シマノ、SRAM、カンパニョーロのレバーの変速の操作方法と特徴


自転車の変速機は寡占市場です。サカイのシマノ、シカゴのスラム、ヴィチェンツァのカンパニョーロがシェアの大半を占めます。まさに変速御三家だ。

 

アサヒ、キリン、サントリーのビールが独自の特徴や個性やファンを持つように三大自転車パーツメーカーのパーツは別々の特徴、個性、ファンを持ちます。

 

以下ではシマノ、SRAM、カンパのシフターの操作の方法のちがい、スタイルの差、フィーリング、インプレッションなどなどをぼくの経験やちまたの所感からざっくりと比較しましょう。

 

シマノ、スラム、カンパの基本情報

 

三社の得意ジャンルはこんなです。

 

  • シマノ=オンロード、一般的な自転車、釣り具
  • SRAM=オフロード、オールロード
  • カンパ=高級路線ロード、ホイール

 

シマノとカンパはほぼ同期のしにせ企業です。SRAMはわりと新しい会社で、アメリカらしく企業買収で大きくなります。ZIPP、ROCHSHOX、AVIDなどなどが傘下です。

 

シマノはアメリカパールイズミ、Shimano PROとかのブランドを持ちます。そして、釣り具の大手でもあります。ゴルフとウィンタースポーツには食い込めず。

 

ホイールのフルクラムはカンパニョーロの姉妹企業です。ここのホイールはカンパの工場で製造されます。その証拠に両社のホイールには互換性がある

 

この三社のいずれが総合自転車製品メーカーです。コンポーネントからウェアまで手掛けます。おもしろい共通事項は『フレームを作らないこと』です。

 

自転車フレームは御三家の専門分野ではありません。フレーム作りはGIANTとかTREKとかの仕事です。

 

シマノとスラムはオンロードとオフロードの変速機を展開します。カンパはロードの製品しか出しません。1990年前後にMTB市場にちょろっと参戦して、あえなく砕け散りました。

 

シマノは電動アシストユニットやパワーメーター、SRAMは電動無線ドライブ、カンパニョーロはEPSてハイテク機器を投入します。最近の自転車製品はアナログからデジタルへの転換期にあります。

 

2018年5月現在、SRAM、カンパニョーロがすでに12速を発表します。Shimanoの12速製品も時間の問題です。→新型XTR SH-M9100大予想

 

三社の変速機 ロード編

 

ドロップハンドル用のシフトとブレーキの兼用レバーの本家はシマノです。『STIレバー』は同社の商標ですが、ドロハン用のデュアルレバーの代名詞みたいな位置づけを持ちます。

 

STI

STI

 

 

これを後追いする形でカンパニョーロが『エルゴパワー』を出します。エルゴ=エルゴノミクス=人間工学て意味です。

 

SRAMはシマノ互換のロード製品をしばらく続けて、2005年から自前のドライブを販売開始します。同社のレバーは『ダブルタップレバー』です。

 

レバーの操作の差

 

STI、エルゴパワー、ダブルタップ、いずれがシフトとブレーキの兼用レバーです。しかし、操作方法や使い勝手は三者三様です。

 

サイクルモードみたいな大試乗会で短期間でとっかえひっかえにすると、けっこうな確率でとまどいます、ははは。

 

シマノSTIレバーの操作方法

 

デュアルレバーの本家がシマノのSTIレバーです。市販のドロハン型ロードのレバーのスタンダードです。初心者からトップ選手までおせわになります。アサヒのスーパードライだ。

 

大昔のドロハン用レバーはブレーキのみでした。シマノがここにシフトレバーを加えて、現在のデュアルレバーのいしずえを作りました。まさに本家本元です。

 

STIレバーの操作方法はこうです。

 

STIレバー操作方法

STIレバー操作方法

 

右レバーがリアのシフト、左レバーがフロントのシフトです。ブレーキはまちまちですが、シフターは3社に共通します。右がリア、左がフロントです。

 

シフトのアップダウンは左右のレバーで入れ替わります。ダウンとダウン、アップとアップは左右対称ではありません。これが初心者には第一関門です。

 

中指か人差し指、この両方で操作します。ドロハンのレバー操作で手の大きさ、指の長さは重要です。ゆえに世界的に小柄な日本人の女性には受けがよろしくない。

 

STIの最大の特徴はブレーキレバーの役割の多面性です。手前に引くとブレーキ、内側に倒すとシフトチェンジです。二系統の別々の機能が一個のレバーに詰まります。

 

シマノのレバーは業界標準ですが、個人的にこのSTIの操作性は意味不明です。攻撃と防御がおんなじ配置だあ?! 操作ミスの潜在的可能性がひそみます。

 

電動のDi2はこの問題点を克服します、ボタンクリック式。そして、最新の105 R7000シリーズには小さいタイプのST-R7025レバーが加わります。

 

カンパ エルゴパワー

 

カンパニョーロのレバーはエルゴパワーです。ゆうびな形状と握りやすさが他を寄せ付けません。このためだけにカンパレバーを考慮する価値があります。

 

エルゴパワーの操作方法はこんなです。

 

カンパエルゴパワー操作

カンパエルゴパワー操作

 

ブレーキレバーの機能はブレーキのみです。そして、シフト用にはレバーとボタンが別々に存在します。

 

つまり、一個のデバイスに一つの機能しかありません。このシステムは非常に明快です。シマノの機械式のブレーキレバーの不可解さがきわだちます。

 

エルゴパワーのレバーの内側の特徴的なぽっちがぞくに『親指ボタン』です。名前の通りに親指で操作します。

 

カンパニョーロのエルゴパワー

カンパニョーロのエルゴパワー

 

やはり、左右のアップとダウンの位置関係は非対称です。そして、シフトレバーの役目がシマノのものと逆です。

 

SRAM ダブルタップ

 

SRAMのシフトレバーはダブルタップです。パソコンやデジタルデバイスの操作風のネーミングが会社の若さと出自をそこはかとなく醸し出します。

 

ダブルタップのレバーはこうなります。

 

SRAM ダブルタップ

SRAM ダブルタップ

 

ブレーキレバーの機能はブレーキのみです。一方のシフトレバーは二種類の役目を持ちます。レバーの倒しこみの深さで機能が変わります。

 

これは非常に合理的なシステムです。レバーは二つの機能を持ちますが、系統を異にしません。実際にシフトの使い勝手は三社中でナンバーワンです

 

さらにSRAMはこれを突き止めて、オフロードやオールロードではフロント変速を根本的になくします。1xシステムですね。

 

フロントシングルとダブルタップのスマートさになれると、旧来のカンパやシマノのフロントマルチにまだるっこしさを感じます。左右非対称が初心者にはけっこうな難関です。

 

そんなSRAMレバーの欠点はやぼったさとごっつさです。アメリカーンなおおらかさが随所からあふれ出ます。そして、最上級のREDシリーズ以外の質感がややチープです。

 

エルゴパワーの握りやすさとSRAMのダブルタップの操作性を持つ機械式デュアルレバーの登場がまちどおしいものです。

 

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