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古いシマノハブのメンテナンス 24年前のXTRは復活するか?

クロスバイクのホイールのアップグレードは至難です。135mmエンドのリアホイールがネックだ。

GIANT ROAM3 純正ホイール
GIANT ROAM3 純正ホイール

ロードバイクホイール+アダプターという手法は陳腐で邪道ですし、個人的にそそられません。

  • 135mmエンド
  • Vブレーキ

この二つの縛りを設けると、ハブなさすぎ問題に直面します。純正品や補修品以上のちょっと良いやつがない。

で、これを見越して、さきにリムを取り寄せました。手組ホイールの定番のリムMAVIC OPEN PRO USTモデルです。

MAVIC OPEN PRO UST
MAVIC OPEN PRO UST

古いOPEN PROはC15とかですが、OPEN PRO USTはC19です。適正タイヤは28mmです。このくらいのタイヤはクロスバイクの快適性を損ねません。

この後で本格的にハブを探して、理想の逸品をゲットしました。

shimano XTR m950
shimano XTR m950

シマノの古いハブです。グレードは最高峰のXTRで、ロードバイクのデュラエースハブと並びます。

シリーズ名はM950です。このデビューは1996年です。何と24年前のヴィンテージ品です。現にシェルの退色が顕著です。が、使用感は強くありません。

上の図は完成系ですが、出品物はバラバラでした。ひさびさのシマノハブの組み立てです。

XTRハブ組み立て

さきにパーツの概要をおさらいしましょう。

  • モデル名:シマノ XTR M950ハブ前後セット
  • 状態:長期放置品
  • 価格:8000円
  • 発売年:1996年
  • 特徴:Vブレーキ用

XTRはMTBコンポーネントの最高グレードです。で、この時代のMTBの標準ブレーキはVブレーキです。

クロスバイクは古いロードレーサーと古いマウンテンバイクの雑種的自転車です。135mmエンドのリアホイールは往時のMTBの規格の名残です。

パーツはばらばらで届きました。

シマノハブの分解
シマノハブの分解

型番+PDFで展開図ゲット

このような古いパーツの情報はネットにはなかなか見当たりません。M950のデビューは1996年です。ネットは普及しません。

しかし、『型番+PDF』でググれば、説明書や展開図(ダイアフラム)を見つけられます。FH M950の公式PDFがありました。→https://si.shimano.com/pdfs/ev/EV-FH-M950-1593.pdf

が、動画はなかった!

フロントハブを組み立てる

フロントハブを組み立てます。グリス、ラジオペンチ、紙切れを用意しましょう。この作業はねちょねちょとの戦いです。

フロントのベアリングは片側10個
フロントのベアリングは片側10個

そうそう、シマノのハブは伝統的なカップアンドコーン型です。ベアリングはシールドベアリングではありません。

ベアリングの鋼球は何かの弾みでころころ転がっていきます。どこぞの隙間に入ると、だいたい二度と帰ってきません。

フロントハブのベアリングは小さい方です。基本的に片側が10個です。サイズは3/16ですね。

グリスを糊代わりにして、ぺとぺとと貼り付けます。下の図のように隙間を完全に埋めるのはこのモデルではNGです。

ベアリング入れすぎ
ベアリング入れすぎ

カバーとキャップを嵌めて、球押しを調整します。

リアハブの組み立て

つぎはリアハブです。と、ここで一つの問題が発覚します。フリーボディがカラカラと鳴き声を立てる。

フリーの中からカラカラ音
フリーの中からカラカラ音

おそらくフリーの中のベアリングの転がり音でしょう。クリーニングでグリスが抜け切ってしまったか?

フリーボディの分解には専用工具が必要です。しかし、このTL-FW03はすでに終売です。てか、シマノはフリーボディの分解を推奨しません。交換が正解です。

が、このXTRフリーはチタン製です。以下のグレードの鉄製フリーとは一線を画します。まあ、スプロケ齧りは普通に起こりますが。HGフリーの構造的欠陥ですね。

とにかくハブ単体でフリーの蓋を外すのはむりです。固定が厄介だ。ボディの分解を後回しにして、組み立てましょう。

ボディ固定してからベアリングセットしよう
ボディ固定してからベアリングセットしよう

リアハブのベアリングは片側9個です。さきのボディを固定しないと、固定シャフトがベアリングに支えます。

改めて組み上げました。待望の135mmエンドのVブレーキ用のハブです。

135mmエンド
135mmエンド

重量はクイックリリースなしでフロント127g、リア300gです。あれ、そんなに軽くない。最近の軽量なディスクブレーキハブの方が全然軽量です。うーむ・・・

M950ハブ重量
M950ハブ重量

まあ、回転体の中心部の重量の影響は些細なものです。リムがMAVIC OPEN PROですから! 420gですから!

リムとハブ
リムとハブ

この作業の後でホームセンターにひとっ走りして、スプレーグリスを買ってきて、フリーの隙間にしゅーしゅーしてみました。カラカラ音はまだあります。おい!