JR西日本が2022年7月におもしろい企画を打ち出しました。その名は『サイコロきっぷ』です。
チケット予約サービス・アプリの『e5489』でエントリーして、サイコロを振って、目的地を決めます。
そう、これは明らかにリアル桃鉄です。いつもの桃鉄3日勝負だ。ポッポー!
は、いたスト? え、ドカポンですか? じ、人生ゲームだあ?! 世代がばれるぞー。
とにかくこんなおもしろ企画は本家のゲームやチャリと電車で桃鉄みたいな旅をたしなむぼくには格好のネタです。輪行愛好者は申し込まざるを得ない。
このB4Cは第一弾と第二弾をスルーしたので、2023年年始の第三弾に申し込みました・・・この強烈寒波と豪雪にも怯まずに。
結果的に『はずれ』の日本海側は出ず、『あたり』の博多が出ました。いや、こんな表現は他の目的地に失礼ですが。
しかし、この時期の日本海側はサイクリングにはむりゲーです。ぼくの輪行号はミニサイズのダホンですし。小径タイヤが雪に埋もれてしまう。
サイコロきっぷとは?
まずはサイコロきっぷの簡単な説明です。物々しい詳細はJR西日本の公式ページにありますから、ここはユーザーライクな簡易な解説になります。
- 商品名:サイコロきっぷ
- 主催:JR西日本
- 価格:5000円 ※エントリーが4500円 チケット発行が500円
- エントリー期間:約3週間
- 販売期間:約1か月
- 利用期間:3日間
- 参加人数:1エントリーで1~3名
現時点でこのサイコロきっぷはJR西日本だけのオリジナル企画です。JR東日本では同じ名前のイベントはなく、「どこかにビューーン!」があります。
ぶっとびカードやないか!
サイコロきっぷの期間
サイコロきっぷは期間限定のイベントです。第三弾の2023年冬季分の具体的な期間はこうです。
- エントリー:2023/1/10(火)〜1/27(金)23:30
- 発売期間:2023/1/10(火)〜2/12(日) 各方面の最終列車出発時刻まで
- 利用期間:2023/1/11(水)〜2/14(火)の連続する3日間
大人気のためにエントリーの期限が当初の2/5から1/27に前倒しになりました。ぼくは1月27日の夜に申し込みました。残り物には福があるなあ!
サイコロきっぷの販売数は無制限ですが、当然のごとく特急の座席は有限です。今回のように空席や列車の状況でエントリー期限は変動します。
サイコロきっぷの買い方
サイコロきっぷの入手手順はバーチャルとリアルに大別されます。
- エントリー:JWESTのe5489アプリやブラウザから
- チケット発行:JRのみどりの窓口
サイコロを振って目的地を決める桃鉄的チャプターはアプリかブラウザです。JRの駅構内にリアルサイコロはありません。
一瞬、ごきげんようかすべらない話を期待した方はご自愛ください。
エントリーにはe5489の会員登録を要します。公式ページの『JRおでかけネット』か公式アプリの『WESTER』からアクセスして、さくっとログインしましょう。
この後、e5489からサイコロきっぷにエントリーできます。決済はクレジットカードのみです。
エントリー料金は4500円です。
エントリー後にサイコロを振って、目的地を決めて、座席を予約したら、チケットを受け取りに行きます。窓口はJRのみどりの窓口です。
JR東海ツアーズやJR東海、自動券売機はサイコロきっぷの発行に対応しません。JRみどりの窓口が正解です。
発券の料金は500円です。請求はエントリーで使う同じクレジットカードに来ます。
ええ、うちはスーパーライフのお膝元ですが、なにか?
サイコロきっぷはキャッシュレスですが、チケットレスではありません。JRのみどりの窓口への訪問は必須です。
チケット発行の際に必要なものです。
- サイコロきっぷの予約番号
- e5489に登録した電話番号下4桁
- エントリーで使ったクレジットカード
これを担当のおねーさんに提示して、おなじみのJRの紙チケットを貰います。
- 指定席券×2枚
- 乗車券×2枚
- 特典のご案内
- きっぷのご案内
博多行きでは以上の6枚が発行されました。出雲行きではこれに岡山からの特急やくもの指定席券×2が追加されます。
1エントリーの最大購入人数は3名です。もちろん、各々にエントリー代と発券代が掛かります。
サイコロを振れるのは1エントリーに1回です。サイコロきっぷでグループ旅行を計画するなら、最も強運な人がエントリーしましょう。
同一名義の複数回エントリーは可能です。
サイコロきっぷの料金と払い戻し
サイコロきっぷの料金体系です。
- エントリー:4500円
- チケット発行:500円
最低必要額は4500円です。これはきっぷの利用の有無に関わらずに掛かります。つまり、冷やかしは不可です。
出目に納得できなかった、休みを取れなかった、ライブカメラの豪雪に怯んだ等々の理由で予定を取りやめ、紙チケットを発行しなければ、500円を払わずに済みます。
エントリー料金の払い戻しは不可です。※運行不能などの不測の事態を除く
この4500円はサイコロを振る=ぶっとびカードを使う料金です。ぶっとびカードを使った後でぶっとびカードの代金を返せというのはキングボンビー並みの理不尽でしょう。
