琵琶湖一周=ビワイチ
淡路島一周=アワイチ
では、瀬戸内海に浮かぶ小豆島一周はなにイチ?
ショドイチ×
マメイチ〇
なんでや! 言語学者の金田一先生に言うぞ!
と、小豆島一周を検討する度にそう思いつつ、乗り物酔いするぼくはフェリーの乗船時間に尻込みして、このスポットをスルーし続けましたが、2025年3月についにこの醤油の島へ上陸しました。

これは旧ターミナルです。4月12日からでっかいぴかぴかの新ターミナルになりました。※画像左手にあり
これで過去に行ったアワイチ、しまなみ海道、セトイチと合わせて、瀬戸内海を完全に制覇しました。ぼくが海賊王になるのは時間の問題です。
以下に阪神方面からの小豆島への行き方や、マメイチのおすすめルート、島内のグルメや見どころなどを紹介します。
マメイチの概要
マメイチのマメは小豆島の『豆』です。が、読み方は『あずきじま』でも、『こまめじま』でもなく、『しょうどしま』です。
うどん県香川に属しながら、うどんはそんなにゴリ押しされません。島の名物は醤油、オリーブ、からかい上手の高木さん、そして、素麺です。まあ、素麺はうどんの一種ですが。
そして、このマメイチの舞台は大豆製品の一大名産地です。マルキンブランドの醤油はここ生まれました。坂出港にほど近い醤油記念館や蔵の界隈にはもろみの香りがほんわり漂います。

阪神方面からのフェリーは神戸発坂出着のジャンボフェリーです。大阪港からの便はありません。ぼくは神戸まで阪急電車で輪行しました。
また、小豆島は完全な離島でして、淡路島や四国みたいに大きな橋はありません。アクセス方法は船のみです。
そのために出発までのハードルはアワイチやビワイチよりやや高くなります。
以下は当日のぼくの手順です。
- 自宅から阪急十三駅までチャリ自走
- 十三駅から阪急三宮駅まで電車輪行
- 三ノ宮駅から神戸埠頭までチャリ自走
- ジャンボフェリーで小豆島の坂出港へ
- マメイチ開始
と、マメイチのスタートまでに自転車のバラシと組み立てが2ループくらいです。これを見越して、シングルギアの折り畳みで行きましたが、島内のアップダウンの多さに撃沈しました。
距離短め、アップダウン多め、風強め、これがマメイチの特徴です。
小豆島へのアクセス
マメイチの勝負は島への到着前から始まります。上記のようにアクセス方法が限定的です。そして、阪神、近畿方面からの船便は平日に3本、土日祝に4本しかありません。
以下は主要な航路です。
- 神戸ー坂出
- 姫路ー福田
- 高松ー土庄
- 高松ー池田
- 高松ー内海
- 高松ー坂出
- 新岡山ー土庄
同県内の高松は通勤圏内です。島内の主要な港から船が出ます。他方、近畿方面のフェリーはほぼ観光です。神戸ー坂出の直行便が約3時間30分です。
そして、神戸のジャンボフェリーのターミナルは三宮駅前から1.5kmの埠頭にあります。

