スポーツバイクのタイヤのタイプは3種類、チューブラー、クリンチャー、チューブレスです。チューブラーが最古参、チューブレスが最後発です。
ぼくのチャリ体制はMTB、ロード、折り畳み、ママチャリ・・・と非常に雑多です。ゆえにこの3つのタイヤシステムが常時に混在します。
このSchwalbe Oneのチューブラーは中古のピストホイールのおまけでした。今やシュワルベはチューブラータイヤを製造しません。
てまひまのチューブラー
チューブラーの取り扱いはクリンチャーやチューブレスのように気軽ではありません。走行性能より運営面でのコスト=てまひまがネックです。
この古式のタイヤの取り付け方法はセメントやテープです。
パンクしました
で、そんなチューブラーが約8ヶ月のマイルドユーズでめでたくパンクしました。
リムとの接着部、ぞくに『フンドシ』のはがれとほつれが限界です。原因はあきらかです。野ざらし雨ざらしの屋外駐輪のせいだ。
チューブラーの接着はセメントやテープです。雨、水分、風、乾燥は天敵です。
さらにむやみなスキッドでリアタイヤのトレッドはえげつないいきおいでガシュガシュ削れます。ケーシングが見える。
このタイヤはとうに寿命です。あげくに舗装路の路肩の亀裂に入り、砂利と鉄片を踏んで、ぷしゅーと完全にパンクしました。
パンク修理がむり
チューブラーの最大の欠点がパンク修理のむずかしさです。チューブはタイヤの内側に完全に内包されます。
縫い目はフンドシの裏側にあります。
ここを紐解かないと、チューブにアプローチできません。
で、パンク修理して、縫い直して、貼り直す・・・そんな工程は現場ではむりです。自宅ですらむりゲーだ。
さらに内蔵チューブがラテックスであれば、ふつうのブチルチューブ用のパッチキットは役立ちません。
シーラントが手軽
簡易なピンホールパンクや多少のサイドカットはシーラントで塞がります。
50ml前後を小口の瓶に入れて持ち歩けば、90%の常識的なパンクに対応できます。画鋲、釘すらがぎりOKです。
でも、うちのタイヤはとうに限界を超えました。あいにくと予備の新しいタイヤはありません。どうするか?
さいわいフロントタイヤがきれいです。
チューブラータイヤの交換
チューブラータイヤを取り外しましょう。空気を抜いて、棒状のものをリムとタイヤのあいだにつっこみます。
で、セメントやテープをこじこじして、とっかかりを作ります。で、手でじわじわ剥がします。力まかせの「ベリッ!」は禁物です。
セメントやテープがタイヤ側にくっつきます。これが正解です。シールをきれいに剥がす手際とおんなじです、じわじわ。
取り外したチューブラータイヤです。空気を完全に抜いて、ぎゅうぎゅうに折りたたんでも、かさを減らせません。
ボリュームは350mlのジュース缶くらいです。携帯性はぽんこつです。
こんなふうに最多のトラブルであるパンクが最大の問題になります。運用込みのホビーサイクリングではチューブラーの総合力は圧倒的にマイナスです。
取り付け
さて、取り付け、げんみつにはローテーションします。リアタイヤを破棄して、フロントタイヤをリアホイールへ。
ちなみに新品のチューブラーはかっちかちです。すなおにリムにはまりません。取り付け前の下準備がポイントです。
ちまたではこんな対策が流布します。
- 手でぎゅうぎゅう伸ばす
- 物干しざおに吊るして、重しを垂らす
- 予備ホイールに付けて一夜漬けで馴染ませる
- 温める
他方、お古のタイヤはマイルドです。わりと素直にリムにかぽっとハマります。
センタリング
チューブラーの独特の工程がタイヤのセンタリングです。こいつはクリンチャーやチューブラーのように自動的にまんなかに行きません。
なぜか? のり付けだからさ!
シールをまっすぐ貼れない病を抱えるO型にはこのセンタリングは鬼門です。目視が定まらない。
ふんどしの出代を見ながら、位置をぎゅむぎゅむ修正します。
いちいちほんとに手間がかかります。これは最近のゆるい自転車ライトユーザーには流行らないわー。
はい、OKです。で、写真であとからバルブのゆがみに気付くのがO型のさだめです。取り付けのときにはバルブの角度に注意しましょう。
チューブラー交換まとめ
- パンク修理や減圧対策にはシーラント
- マジのチューブ修理はほぼお裁縫
- 取り付けにはセメントかテープ
- 新品はかっちかち
- 塩梅が大事
はい、非常に牧歌的な古き良きスタイルです。足回りの軽さと自転車の醍醐味を味わうならば、余計なてまひまを掛けて、チューブラーに挑戦しましょう。