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サイドウォールのタンカラー(アメカラーが)ちょっと復権 そのわけ


自転車のタイヤは走りのかなりのウェイトを占めます。シューズのソールのように固め、柔らかめ、薄め、厚めみたいな種類があります。

最近のスポーツバイクは全ジャンルでワイド化がトレンドで、ホイールのワイドリム化が止まりません。MTBのセミファット、ロードのC17みたいなのはスタイルにすら思えます。ホイールは二の次だ。

この自転車タイヤにひとつのおもしろい兆候があります。機能でなく、見た目、デザインです。サイドウォールのタンカラーのリバイバルです。

タイヤの側面=サイドウォール

タイヤの部分の呼び名のおおまかなところは以下のようになります。

タイヤ部位
タイヤ部位

トレッド=路面と接地するとこ

ショルダー=トレッドとサイドウォールの間のでっぱりのとこ

サイドウォール=側面のとこ

ビード=タイヤのふちの心材

です。路面に接地するのはおもにトレッドとショルダーです。ブロックパターンがあるところですか。

実物のパナレーサーのグラベルキングSKを平面で見ましょう。

Panaracer Gravel King SK 700-40
Panaracer Gravel King SK 700-40

正方形のブロックのパターンのとこ=トレッド

縦長四角形と正方形のパターンのとこ=ショルダー

ステッカーのとこ=サイドウォール

ふちのとこ=ビード

です。分かりやすいタイヤです、ははは。

転がりやグリップ力はトレッドとショルダーでほぼ決まります。トレッドやショルダー、路面に接地する部分のゴム素材の総称が『コンパウンド』です。

ついでにタイヤの裏側の内張りの繊維層は『ケーシング』です。コンパウンドをもりもりして成型するための屋台骨です。いわしの小骨みたいなもんです。たぶん、発想はその辺からでしょう。

ケーシング
ケーシング

見れば見るほどいわしの小骨です、ははは。

魚の皮みたいなサイドウォールもタイヤ性能には無関係でなくて、全体の柔らかさや固さに影響します。

さらにオフロードでは耐久度が求められます。サイドウォールを枝や石で切っちゃうことをサイドカットていいます。やっかいなトラブルのひとつです。

タイヤの色

とはいえ、このサイドウォールはデザイン的な要素を多く含みます。タイヤの第一印象はここのカラーとデザインで決まります。

上のパナレーサーは控えめ地味系のルックスです。4000-5000円のまあまあの高級タイヤですが、シティサイクルの安タイヤに見えちゃいます。

これはShwalbeのグラベルタイヤのG-oneです。ハデハデデカデカです。

Schawalbe G-one 2.35インチ
Schawalbe G-one 2.35インチ

が、タイヤの主張にはこのくらいのデカロゴが必要です。あと、パナみたいなシール系の記載はわりとかんたんに剥離します。

実際、前に使ったミニベロ用の451ミニッツタフPTのロゴは一ヶ月ぐらいでぺろぺろ剥がれちゃいました。接着があんまし強くない?

てふうにサイドウォールはタイヤの見た目の印象を決定的にしちゃいます。ビジュアル9、性能1です。

案の定、スタンダードカラーは黒です。これはタイヤの素材のカーボンの色です。カーボンはゴムの補強材として混合されます。結果、タイヤは黒くなります。

カラータイヤにするには補強材としてシリカを混合します。これの出来上がりは白っぽくなります。着色が可能です。

ちなみに天然ゴムの原料のゴムの木の樹液も白色です。ピュアゴム単体では強度や延び延びが足りませんから、カーボン、シリカ、硫黄みたいな補強材が使われます。

じゃあ、タイヤの色=ゴムの色=補強材の色です。

クラシカルなタンカラー

で、タイヤカラーのスタンダードはゴムカラーのカーボンカラーです。今のところカーボンより優秀な補強材がありませんから、タイヤカラーはしばらく黒の天下です。

逆に超優秀な補強材が発見されて、それがショッキングピンク色だったら、世のタイヤはもれなくショッキングピンクになっちゃいますが。

ピンクタイヤの時代が来るか?
ピンクタイヤの時代が来るか?

