Uber Eats や出前館のバイクや自転車はもうお馴染みの後継です。都会ではWlotやmenuもそこそこいます。まれに見るDiDiのオレンジのバッグがもうレトロだ。

フードデリバリーバブルから数年が立ち、しばしの平穏が訪れましたが、2025年1月に新顔が登場しました。それがRocket Now(ロケットナウ)です。
2025年の再上陸から1年。運営は韓国ECの巨人「Coupang(クーパン)」の日本法人です。配送料無料、店頭価格保証で猛烈にシェアを伸ばします。
では、配達パートナーの状況はどうでしょう? 報酬は? 条件は? エリアは? それらを詳しく紹介します。
Rocket Now の基本スペックと報酬体系
Rocket Nowの配達パートナーはUber Eats と同様に個人事業主(ギグワーカー)契約です。シフトも上司もありません。
スペック表です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| サービス名 / 運営 | Rocket Now (ロケットナウ) / CP One Japan合同会社 |
| 展開エリア (2026/1) | 東京都内 (港区・渋谷区等)、仙台市、札幌市、大阪府の一部 |
| 報酬体系 | 基本報酬 + 距離報酬 + 時間帯・天候ボーナス (ピック距離報酬なし) |
| 支払いサイクル | 週払い (火曜締め、金曜支払い) |
| インセンティブ | 新規登録・紹介キャンペーン:4,000円〜5,000円相当 (条件達成時) |
| 対応車両 | 自転車、原付 (125cc以下)、軽貨物 |
| 業務仕様 | 完全キャッシュレス (現金扱いなし)、顔写真非表示、制服なし |
| 登録費用 | 無料 (配達バッグは自前または他社ロゴ隠しで流用可) |
配達報酬の仕組み
報酬構造は非常にシンプルです。
「基本報酬 + 距離報酬 + ボーナス(時間帯・天候)」
振込は「週払い」です。火曜締めの金曜払い。キャッシュフローの良さが出前館(月2回)などの2倍です。これはかつかつのフリーランスには神仕様です。
インセンティブ事情
新規登録やパートナー紹介で寸志的なボーナスがあります。
ただし、2025年の再参入直後に行ったような派手なバラマキは終了しました。数千円が限度です。新規パートナーの獲得から配達員の維持へフェーズが移行しました。
こういうのは明らかに異常なバブルでした。

現場で支持される「3つの神仕様」
なぜ既存のUber 配達員がわざわざRocket Now をサブ端末に入れるのか? それはここのシステムが『配達員のリスクを極限まで減らす設計』だからです。
1. 現金扱いが一切ない
Rocket Nowは完全キャッシュレスです。代引きが存在しません。
釣り銭の用意、重い小銭、計算ミス、対面トラブル。これらのリスクがゼロになります。正直、精神的負荷は激減、半分以下になります。
フードデリバリーの現金払いはいつもニコニコではありません。明確なコストです。
ぼくは稼働中にはついぞ見ませんが、この広い世界には10円と1円で1000円分の料金を払うお客も無ではありません。
顔写真が表示されない
これは女性や副業会社員に支持されます。Rocket Nowの注文者のアプリ上には配達パートナーの顔写真は表示されません。
ぼくのような自営業者や商売人は顔売ってなんぼですが、平均的な日本人は顔出しを嫌います。内輪のLINEのプロフィールのアイコンもだいたい無属性でしょう?

本業バレやストーカー被害、そんな現代的なリスク管理ではRocket Nowは競合のフードデリバリーをリードします。
「受けキャン」という切り札
「受けキャン」はフーデリのスラングです。「受けた注文をこちらの都合でキャンセルする」の略です。
これは厳密には依頼破棄、契約不履行で、他社では規約違反、即警告、一発レッドの垢バンになりかねませんが、Rocket Nowでは1日3回までペナルティなしの受けキャンが可能です。
誤タップ、圧迫対応オーナーの店舗、急なパンク・・・そんなときに「カード」を切れる安心感は絶大です。
実際、ドライバーアプリのレビューには理不尽な垢バンやペナルティは他社より少ないという記述があります。
さらに店舗到着前に「調理完了まであと5分」などの目安が表示されます。サービス残業的な調理待ちストレスも軽減されます。
専業にはなれない「構造的な弱点」
ここまで聞くと、「もうロケット一本でいいんじゃないかな?」と思えます。しかし、配達ベテラン勢がここを「サブ」に留めるのには明確な理由があります。
圧倒的な注文数の格差
各エリアの都心部以外では注文数が急激に落ちます。土日のランチタイム、Uberの通知はひっきりなしですが、Rocket Now は平気で30分以上の沈黙を貫きます。
いわゆる『鳴り』と『地蔵』です。繁忙エリア以外では時給換算の利益がUberや出前館に明らかに見劣りします。地蔵モードは金にならん。
具体的にはマクドナルド、ドン・キホーテ、地下鉄が鳴りと地蔵の別れ目です。これらを1km圏内に含むエリアはフードデリバリーには適切です。

