シマノの自転車パーツの大幅なモデルチェンジは4年ごとに行われます。最近、もうひとつのメイン商材の釣具も3年周期から4年周期になりました。
去年2016年はデュラエース、SLXのリニューアル、来年2018年はXTR、105のモデルチェンジイヤーです。モデチェンはおおよそにコンポとホイールです。単体のハブもそうです。
合間合間に補完グレードやオプションのマイナーチェンジが入りますね、これは不定期です。また、2016年には完全新作のMETREAが誕生しましたね。
で、今年の2017年はMTB入門10速用のDeoreとオンロードコンポの2ndグレードのUltegraのアップグレードイヤーです。ザ・世代交代です。
最近のシマノの命名法則に従って、DeoreはM6000に、UltegraはR6900やR7000を飛ばしてR8000台にジャンプアップしました。
てことは、R7000はおのずと来年の新型105のものになります。MTBの3rdグレードのSLXがM7000ですから。R7070 Di2 電動105の有無が最大の注目ポイントです。
Ultegra 6800とR8000のおもな変更点
Deore M6000は2月のはじめにはやばやアナウンスされますが、特段の注目を集めません。正味、MTBのエントリグレードのパーツは国内チャリダーの目にはアウトオブ眼中です。
しかも、世界的にオフロードのイニシアチブは完全にアメリカのSRAM社へ移っちゃいました。2016年にハイエンドを12速化し、この夏からエントリーグレードに12速を投入します。SRAM GX Eagleです。
で、新型デオーレさんの注目度は無です。げにSRAM 1xのおかげでシマノMTBコンポのレゾンデエトルが空前の危機です。ある意味、シマノ=フロント変速屋さんですから。
先述のアーバンコンポのメトレアはてこ入れの手はじめでしょうね。フロントシングルありきのコンポです。ビジュアルのシマノっぽくなさは旧来のシマノからの脱却、ニューチャレンジの意味を持ちます。
が、ニッチコンポの宿命でメトレアのセットの実売価格は役8万です。旧型アルテグラのセットより割高だあ! この見た目はツボだのに~。
そして、シマノのロードコンポはまだまだ元気です。世界的自転車のトレンドはオールロードとE-bikeに急激にシフトチェンジしますが、おひざもとの国内のロードブームがさいわいです。
『堺の釣具とオンロードコンポ屋さん』が今のシマノにふさわしい看板です。ぼくの個人的なイメージは完全に釣具のシマノです~。アルテグラやアリビオのリールにはお世話になりました、ははは。
クランクががちむち真っ黒でビミョーなデザインに
じゃあ、自転車コンポのアルテグラさんです。6800がR8000になりました。ラインナップは前年のデュラエースR9100の技術を踏襲します。機械式・電動のリムブレーキ・ディスクブレーキを順次に販売します。
クランクです。新型は国内の定価割引販売の実売が海外のセールを越えます。
後述のように旧型は逆転しますが。
6800のクランクはまるっこいビジュアルでしたが、新型クランクはガチムチのちょい悪系です。中央の斜めのラインがポイントです。
正直、見た目はださくなりましたね~。新型デュラエースもぱっとしません。とくにフェイスのアシンメトリなデザインの頑張った感がクールじゃありません。
10速コンポのティアグラクランクのがぜんぜんグッドですわ。
ん、しっくり来ます。
そして、カラー展開はブラックのみです。シルバーポリッシュはシマノ的に廃止のようです。おかげで上位から入門用まで青木のリクルートスーツのようなふんいきです。より統一的に、没個性的に、業務用機材的に。
MTBコンポも同じ宿命を辿ります。上から下まで黒黒黒。じゃあ、METREAのツートーンの銀黒カラーは異例の異例です。もしや、銀色ポリッシュのがコスト高だあ?!
