ロードバイクで膝が痛い! 原因は酷使、ポジション、O脚、X脚…

スポーツのかなめは膝、ひざ、ニー、Kneeです。

ひざをうまく使える人にスポーツ音痴はいません。逆にここをうまく使えない人はフルーツポンチ村上のように『ヒザ神』とはやしたてられます。

オフロードではひざとひじのレベルが乗り手のレベルに直結します。そのうえ、外傷がこの二か所に多発します。

膝パッド
膝パッド

自転車のひざの痛み

ロードバイクやサイクリングでは外傷の頻度は下がりますが、酷使、ハードワーク、むりな姿勢みたいな内的要因から不具合が起こります。膝痛に悩むチャリダーは少なくない。

ぼくは慢性的にはこの症状には襲われませんが、特定の条件下でしばしば鈍い痛みに見舞われます。

チャリで筋肉痛は起こらない

運動後の痛みでまっさきに思い浮かぶのは筋肉痛です。激しい運動、ひさびさのスポーツでむやみにはりきると、翌日や翌々日にイテテテテ!!とのたうち回ります。

ぼくは自転車ではめったにしませんが、球蹴りではたびたびやらかします。リミットは2週間です。それ以上のスパンが開くと、イテテ! が確定します。

瞬発系の負荷は持久系とは別物です。フットサルのカウンターのカウンターの戻りは地獄です。実際、切り返しや急停止の反発で足の爪が内圧で良く割れます。

対照的に自転車のペダリングはマイルドです。足がじかに地面と触れません。関節や筋肉の負荷はウォーキングやランニングより舐めプです。

しかしながら、趣味の自転車は長丁場です。半日、一日はあたりまえだ。ベテランのサイクリストは70-90回/1分のペダルクルクルをします。

ケイデンス70、10時間で総ペダリング数を計算しましょうか。

70x60x10=42000回転

はい、足回しすぎ、膝使いすぎ。膝コンプライアンスに抵触します。

ジムのエアロバイクや室内のローラー台をこんなに長く続けるのは苦行ですが、ふつうに実走するのはぜんぜん可能です。

自転車のひざ痛は筋肉痛じゃありません。サイクリングの直後やロングライドの最中から来ます。ひどいのは乗り始めからおそいかかります。

ひざの痛みの箇所

ちまたの医療的なページの情報ではひざの痛みはおもに4つです。膝上痛、膝外痛、膝内痛、膝裏痛です。

個人的には上と裏はぴんと来ません。ぼくの症状は内か外に出ます。

これらの痛みの原因は筋or健の炎症です。上と裏が筋肉の炎症、外と内が腱の炎症です。つまり、ぼくのひざ痛は腱の炎症です。実際の痛さもそんな感じです。筋肉系ではない。

発動条件は以下のとおりです。

  • サドル低め
  • ハイケイデンス
  • 1時間越え

この三つがそろうと、ひざ痛がけっこうな確率で出ます。で、ぼくのこの条件のライドは特定の場面で起こります。サイクリングロードないし快適無人のロングコースです。

南淡の海岸沿い
南淡の海岸沿い

ぼくはフラットバーやライザーバーで遠出やバイクパッキングをします。平坦な吹きさらしのコンディションでは逆風や空気抵抗が非常に難儀です。

で、抵抗を減らすためにポストをべた下げして、疑似TTモードで高速ペダリングします。こういう姿勢です。

TTモード

見た目の通りの窮屈さです。硬い人はむりでしょう。ぼくは前屈で手のひらをぺたっとつけられますから、この体勢でふつうに漕げます。

禁断のうさぎとび復活

ポイントはひざです。この体勢ではひざがずっと曲がりっぱなしになります。ペダルがいちばん下に来ても、ひざは伸び切りません。

ペダルが上にくると、ももは胸のすれすれまで来ます。

で、このライダーを地面に投げおろしましょう。えいや!

うさぎとび
うさぎとび

でっかい捨て子! ではありません。ちぢこまった妙齢の中年です。いや、年齢は無関係です。体勢が肝心です。で、これは完全にうさぎとびです。

昭和の時代には「うさぎとびでグランド10周!」みたいなシゴキがふつうにありました。その後、ひざを壊す人が続出して、うさぎとびはスポーツ界ではタブーになりました。

ぼくの疑似TTモードはこのタブーの完全再現です。ペダリングの過程にひざが伸びる瞬間がぜんぜんありません。これが一時間も続けば、なんらかの支障は必定です。

さいわいこの痛みは一日で引きます。で、この疑似TTモード=うさぎとびの公式に気付いて、これをきっぱり止めました。

ここから極端に低いサドルはひざ痛のけんちょな原因になりえます。伸ばしがペダリングの過程のどこかに入らないと、負荷が蓄積の一途をたどります。

結局、のびっぱなし、まがりっぱなしが間接にめっきりよろしくありません。見栄の高サドル、堕落の低サドル、要注意です。

膝裏、膝上のひざ痛は個人的に未経験です。自転車でもありませんし、ほかのスポーツでもありません。筋肉は問題なしのようです。

O脚、X脚

脚自体の異常もひざの不調の原因です。がに股=O脚は男子に、内また=X脚は女子に多く見られます。

ぼくの印象ではロード乗りには内また気味のX脚の人が多くいるように思えます。

ロード乗りは両サイドのペダル間の幅、ぞくにQファクターをむやみにせばめたがります。で、その意識が強すぎて、脚が無意識に内またX脚になります。

また、がに股O脚への強烈なアレルギーと蔑視が潜在的にまんえんします。しかし、不自然なX脚風ナローQファクターは自然ながに股に及びません。

といって、がに股さんの膝はふつ股さんの膝より神経質でやわです。ぼくの知人のがに股さんは100kmのゆるポタ一撃で膝を言わせました。結果、ひざに水です。

O脚、X脚のかんたんな診断方法

かんたんな診断方法にモモ、ヒザ、フクラハギ、クルブシ(カカト)の4点チェックがあります。

左・X脚 中・正常 右・O脚
左・X脚 中・正常 右・O脚

つま先をかるく開いて、くるぶし(かかと)をピタッとつけて、足と背筋を自然に伸ばします。

上の真ん中の図のように丸ピンクの4点がくっついて、それ以外がはなれます。太ももの付け根には指一本の逆三角形の隙間ができて、向こうが見えます。これが正常な脚です。

X脚の人はくるぶしを付けられません。O脚の人はひざをつけられません。骨格の根本がいびつです。この治療はなかなかの曲者です。整体とかカイロプラクティックとかです。

見た目の通りにX脚は膝の内側を、O脚は膝を外側を痛めやすくなります。実際、くだんのO脚がに股の友達は右の膝外にしっかり水を溜めて、医者の世話になりました。

膝の内側に痛みを抱えるローディさんはQファクターかX脚をうたがいましょう。あからさまながに股ローディてのはそんなに見かけません。