このような環境では二強以外のマイナーなmenu、Wolt、このRocket Nowにも注文が回ってきます。
ピック距離が無報酬
もう一つのネックが『ロングピック』です。距離報酬のブーストはRocket Nowにはありません。100mの配送も5kmの配送も同じ稼ぎです。
そのために回数が報酬のベースですが、上述のように鳴りは控え目です。このジレンマが根底にあります。
アプリUIの「誤タップ」地獄
多くのフードデリバリーアプリは「スワイプ」で完了しますが、Rocket Now は「タップ」で完了します。
雨の日の誤反応や、ポケット内の暴れ誤操作が多発します。また、地図のピンずれも恒久的に起こります。
アプリの操作性自体は韓国系らしくサクサクです。本家クーパンはITとAIで韓国のAmazonのシェアを奪って、国内の惣流No1になりました。出前館とは違う。
最近、ここは楽天の売上を抜きました。日本より人口が少ない韓国でこの偉業はビジネスモデルの堅牢さを表します。
韓国は日本よりコンパクトですが、これがクーパンのITやAIの最適化にマッチして、今回の楽天越えが実現します。
つまり、コンパクトで密な日本の都市部ではこの本家の強みが最大限に活きます。一方、地方や郊外ではおそらく採算が合わない。都会重視、ポイント展開。
と、これはぼくの個人的な予想ですが、そう大間違いではないように思えます。
2026年の不穏な空気
運営元のCoupangの経営は盤石ですが、Rocket Nowの戦略は『焼畑農業』です。ゼロ配MAXのようなユーザーへの完全無料は赤字覚悟の先行投資、持ち出しです。
次の段階、赤字の回収フェーズで真っ先に削られるのは配達パートナーの報酬です。出資元にソフトバンクがあるのはポイントです。
孫氏はコーヒーの無料提供で実家の喫茶店を繁盛させ、ブロードバンドの無料ルーターでヤフーを大きくしました。ただで配って、シェアを取って、後で回収するは同氏のいつものムーブです。
さらに外部の懸念があります。2026年1月現在、米韓貿易協定で関税圧力や規制議論が浮上しました。
クーパンの一度目のフードデリバリーは即効で撤退しました。Rocekt Nowも本国の事情次第で再び「損切り」されかねません。
Rocket Now の正しい使い方は「サブ稼働」一択
Rocket Now はUber Eats や出前館の代わりにはなりません。しかし、それらを補完する「2番目のアプリ」として極めて優秀です。
おすすめは「ダブルオンライン」です。メインのUber を稼働しつつ、バックグラウンドでRocket Now を待機させる。
メインのアイドルタイムや、帰りの便(ドロップ先からの戻り)を拾うためにオンにする。
この地蔵対策、隙間埋めこそが最も賢い運用法です。
登録すべき人
- 都心部稼働勢: 絶対的な注文密度がある
- 副業・会社員: 顔バレなし、現金なし仕様はリスク管理に最適
- 自転車勢: ガソリン代負けしない。単価の安さを許容できる。
- 現金管理を嫌う人: 釣り銭から解放されるのはプライスレス
見送るべき人
- 郊外・住宅地メインの人: 鳴りません
- 方向音痴: ピンずれやUIの仕様でパニックになります
- 専業希望者: 食えるほどには稼げない
今のところ、Rocket Nowのオーダーアプリほどの絶対的なメリットはドライバーアプリにはありません。サブが妥当です。
Rocket Nowドライバー登録→https://www.rocketnow.co.jp/driver