駅前からバスに乗るにしても、自走で来るにしても、15分ほどのアディショナルタイムを取られます。ぼくの場合、大阪発のドアtoマメでざっと6時間でした。
小豆島へのフェリーの料金
おそらく大多数が利用する神戸発のジャンボフェリーの料金をさらっと紹介します。金額は2025年3月末、平日、朝便のものです。
- 一般旅客自由席1990円
- 自転車500円
片道の合計が2490円~です。神戸ー高松、神戸ー小豆島の料金は変わりません。古いりつりん2に乗っても、新船のあおいに乗っても、同じ金額を取られます。
追加料金など
問題は料金の『~』の部分です。これは条件でかなり上下します。時期と時間が特に重要です。
マメイチのスタートを早くできる午前1:00発の深夜便はプラス500円です。そして、航路が神戸→高松→小豆島の経由便になり、航行時間が6時間30分になります。
到着が翌0:00のやつは深夜便でなく夜便です。深夜料金は掛かりません。※電話で確認
土日祝の料金はさらにプラス500円です。つまり、土日の午前1:00発の深夜便はフルプライス2990円です。
あ、自転車を折り畳まない? 車両はプラス500円ですね。はい、船内でうどんを食べて、コーヒーを飲みます? さらにプラス500円ですね。
という感じで、追加料金は雪だるま式にもりもり増えます。
節約&割引方法は以下の通りです。
- 自転車を折り畳んで袋に入れる=持ち込み荷物扱いで0円
- ネット予約100円引き
- 往復100円引き
無論、ぼくは折り畳んで、手荷物にして、船内に持ち込みました。追加料金と大きな自転車勢に勝った!
もちろん、指定席や個室などの料金はさらに跳ね上がります。あと、神船あおいには自転車を飾って承認欲求を得られるサイクルピットというものもあります。
7月1日よりサーチャージャー発生
ジャンボフェリーの燃料サーチャージャーは一般旅客と自転車勢には無料でしたが、2025年7月1日よりこれが乗船者全員に掛かります。
料金は変動制で、0~400円です。反面、土日祝と深夜便の追加料金が500円から340円に値下げされます。
この価格改定で土日祝のジャンボフェリーはややお得になり、平日がややお損になります。試しに土日祝の深夜便の価格を見積もりましょうか。
一般自由席1990円+土日祝料金340円+深夜料金340円+自転車500円=3170円+α
です。うーむ、お得感が急激に薄れる。
最新の詳細は公式ページにあります。https://ferry.co.jp/home/kobe-takamatsu/
お得な三角きっぷ
実のところ、ぼくは小豆島のマメイチだけではパンチ力不足を感じまして、もう少しテクニカルな自転車旅をしようと思って、往復券をネット予約せず、三角きっぷを購入しました。

これは神戸のターミナルのみで販売される特別チケットです。神戸からの行き先を小豆島か高松で選べます。
- 神戸→高松→小豆島→神戸
- 神戸→小豆島→高松→神戸
この2パターンで回れます。ぼくは赤字の神戸→小豆島→高松→神戸を利用して、マメイチと高松観光を一遍にやりました。
この三角きっぷの価格は3790円で、普通の往復券よりお得です。
デメリットは以下の通りです。
- ネット予約不可
- 自転車を手荷物にしないなら小豆島ー高松で自転車料金370円
うどん県本土で本場の本物のさぬきを食うなら、三角きっぷを購入しましょう。

行きは平日、帰りは土曜日のパターンで追加料金は500円(帰路の土日祝料金)で済みました。ちなみに小豆島ー高松間では土日祝料金は発生しません。
ジャンボフェリーの混み具合
貧乏旅行の長旅で席の確保は死活問題です。我々は指定席や個室を取れるアラブの石油王ではありません。自転車料金をロンダリングするケチケチマンがプレミア料金を払い得ましょうか? 否です。
で、ジャンボフェリーの自由席で神戸、小豆島、高松を巡回しましたが、行きの神戸ー坂出以外では割とゆっくり休めました。
ホテルの大将のはなしや他の旅行者のブログなどを鑑みても、この神戸ー坂出の航路が最も混雑するようです。
現に平日、朝便は満席でした。雑魚寝、船内のベンチ確保、ともに不可でした。若いカップルさんが多いね…
反面、二日目の昼の坂出ー高松はがらがら、夜の高松ー神戸は7割くらいでした。あと、旧船のりつりん2の雑魚寝スペースの方が新船あおいより広めに思えました。
船内のwifiは期待薄です。ずっと激込み、激おそくんだ。スターリンクはプレミア席用です。まあ、モバイルは全然入ります。
小豆島の自転車事情
サイクリングのスタート前のフェリーの話をだらだらしてしまいましたが、そろそろマメイチの本編に移りましょう。
上でさらっと触れたように小豆島のプロフィールは
- 距離短め
- アップダウン多め
- 風強め
です。豆やなくて、小粒で辛い山椒のようやないか。
マメイチの距離や獲得標高や高木さん
小豆島一周、マメイチの距離はけっこうまちまちです。海外線長が126kmですが、これは入り組んだ半島のぎざぎざを含みます。海際の道路一周はだいたい100km前後です。
ぼくは二日目に小豆島から高松へ渡る予定を立てて、うどん巡礼の時間と帰りのフェリーの時間を考慮して、島の西の土庄で宿を取りました。
エンジェルロードの程近いホテルのロビーがこれです。ホテルニュー海風 楽天トラベル

