- ギシギシ系
- カチカチ系
- カラカラ系
- ピキピキ系
どこぞの悪魔の実ではありません。自転車の異音の種類です。
カチカチ系? ぎしぎし系? でも、BBはBBだよ!
先日からぼくの自転車がカチカチします。上り坂でカチカチ、平地でカチカチ、体重でカチカチとウィンカー並みに鳴ります。
発生源はBBです。思い当たるフシは・・・増水した川へ何度か水没したこと。
シャワーで丸洗いしたこと。
そもそもカップ圧入のときにグラタン皿でプレスフィッたこと。
3ストライクの1アウトです。
圧入カップ外してベアリング分解
実のところ、事前にちょこちょこクランクを外して、BBのからぶきクリーニングとチェックをします。
左カップはぬるぬるですが、右カップのシールドベアリングがあきらかにゴロゴロします。
外からの拭き掃除ではらちが明きません。シールドベアリングを本気でクリーニングしましょう。クランクを外します。
BBはRACEFACE Cinchの純正、BB92の30mmスピンドルクランク用です。
で、カップの取り外しです。例のごとくプレスフィットBB着脱の専用工具、自作工具は手元にありません。テキトーなもので代用しましょう。
最近、わが家では長めのタイヤレバーがノミのお株をうばいます。さきっちょのやわらかさと持ち手の丈夫さが決めてです。
レバーの先をBBカップの内側の段差に当てて、持ち手のケツにハンマーをバンバンして、ごりごりゴリ外しに成功しました、ウホウホ。
ほんまにタイヤレバーの固さはじつにグッドです。ふつうの金属ノミはパーツの塗装をバリバリ削っちゃいますが、強化樹脂のレバーの先はやさしいジェントルマンです。
カップの近影です。パッキンはおなじみのゴムシールです。汎用じゃないよう。”RACEFACE”の刻印があります。
そして、下の工具はシールめくりんちょ by B4Cです。裁縫の針の先を平たくつぶして、くにゃっと曲げました。ベアリングシールめくりに最適です。
本家のめくりんちょは1980円です。こんなしょっぱい工具がまあまあのプライスですよ。
シールを開けて、リテーナーを外して、中性洗剤とぬるま湯でわしゃわしゃ丸洗いします。
ここまで分解しちゃうと、戻しに苦労します。下の真ん中のリテーナーを外さずに小さいブラシでよくあわ立てて洗いましょう。
写真には18個しかありませんが、鋼球は19個です。あとの1個はふきふきペーパーから出てきました。ノギスで実測します。3.16mmです。
これは汎用鋼球の1/8インチ=3.175cmサイズだア? 削れが0.015mmです。おりを見て、日本製のちょい良いめのやつを入れてみましょうか。
スチールボールに大きなダメージはありません。でも、リテーナーはもろもろです。そこかしこにヒビが入って、一箇所がぽりょっと切れました。
これだけの市販はなさ気です。すなおにRACEFFACEの純正BBを買うか~。
カップのなかをちり紙で拭きます。赤茶色のよごれが付着します。サビか! こいつか?!
うーん、なぞエキス配合のBB汁の匂いはさびっぽくもあり、ケミカルぽくもあります。そして、もとのグリスはわりにしゃぱしゃぱです。べたつきません。ドライ系です。
案の定、スチールボール戻しに四苦八苦しますが、どうにかこうにか組み立てなおします。そして、AZの万能グリスをぎちぎちのみちみちに詰めますね、たっぷりと。
BB汁、ダメ、ゼッタイabssolute!
手応えは別物になります。ゴロゴロは消えますが、回転はにぶくなります。ねちょー、てしつこい中年オヤジみたいなフィーリングです、てか、ねちこい。
で、このネチコBBをフレームに再圧入します。当て木してハンマーでまんべんなくベンベンベンベン! します。はい、早々の1ストライク!
カチカチが消えた!
ここまでやって泣きを見るのがDIYのだいごみです。不安と期待にドキドキしながら近所の上り坂を全力トルクでギコギコ登ります。
カチカチ音が消えた。
が、しかし、後日のメンテで真犯人が発覚します。異音の正体はチェーンリングのゆるみでした。BBは無実だった!
こんなふうに異音問題の追及はやっかいです。