スポーツバイクに乗り始めると、とたんにちまたの自転車マナーにびんかんになります。逆走、無灯火、信号無視は世のチャリダーのいらいらのもとです。
しかし、昔から他人のふり見てわがふり直せてゆいまして、おのれのことを棚に上げる、自分だけはだいじょうぶだ、かんぺきだと無根拠に盲信するのが人の性です。
マナーやルールをわいわいやかましく唱える人の脇は意外と甘いものです。すこし深く突っ込まれる、やにわにアヤフヤになります。
おまけに自転車の交通ルールはなぞだらけです、奇々怪々。自転車乗りさえが返答に困る交通ルールやきまりごとが無数に存在します。
サイクリングの本格シーズン前にこれをおさらいしましょう。
ややこしい自転車の交通ルール
まずは基本の基本です。自転車は道路交通法のもとでは軽車両にあたります。
- 自転車、荷車その他人若しくは動物の力により、又は他の車両に牽引され、かつレールによらないで運転する車(そり及び牛馬を含む。)であつて、身体障害者用の車いす、歩行補助車等及び小児用の車以外のもの
これが定義です。荷車、人力車、牛車、馬車と同類です。人間や動物の動力で移動する車=軽車両です。乗馬も軽車両です。象兵も古式のチャリオットさえも軽車両です。
軽車両には免許、ナンバープレートが不要です。ふらっと気軽に騎馬武者の装備でコンビニに行けます、ははは。
自転車の必須装備
自転車には必須の装備があります。二系統のブレーキです。前と後ろが別々で操作することが必要です。
ノンブレーキのピストはNGです。使用はすぐに禁止されましたが、販売はしばらく続きました。ノンブレーキで走れるところは室内、私有地、競技場ばかりです。
ブレーキの系統は二系統です。2本のワイヤーを同時に引けるタイプの特殊レバーはげんみつにはNGです。
第一関門ベル
ベルの是非はすこしなぞです。交通法の大枠では規制はありませんが、交通法の細則、都道府県の条例、自治体の義務はあります。ないエリアもある。
で、ベルの大きさ、形、音の範囲みたいな規定はありません。聞こえないベル、鳴らないベルもOKになります。コスプレ。
そして、歩行者にベルをむやみにチリンチリンするのは違反です。
歩行者と自転車が混在するエリアでは原則的に歩行者が優先です。これをどかすために自転車がベルを鳴らすのは世の理に反します。冒涜です。反社会的行為です。テロ、音テロです。
このベル、警笛期は危険を予防するために鳴らします。つぎの曲がり角のさきの様子が分からない! 左右の見通しがきかない! 霧が出てきた! →チリンチリンです。
前の歩行者がじゃまだな~→チリンチリンはNGです。警笛の使い方の原則から外れます。
正解は「どいて~」とか「すいませーん」て肉声でおねがいするか、ホイールハブのフリー音で気配を伝えるか、最終奥義・咳払いをするです、げほんげほん!
- 車体への装着〇
- 歩行者への使用△
- 違反の罰則×
ライト
ライトの基本は軽車両の灯火に準じて、フロントライトは白か黄、リアライトないしリフレクターは赤かだいだいです。
リアライトを白色に、フロントを赤や青にするのはNGです。
それから、フロントライトの正解は常時点灯、つけっぱなしです。ペカペカの点滅モードは原則的にはNGです。
しかし、視認性や注目度は点灯 < 点滅です。点滅モードを使うなら、二個のライトを併設して、どちらかをつけっぱなしにしないと行けません。
明るめライトつけっぱ、小さめライト点滅が交通法的に現実的に及第点です。
自転車の制限速度
公道走行には速度制限が付きまといます。スポーツバイクに乗れば、30-40km台をすぐに叩き出せますし、ママチャリで下り坂をくだっても、原付をよゆうで追い越せます。

千束坂 上からの画像
速度制限なし?
30km、40kmて速度をきっちり明示する道路の走行はかんたんです。問題は無既定の道路です。
普通自動車は60kmです。原付は問答無用で30kmです。で、自転車はフリーダムです。100kmで走っても、とくに法には抵触しません。でも、おまわりさんには目を付けられます。
恐怖のシミー
あと、シミー現象の不安があります。ぼくは過去に折り畳み自転車でこれを味わいました。その車体では35kmオーバーで再現性がありました。
このあと、フォークをリジッドに交換したら、シミーに合わなくなりました。形状か重量が原因でしょうね。
オープンな車道を50km以上で突っ走るメリットはそんなにありません。サーキット、ゲレンデ、バンクみたいな閉鎖空間でやりましょう。
歩道走行は車道側
歩道の自転車事故・トラブルが急増しまして、お上が大々的に歩道通行ダメダメキャンペーンをやります。
しかし、全面禁止は現実的に不可能ですし、一般の自転車利用に沿いません。小さい子供を乗せたママやふらふらのジジババに危ない車道を通れとはゆえません。
ぼくのオートバイ乗りの友人は車道の左側通行に慣れっこですが、チャリでぶらぶらしに行くと、そこを走ろうとはしません。理由はシンプルです、「こわいから」て。
自転車で歩道を走るときにはレーンの指示に従います。レーンなしのところでは車道側を走ります。これは単純に見通しのためです。
車道左側→歩道左側にすると、建物の出入り口や横道からの不意の飛び出しに対応しきれません。『出入り口や横道側を避けて走る』が正解です。
車線の左側を走らなくてもよい
自転車の車道走行の基本は車線の左側です。KEEP LEFT。しかし、これは正確じゃありません。逆走はだめですが、車線の中央や右側を走るのはNGじゃありません。
片側二車線、車両通行帯ありみたいな条件がつきます。
後方の事象を意に介さないなら、都会のまんなかで第一レーンの真ん中をとろとろ走っても、法には触れません。全市民を敵に回しますが、ははは。
あくまで原則的に違法ではないてことです。マナー的にはアウトです。
はりぼて踏切一時停車
原付の悩みの種は踏切一時停車と二段階右折です。自転車の悩みも踏切一時停車と二段階右折です・・・え、踏切一時停車するぅ?
はい、踏切一時停車は規則です。素通りは取り締まりの対象です。おまわりさんに見つかると・・・とくに注意されない。てか、おまわりさんの自転車がおうおうに停車しない・・・
二輪車の一時停車の目安は両足を地面に着くことです。スタンディングで速度をゼロにするのは一時停車じゃありません。ポーズだ! ずるい! 絶賛乗車中ですやん!

京阪京津線 路面電車
もっとも好ましいのは降りて押して歩行者モードで渡ることです。今日からしてよ!