ツールドフランスがピンク一色にそまっちゃいます、ははは。でも、ジロのシンボルカラーには合いますが。

幸か不幸かピンク色の補強材は見つかりませんから、タイヤの基本はカーボンカラーです。

もうひとつのカラーにタンカラーがあります。タン色、飴色のことです。輪ゴムカラー、関西圏ではババシャツ色ですか。

これはキワモノイレギュラーでなくて、よりフォーマル・クラシカルなスタイルになります。なぜなら、これはチューブラータイヤのルックスにクリソツですから。

チューブラータイヤはレースシーンのメインタイヤです。冒頭の図はクリンチャータイヤやチューブレスタイヤの構造です。チューブラータイヤの構造はすこし違います。

かんたんな断面図がこんなです。

チューブラー
チューブラー

ケーシングの上にトレッドがちょぴっと乗ります。サイドはがら空きです。あばら骨がスケスケ、小骨がむき出しです。

必要最低限のところにだけコンパウンドゴムゴムをちょぴっと盛ります。屋根だけはって、壁はらない建物のごとしです。小屋じゃなくて、あずまや。

とうぜん、重量は軽くなって、乗り心地はやわくなって、耐久度は落ちます。小骨がむき出しですから。サイドカットはチューブラーには痛恨の一撃です。血液ないし内蔵の空気が漏れ出します。

自転車のエアタイヤの歴史はチューブラー→クリンチャー→チューブレスです。チューブラーが最古参です。フォーマルでアカデミックでクラシカルです。

ですから、サイドウォールのタンカラーはチューブラーぽく、プロレーサーぽく、フォーマルに本格派のふんいきに近づけます。

もちろん、一般的なクリンチャーやチューブレスのタンカラーはファッションです。地のカーボンコンパウンドの上に飴色のゴムを張って、チューブラー風のふんいきを出します。いわば、チューブラーのコスプレです。

バイクパッキングとタンカラー

このタンカラーが意外なところへじわっと進出します。はやりのバイクパッキングです。自転車での短期宿泊旅行のスタイルです。

グラベルバイク、アドベンチャーバイク、オールロードバイクの流行でこのバイクパッキングがトレンドです。

これらのバイクは新世代のランドナー、ツーリングバイクてキャラクターを多分に持ちます。車体、かばん、アクセサリーが昔より小型に高機能になりました。自転車宿泊旅行はもう手軽なホビーです。

で、その系譜からオールロード系のプラスタイヤのタンカラーがひそかに人気です。ニュージャンルの盛り上がりでマイナーなブランドから一気にメジャーへ台頭するWTBのロードプラスタイヤです。

 WTB Horizon TCS Road Tyre
WTB Horizon TCS Road Tyre

定価 5839円
割引 16%
特価 4904円

※2017/09/07 14:11:03のchainreactioncycles.comの価格

デフォルトがこのカラーです。競技系由来のタンカラーでなく、ランドナー系由来のタンカラーです。プロぽさよりレトロぽさです。

もちろん、中身はTCS=Tubeless Compatible Systemの名のとおりに最新鋭のチューブレスです。

実例はこんなです。

3T Exploro グラベルバイク
3T Exploro グラベルバイク

はい、たしかになぜかばくぜんとした旅情が出ますね、サイドウォールのタンカラー。全世界的にベージュ色はオジサン・オバサン向けの年配カラーでしょうか? いぶし銀、いぶしタンです。レトロ。

近日、WTBは旧モデルの定番にもタンカラーのSkinwallオプションを加えます。しかも、これはほんとにケーシングむき出しのサイドウォールです。小骨のスケスケが見えます。

で、TCSのチューブレス互換タイヤです。タイヤの進化が止まらない・・・オールロードとオフロードではタイヤ主導の展開がもうしばらく続きますねー。