アルテグラホイールが廃盤に RS 700とRS770が登場
コンポセットのホイールのリニューアルは同時進行です。去年のデュラエースR9100のときにはキャリパーブレーキ用、ディスクブレーキ用のデュラホイールがごっそり出ました。
しかし、今回のアルテグラホイールは混迷を極めます。旧型のアルテホイールはShimano WH6800 Ultegraです。3万ちょいの1640gのチューブレスホイールです。超コスパのロードホイールの名作です。
で、後継のWH-R8000 Ultegraが出るかと思いきや、ホイールはWH-RS700 TLとWH-RS770 TLになります。『Ultegra』の文字はハブにもリムにもありません。アウチ。
RS700のハブのロゴは『SHIMANO』です。サヨウナラ、アルテグラホイール・・・
RSのイニシャルは補完用の番外グレードになります。ノットレギュラー商品です。そして、アルミカーボンです。完全に別物です。
RS770はディスクブレーキ用です。リムはこんなふうにムニムニします。そして、ディスクブレーキ用ホイールの決まりで前後が同じスポークレイアウトになります。
カンパのゾンダDBやボーラDBは前後G3組み、フルクラムのレーシング3DBやクワトロカーボンDBは前後2to1です。あれはなかなか目立ちますで~。
で、シマノのロードホイールの一覧はこうなります。
モデル名 | 重量 | タイヤ種 | タイヤ幅 | 素材 | 価格 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
WH-R9100 C60 TU Dura-Ace | 1480g | TU | – | カーボン | 301256円 | – |
WH-R9100 C60 CL Dura-Ace | 1789g | CL | – | アルミカーボン | 207812円 | – |
WH-R9100 C40 TU Dura-Ace | 1355g | TU | – | アルミカーボン | 303266円 | – |
WH-R9100 C40 CL Dura-Ace | 1501g | CL | – | アルミカーボン | 199619円 | – |
WH-R9100 C24 CL Dura-Ace | 1412g | CL | – | アルミカーボン | 145067円 | – |
WH-RS81 C50 CL | 1908g | CL | – | アルミカーボン | 120286円 | – |
WH-RS81 C35 TL | 1581g | TL | – | アルミカーボン | 94099円 | – |
WH-RS81 C35 CL | 1631g | CL | – | アルミカーボン | 90009円 | – |
WH-RS81 C24 TL | 1581g | TL | – | アルミカーボン | 81007円 | – |
WH-RS81 C24 CL | 1502g | CL | – | アルミカーボン | 76918円 | – |
WH-RS81 C24 CL | 1502g | CL | – | アルミカーボン | 76918円 | – |
WH-RS770 TL | 1639g | TL | – | カーボン | – | DISC用 NEW! |
WH-RS700 TL | 1568g | TL | – | アルミカーボン | 83485円 | NEW! |
WH-RS610 | 1791g | TL | – | アルミ | 36825円 | 105グレード |
WH-RS330 | 2051g | CL | – | アルミ | 27275円 | 安重ディープ |
WH-RS21 | 1850g | CL | – | アルミ | 23729円 | カラーオプション |
WH-RS010 | 1869g | CL | – | アルミ | 14187円 | – |
WH-R501 C30 | 2001g | CL | – | アルミ | – | 8-10速用 カラーオプション |
WH-R501 C24 | 1900g | CL | – | アルミ | 12099円 | 8-10速用 カラーオプション |
はい、ネームドモデルはDura Aceのみです。デュラ、それ以外のライン引きがヒジョーに鮮明です。
これはデュラエースのブランド化、神格化です。げんにブランディングが成立するのはデュラエースだけですし。『デュラエースを大事に使っていきましょう』作戦です
しかし、エンドユーザー的には無味乾燥の型番はフレンドリーじゃありません。愛着が沸かない。業務用機材感がここに極まります。人工的だ。
そして、この特別なデュラエースのホイールがなかなかの曲者です。型番の末尾のC60やC40は一般的にホイールのリム高を現します。
C60は60mmのディープ、C40は40mmのセミディープ、C24は24mmのふつリムです。
ところが、WH-R9100-C60のリムハイトは50mmで、WH-R9100-C40のは35mm、C24は21mmの低リム=ロープロファイルです。
この表記は生粋のシマノファンにも不評です。型番の意味がありません。てか、間違いのもとです。シマノがこの表記をし続けるのはギョーカイ七不思議の一つです。10mmの差は誤差の範囲じゃないよ~。
アルテホイールの真の後継者か? WH-RS500ホイール
事実上、アルテネームのホイールの消失はアルテファンには失望感です。いまやさまざまなカーボンクリンチャーの隆盛でアルカーボンホイールはややアナクロです。
とにかく、RS700はWH6800の代わりになりません。実売は3万になりえません。アルカーボンだし。
じゃあ、ほかのブランドのフルアルミのゾンダやレーシング3、台湾系のコスパアルミ軽量チューブレスホイールが相対的に浮上します。
と、ここに大外からこんなやつがびぃーんと登場します。WH-RS500です。
モデル名 | 重量 | タイヤ種 | タイヤ幅 | 素材 | 価格 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
WH-RS500 | 1649g | TL | – | アルミ | 48918円 | こっちがアルテ相等? |
