はじめてのホイールの振れ取り 初心者向けのかんたんな方法


自転車の4大元素は本体のフレーム、回転駆動系のドライブトレイン、仕上げのフィニッシュ、そして、足回りのホイールです。

 

自転車パーツの4系統

自転車パーツの4系統

 

パーツは削れますし、へたれます。ドライブトレイン系のギアやチェーンの摩耗は明白です。使用と経年で歯がちびる。

 

チェーンリングの歯の摩耗 7000km

チェーンリングの歯の摩耗 7000km

 

 

ホイールはゆるむ

 

ホイールのへたりはおもに連結部分に出ます。古いシューズのアッパーの縫い目やソールのつなぎ目がパカパカするようにニップルやスポークがゆるみます。

 

で、このゆるみが度を過ぎるとか、スポークやニップルが破損すると、ぞくに『振れ』が出て、リムがぐにゃぐにゃ波打ちます。これを見ると、ぼくは軽く酔います、ははは。

 

リムブレーキホイールの振れはブレーキパッドに抵触して、しゅっ…しゅっ…て断続的な音を出します。目ざわりで、耳ざわりです。

 

で、この不具合を解消するのがホイールの振れ取り作業です。自転車のメンテナンスのなかの上級者向けコースです。

 

これを専門的に手掛けるのむラボのような名店がありますし、価格.comの掲示板で道場をひらくディープインパクト氏のような通人がいます。非常に深い世界です。

 

が、しかし、かんたんにやろうと思えば、ずぶのしろうとが10分でできちゃいます。むずかしいイメージにしりごみせず、はじめての振れ取りにチャレンジしましょう。

 

はじめての振れ取り

 

振れ取りの作業はじつにシンプルです。スポークニップルを締めるか緩めるか。これをくりかえして、リムの張りを均一にして、ホイールをきれいな円に近づけます。

 

カーボンホイールをバイスで固定

カーボンホイールをバイスで固定

 

ニップルとスポーク

 

振れ取りのかなめがニップルとスポークです。現物はこんなです。

 

Pillerのスポークとニップル

Pillerのスポークとニップル

 

上の細い針金がスポーク、下の小さなナットがニップルです。左側のニップルは縦に割れた不良品です。

 

ニップルから竹割

ニップルから竹割

 

この小さなパーツがこんなふうに割れると、スポークの張り、テンションがゼロになります。エンドキャップから抜け出た傘の骨のごとしです。

 

で、全体のテンションがいびつになって、リムが弱い部分で局所的にゆがみます。これが振れです。このようなニップル割れ、スポーク折れの振れはあからさまに出ます。

 

また、ニップルやスポークはゆるみこそすれ、しまりません。未使用がもっともフレッシュです。日に日に鮮度は下がります。定期健診の目安は一年です。

 

工具はニップル回し

 

振れ取り作業の最重要アイテムがスポークニップル回しです。これはスタンダードなマルチタイプです。

 

ニップル回し ノーマル

ニップル回し ノーマル

 

数値はスポークのサイズです。14=2mmや15=1.8mmが標準的です。そのほかのものは過去の遺物や特殊系です。

 

使用例です。リムの内側からちょろっと出たニップルのヘッドをこんなふうにキャッチします。

 

ニップル回し

ニップル回し

 

こちらはインターナルニップル用のY字型ニップル回しです。

 

パークツールニップル回し

パークツールニップル回し

 

こうゆうリムのなかに隠れたニップルを外側から回します。

 

ブレードスポークの締め方

ブレードスポークの締め方

 

ソケット形状は六角or四角です。

 

自転車をひっくりかえす

 

振れ取りのもうひとつの重要アイテムが振れ取り台です。ホイールをこれに乗っけて、こまかな調整します。カリカリのチューンナップには必須です。

 

が、この振れ取り台はかさ高、割高、出番少です。初心者が見切り発車で買ってしまうと、98.3%でもてあまします。元を取れない。同じ金額でプロに振れ取りを頼めます。工賃は1500円~です

 

てなわけで、伝統的な代用方法がチャリダーのあいだに伝わります。それが自転車ひっくりかえし作戦です。

 

自転車ひっくりかえし

自転車ひっくりかえし

 

フォークで振れ取り

フォークで振れ取り

 

振れ取り台みたいな専用工具を通販でぽんぽん買えるのはせいぜい2010年以降の事情です。プレネットショッピング時代のチャリダーたちはおおむねこの方法で急場をしのぎました。

 

大きな振れはブレーキに干渉します。はじめての振れ取りには十二分な代用品です。しろうとが高性能な振れ取り台でコンマ数ミリの歪みを見つけても、カンペキに調整しきれませんし。

 

はじめての作業の入りに失敗すると、苦手意識をうえつけられます。つまづかないためにはハードルを限界まで下げましょう。

 

ニップル締める

 

振れを見つけて、その部分のニップルを締めます。スポークやニップルの破損はかんたんです。ピンポイントでその部分が振れますから。

 

スポークはリムからホイールの回転軸のハブの左右のふち=フランジに向かいます。方向は規則的です。右左右左…

 

下図の1のスポークのニップルが赤矢印方向に締まると、スポークが青矢印方向にぴんと張って、リムが黄色矢印方向によります。

 

赤・ニップル締め 黄・リムの寄り 青・スポークの縮み

赤・ニップル締め 黄・リムの寄り 青・スポークの縮み

 

また、1のスポークの張りが十分であれば、両隣の2、3が緩んでも、リムは黄色矢印方向によります。まさに綱引きのイメージです。

 

ニップルの締めと緩め、振れ取りはこの作業のくりかえしです。で、最終的にいびつな部分をなくして、ホイールをきれいな円にする。泥団子をていねいに削ってまんまるにするみたいなものですか。

 

全体のテンションを下げれば、やわらかいホイールにできます。テンションを上げれば、リムをかちかちにできます。腕利きの大将やべテランさんやはこれを自在にこなします。

 

しろうとは左右の振れ取りだけをしましょう。てか、自転車ひっくりかえし方式でできるのはそればかりです。大まかなテンションはスポークの握り心地でわかります。音感の持ち主は音で判断しましょう。

 

振れを見つけて、ニップルを締めて、リムを寄せる。応急処置で縫合手術までしようとしない。消毒して、傷テープを貼る。100点です。

 

実際問題、スポークやニップルのサイズをまちがう、工具タイプをかんちがいする、振れ取りの敷居の高さにたじたじするetcetcの失敗ポイントが多々とあります。

 

左右の振れ取りまでそつなく行ければ、よゆうで『振れ取り』の実績を解除できます、ははは。

 

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