2=1250g
うーん、意外と軽くない。C25化したCOSMIC ULTIMATE 2018とタメです。リムの予想重量はうちの29er MTB用のHOOKレスのチューブレスの中華カーボンホイール2号とどっこいです。
この中華カーボンリムの予測重量は320gです。むしろ、リムの単体な軽さではこっちが勝ります。てか、フルカーボンのHOOKレスリムがちょっと反則級です。
いつかのどこかのREYNOLDSリム
Reynolds Assaultのリムは46mmのディープリムです。現行品は41mmです。いつの時代のものでしょうか? そもそもAssaultのチューブラーがすでにありませんし。
付属のタイヤは22mmです。リムはさらに一段と細くなります。目測は20mmくらいです。じゃあ、2010年頃のモデルだあ?
作りは悪くありません。カーボンの地に独特のクラフト感があります。最近の中華カーボンみたいにこぎれいじゃありません。味がある。
初期のころのmade in USAのふんいきがします。古いカボクリはビミョーなところですが、カーボンチューブラーはそんなに神経質じゃありません。
むしろ、へんな気を遣わずに、最初からバリバリ走れます。おまけに舗装路には岩や木の根っこや崖がない!
この年明けから中華カーボンホイールを10回ほど山でガシガシ使いますが、まったく不安を感じません。落車、転倒、足蹴、枝噛み、投げっぱなしジャーマンは数知れずです。
最近では当初のやさしさを忘れて、トリックの練習に使い始めました。階段でゴリッ! 段差でガコッ! てしますけど、一向に破壊できません。中華のくせになまいきだぞ。
カーボンリムは事前の想像よりはるかにタフです。
ハブのメンテ
現状でホイールの機能と状態は問題なしです。ハブはするするよく回ります。振れはよー分かりません。
しかし、グリス汚れがちと目立ちます。
White Industriesのハブをきれいにしましょう。メンテのしやすさ、ばらしやすさはここの製品のうりのひとつです。
イモネジを適度に緩める
ハブのキャップにはこんな穴があります。中にはイモネジがあります。2mmアーレンキーでゆるめます。
しかし、イモネジが出すぎると、頭がカップにつっかえます。八分くらいまで緩めて、シャフトを抜きます。
ぼくはゴムハンマーでこんこんたたき出しました。
フロントから1個、リアから3個のイモネジが出てきました。汎用品です。なにかの拍子にぽろって失くすと、ホームセンターに走らねばなりません。小皿かなにかへより分けましょう。
ラチェットはふつう。ボディはチタン!
ハブのラチェットです。ふつうです。角はキッレキレ。実際に手が切れた。ベアリングはシールドカートリッジタイプです。
フリーボディです。これはチタン製です。汚れの下から白銀色のかがやきが現れました。上等な加工ですわ~。爪の精度さえがえぐいレベです。
グリスを薄く塗って、メンテを終えます。
ママチャリで試走
さて、ホイールがきれいに復活しても、フレームがまだありません。MTBはディスクブレーキのスルーアクスルのBOOSTです。幅も太さも異なります。
そこでサブマシーンのママチャリが役立ちます。これのフロントはSURLYのフォークです。ホイールはMicheのトラック用です、ナット止め。タイヤはSchwalbe Oneチューブラーです。
これを外して、カーボンチューブラーをセットします。フロントだけです。リアはつぎのおたのしみです。
クイックリリース! 個人的になつかしいアイテムです。ナット止めとスルーアクスルを経てから顧みると、全幅の信頼を置きかねます。固定力と安定性が不満です。
ママチャリから風切り音が!
さらっとお買い物に行きました。
フロントだけを交換しても、けっこうなギャップを体感できます。まずはハンドリングと漕ぎ出しです。一気に軽くなりました。
それは当たり前です。重量がぜんぜん違います。タイヤ幅が24mm→22mmにナロー化します。あと、もとのタイヤの空気圧は一か月放置です。ママチャリだからネ!
不安材料の横風はそんなに神経質じゃありません。てきめんに弱くなるのはリム高60mm以上でしょう。
河沿いでスピードを上げると、シュ・・・シュ・・・シュゥウウ、ヒュォオオオオオーてメロディを奏でられます。ぞくに風切り音です。ディープのだいごみ! ママチャリには不釣り合いな代物です。
が、無風の平地の速度はMicheの重いアルミホイールとどっこいです。てか、あっちはトラックホイールですから、高速域の専門性には優れます。
この角度ではアメリカンなロードバイクにしか見えません。
目線を少し上げると、本来の用途を思い出せます。お店のはしごを劇的に改善するカギ不要のGORINボタン式リング錠です。これはほんとにべんりです。
でも、このハイトではリングがリムにつっかえます。予想外の悲劇だ! ホイールをパクられてしまう~!
ミニVブレーキでロックしてみる
もうひとつの懸念材料はブレーキです。リムブレーキのカーボンホイールの扱いはおはつです。効き目とフェイスの耐久度が心配です。
で、試しに速度を30km前後まであげて、ミニVブレーキで目一杯に引いてやりました。ちなみにパッドはアルミ用です。
制動力は十分です。強力なVブレーキですから。本命のフレームのブレーキタイプはダイレクトマウントです。ふつうのキャリパーよりキビキビ系です。
そして、4回中の3回でゴムの焦げ臭がほんわりと漂います。パッドの減りの早さはうわさのとおりです。六甲山とかの長丁場のダウンヒルはどうでしょう?
なんでカーボンチューブラー?
はて、このカボクリやDBの時代になんで古風なカーボンチューブラーでしょう? 理由はふたつです。
ひとつはWhite Industriesのハブです。手組ホイールのパッケージ品のハブはだいたいDT系です。これを回避して、クリキンを外すと、ホワイトにならざるをえません。
完組のBORA、レーゼロカーボン、MAVIC COSMICは予算オーバーです。南大阪の釣り具屋さんのホイールはいやだ。中華カーボンはすでに手元にある。
ふたつめはクリンチャーの中途半端さです。この期にチューブドはない。チューブレスにするなら、ディスクでやります。チューブドで使うにしても、HOOKレスをクリンチャー化します。
技術の進化でタイヤの差は日々に狭まりますが、ホイールのリムの差は根本的に覆りません。リム単品で100gの差が出ます。これは大です。
それでも、世間がチューブラーを敬遠するのは使い勝手の悪さとタイヤの価格と食わず嫌いでしょう。めんどくさいものはノットウェルカムです。
そのせいでチューブラーは不人気です。ある種の風評被害です。で、高性能なやつが割安で出回ります。手間を楽しめるタイプには最高のお買い物アイテムです。
良いハブの手組ホイールを買えば、古いリムを使いつぶしても、組み換えでのちのちまで遊べます。これがアナクロなカーボンチューブラーの理由です。
現行のおすすめカーボンチューブラーはBORA ONE TU 50です。CLは20万まで行っちゃいます。ULTRAは高根の花だ。35は軽すぎて、ディープぽさを欠きます。