RS番台のアルミホイールです。チューブレスです。で、1649gだ。きわめてアルテWH6800ぽいホイールです。こっちがアルテホの後継者です、きっと。
まあ、こいつをむりに買わんでも、現行の6800ホイールをかんたんにゲットできますけどね。ちまたの出荷数が半端なくありますからね。ヤフオク、楽天、アマゾン、海外通販、なんなりと。
R8000の重さや価格など
最も軽い組み合わせのDi2リムキャリパー+RS700ホイールの組み合わせの総重量が4071gです。R9150 Dura-ACEとDura ホイールの3566gより500gアップです。
クランク単体は2g軽量化、STIレバーはイーブンの438g、SPD SLペダルは12g減、リアメカとフロントメカの重量はN/Aです。やはり、ホイールのカーボン化が大です。
FC R8000クランクには旧デュラ9000とリングの互換があります。へんなBCDのいびつアームじゃないよ! これは大助かりです。
おにぎりパワーメーターの発表はありませんねー。後出しでしょう。うーん、ロードのフロントシングルのリングは来ないかあ。
R8000パーツ一覧 リスト完成度90%
R8000のパーツ一覧です。重量はシマノオフィシャルのカタログから。価格は国内の税抜き定価です。
モデル名 | 重量 | 素材 | 価格 | 備考 |
---|---|---|---|---|
FC-R8000 クランク | 690g(170mm 53-39T) | アルミ | 25955円 | 46×36Tは25390円 |
ST-R8000-L STIレバー左 | 218g | 32989円(ペア) | 機械式 | |
ST-R8000-R STIレバー右 | 220g | 32989円(ペア) | 機械式 | |
ST-R8020 STIレバー | 550g(左右ペア) | 52687円(ペア) | 機械式+油圧ディスクブレーキ | |
ST-R8050 STIレバー | – | 3万1697円円(ペア) | 電動 | |
ST-R8070 STIレバー | – | 52318円(ペア) | 電動+ディスクブレーキ | |
ST-R8050 Di2 フロントメカ | – | 21256円 | 電動 | |
FD-R8000-B フロントメカ | 106g | 5353円 | クランプマウント | |
FD-R8000-F フロントメカ | 92g | 4902円 | 直付け | |
RD-R8050 Di2 SS リアメカ | – | 25561円 | 電動 11-25T 11-30T対応 | |
RD-R8050 Di2 GS リアメカ | – | 24996円 | 電動 11-28T 11-34T対応 | |
RD-R8000 SS リアメカ | 200g | 8617円 | 11-25T 11-30T対応 | |
RD-R8000 GS リアメカ | 210g | 9181円 | 11-28T 11-34T対応 | |
BR-R8070 油圧キャリパー | 280g(前後ペア) | アルミ | 6549円(F)
6323円(R) | フラットマウントデイスクブレーキ |
SM-RT800 ディスクローター | 127g(160mm) 106g(140mm) | 4752円 | センターロック | |
BR-R8010-F ダイレクトマウント | 174g | アルミ | 7884円 | 28Cタイヤ対応 |
BR-R8010-R ダイレクトマウント | 160g | アルミ | 6912円 | チェーンステーマウント |
BR-R8010-RS ダイレクトマウント | 172g | アルミ | 7884円 | リアシートマウント |
CS-R8000 スプロケ | 292g (11-32T) | 7697円 | 11-25T, 11-28T, 11-30T, 11-32T, 12-25T, 14-28T | |
CS-HG800-11 スプロケ | 335g (11-34T) | 8696円 | ワイドレシオ | |
PD-R8000 SPD SLペダル | 248g | 14557円 | 1万4792円(+4mmモデル) | |
SM-BBR60 BB | 77g | ねじ切りくん | ||
SM-BB72-41B | 61g | 圧入プレスフィットくん | ||
BR-R8000 ブレーキ | 182 g (フロント) 178 g (リア) | アルミ | 13814円 | ふつうのキャリパー用 |
FH-RS770 ディスクハブリア | 302g | 鉄、アルミ | OLD142mm 12mm E-thruアクスル
28/32/36H | |
HB-RS770 ディスクハブフロント | 125g | アルミ | OLD 100 12mm E-thuruアクスル
28/32/36H | |
WH-RS700-C30 ホイール | 625+943=1568g | アルミカーボン | 83485円 | チューブレス 28mmハイト 622-15 |
WH-RS770-C30 ディスク用ホイール | 735+904=1639g | アルミカーボン | チューブレス 28mmハイト 622-17
OLD142mm 12mm E-thruアクスル | |
WH-RS500 | 705+944=1649g | アルミ | 48918円 | チューブレス アルテ後継 |
WH-RS170 | アルミ | クリンチャー
OLD142mm 12mm E-thruアクスル |
ん、WH-RS170ホイールが加わりましたね。シマノオフィシャルのアルテグラのページあります。鉄下駄スルーアクスルだあ?
ディスクブレーキR8020、R8050 Di2、R8070 Di2は八月以降になります。
モデルチェンジでお得 旧型電動6870セット
さて、コンポのモデルチェンジ前後の時期は庶民においしいシーズンです。旧型6870Di2が半額以下になります。
ソフトウェアはアップデートされますから、シンクロシフトはOKです。変速機能では新型機械式のR9100より上でしょう。むこうの実売は15万ですしねー。
国内通販が最安に
アルテR8000発表から月日が流れて、海外大手がシマノ製品の日本向け出荷を止めてしまいました。
結果、国内通販が最安です。ワイズロードの即納セットがお買い得だ。