原作の先生が小豆島の出身で、作品の舞台がこのへんです。そら、アニメの聖地巡礼が捗りますわ。立地は最高、設備は古め、オーナーは話好きです。
で、がっつりマメイチをすると、チェックインの制限時間に間に合わなさそうに思えたので、坂出から時計回りで島の北側を経由して、寄り道せずに土庄へサイクリングしました。
このルートは40kmです。二日目に土庄から坂出まで17kmがプラスされます。正味、合計60kmくらいですか。
島内の半島のぎざぎざをきっちり踏破すると、それぞれプラス10kmほどを稼いで、100kmのフルマメイチに近付きます。
しかし、島内の全域でアップダウンが定期的にあり、走り応えは意外とハードです。港、峠、港、峠のループ。三重の伊勢志摩の海岸線がフラッシュバックしました。実質インターバル走です。
逆風か寒霞渓か
島の西側は昭和風味、島の北側は絶賛なんにもないゾーンです。しかも、40kmで500mほどの獲得標高です。さらに瀬戸内の西風が牙をむきます。

風車というのは風の向きと強さが通年で安定する場所にあります。淡路島の西側とか。反時計回りルートではここで逆風が最大になります。下り坂で自重で進まない…
コンビニ、スーパーはありません。定食屋が港に一つか二つです。あとは道の駅が一つ、大坂城残石記念公園というところです。軽食があるぽい。
あと、途中に島の内陸の景勝地、寒霞渓への分岐があります。そちらは9kmで600mの上りです。がちむち系のサイクリスト以外は避けましょう。
土庄はリゾート
このマメイチの直前に行った三年振りの淡路島はかなりリゾートチックでした。西海岸のおしゃれスポットが目立ちました。
他方、この小豆島はそこまで垢抜けません。ぼくが思ったより昭和で否かな空気感がありました。とくに坂出港の周辺の見どころは醤油記念館くらいです。
一方、高松に近い島の西側の土庄は一気にリゾートぽくなります。スーパー、ドラッグストア、アニメの聖地、温泉、ホテルが立ち並び、海外の人がちらほら行き交う。ああ、観光地だ。
島内のいちばん人気のスポットがエンジェルロードです。干潮時にはビーチから岩場まで一本の道が浮かび上がります。
あいにく初日の夕方、二日目の朝はともに満潮でした。

干潮の時刻は小豆島フェリーの潮見表で分かります。岩場まで渡るなら、チェックしてください。→https://www.shikokuferry.com/angel
で、二日目はここから坂出へ向かいましたが、こちらの南部ルートは見どころたくさん、飯屋たくさん、アップダウン少なめ、追い風よいよいでした。
レンタサイクルで走るなら、こっちを走りましょう。正味、北側は上級者向けのがっつりコースで、楽しいものではない。
あと、今回のマメイチでは島内の半島部分は完全に未踏ですから、そちらの詳細は不明ですが、Googleマップからのイメージは殺風景な港峠ループ系ぽく思えます。
気安く立ち寄れそうなのは二十四の瞳の映画村の方面くらいですか。とにかく、島の南側、国道436号沿いをぶらつくのがおいしいサイクリングでしょう。
路面状況や交通事情はまちまちです。淡路島や琵琶湖周辺よりフレンドリーではないかな。地元の自転車の活用率は大きくない。実際、観光サイクリストの方がローカルチャリ勢より多数でした。
あと、うどん屋はほぼありません。島内の名産は素麺です。あと、海苔と海産だ。海苔の佃煮はまじで美味ですよ。
道の駅のなんかの一夜干しぽいの。したびらめ?

小豆島や岡山ではゲタというらしい。いや、むしろ、ゾウリやない?
マメイチまとめ
マメイチのまとめ、むしろ、ジャンボフェリーのまとめです。
- アクセスはフェリーのみ
- 料金は時期、時間、オプションで倍々ゲーム
- 坂出港はきれいになりました
- 2025年7月1日からサーチャージャー
- 三角きっぷがお得
- ジャンボフェリーは遅れがち 地元では有名らしい
- 小豆島の北側はハード
- 南側がおすすめ
- 自転車屋はほぼない
- うどん屋もほぼない
- 土庄はリゾート
距離をしっかり走るなら、深夜便で乗り込んで、日帰りでマメイチ強硬。ゆるゆる派は折り畳みで島の南側だけさくっと頂くか、現地でレンタサイクルを借りて土庄で一泊するのがおすすめです。