この仕様に同意できない方は通常の新幹線カードをお買い求めください。新大阪-博多ののぞみ指定席は片道15600円です。
チケットの発券以前及び電車の出発以前には利用開始日や指定席の変更が可能です。操作はe5489からです。
サイコロきっぷの有効期間と使い方
サイコロきっぷの有効期間は3日間(当日含む)です。つまり、最大2泊3日のセルフツアーが可能です。実際、ぼくはこの日程で福岡観光をチャリで満喫しました。
サイコロきっぷの使い方は普通の切符と同じです。乗車券と指定席券を一緒に改札に通すor駅員さんに見せる。行きと帰りの組み合わせを間違えないように。
特典は観光地の入場料の割引、お土産購入でおまけ、レンタサイクル貸し出しなどです。内容は目的地で異なります。JRの公式ページで詳細を確認できます。
サイコロきっぷの目的地
2023年冬季の第三弾サイコロきっぷの目的地は以下の4つです。
- 石川県加賀温泉
- 島根県出雲
- 山口県湯田温泉
- 福岡県博多
ご存じのように博多以外の目的地には新幹線が直通しません。
例えば出雲へのアクセスは新幹線(大阪~岡山)と特急やくも(岡山~出雲)の乗り継ぎになります。これは4時間コースです。
一方、新大阪~博多はのぞみ・みずほで2時間23分です。8:55発に乗っても、12時前に着きます。
ぼくは7:51発のみずほ603号を予約しました。これは新大阪発鹿児島中央着の新鋭の新幹線です。
行きがみずほ、帰りがのぞみでしたが、みずほの座席シートが明らかにのぞみより上でした。やや広めでふかふか。
振動と騒音もほとんどない。で、速度はのぞみと同等です。博多方面へ行くなら、みずほを予約しましょう。
途中下車と途中乗車
サイコロきっぷの途中下車は指定駅のみで可能です。今回のケースは以下の通りです。
- 加賀温泉→福井
- 出雲→米子
- 湯田温泉→新山口
- 博多→なし
途中下車駅から目的地までの電車は普通自由席となります。指定した特急や新幹線は先に行ってしまうので。この区間で特急に乗るなら、別途で特急券を買わねばなりません。
指定駅以外で降りる=改札を出てしまうと、同じチケットでは再入場できません。というか、チケットは改札や駅員さんに回収されますし。
下車駅から同じチケットで再乗車できるのが前途有効、再乗車できないのが前途無効です。
また、途中乗車は経路上で可能です。
- 新大阪発ののぞみに新神戸や姫路で乗車する
- 博多発のこだまに新下関や広島で乗車する
無論、乗車できる車両はe5489で予約した新幹線のみです。サイコロきっぷは指定席のみですから。
あえて途中下車&途中乗車をテクニカルに駆使すれば、行きに岡山で降りて、岡山から広島までチャリで走って、帰りに広島から乗るとかの変則技もできます。
サイコロきっぷの確率
サイコロきっぷの各目的地の当選確率です。2023年冬季の公開データです。
- 加賀温泉 1/3
- 出雲 1/3
- 湯田温泉 2/9
- 博多 1/9
実際問題、日本海側の加賀と出雲はこの寒波と豪雪の中では外れです。
博多は第一弾からスーパーレアの大当たり扱いです。サイコロの演出で湯田温泉からの発展リーチで「ぱっぱかぱー!」となります。
一投目で加賀か出雲が出ると、博多への確変は起こりません。これは第一弾から1/3の当選確率の目的地の仕様です。
博多周辺のおすすめ自転車コース
このサイコロきっぷで見事に博多を引き当てた強運のB4Cさんはダホンの折り畳みを伴い、2泊3日で博多旅行に参りました。目的はグルメと観光です。
新幹線の乗車時間は現地のリサーチに格好です。最近の車内ではモバイルもWifiもびんびんですから。
みずほの快適シートに寝そべりながら、折り畳みでゆったり回れるサイクリングルートとその周辺にちらばるグルメスポットを調べました。
定番の自転車スポットは3つです。
- 志賀島
- 大宰府
- 糸島
志賀島
志賀島は博多の北西の海上に浮かぶ小島です。読みは『しかのしま』で、この『しか』は鹿に由来します。
ここは『島』ですが、実際には陸続きです。天橋立みたいな細い砂州の先に外周10kmほどの小島があります。和歌山の串本の潮岬みたいな感じですね。
志賀島には素朴な海辺の光景があります。
博多駅前から島まで自転車で20km、最寄り駅&最寄り船着き場のJR西戸崎駅から約5kmです。行きは自転車、帰りはフェリーもありです。
名物はサザエ丼とホットドッグです。なぜか博多は空前のホットドッグ推しです。ハンバーガー屋よりホットドッグ屋の方が目立ちます。
これは志賀島3大ホットドッグ屋の一つ、ママドックのホットドッグとママです。
さくさくのパンとぷりぷりのソーセージがまいうーです。ハンバーガーより軽いスナックです。
博多駅前→志賀島外周→博多駅前でほぼ50kmです。のんびりだらだらペースで3~4時間で回れます。
大宰府
初日は志賀島、翌日は大宰府です。こちらは海から離れて、内陸部に行きます。とはいえ、上り坂や峠はありません。道のりは平坦です。
お目当ては天満宮の学業成就のお守り・・・ではなく、梅ヶ枝餅です。ぐにゃぐにゃの餅とみちみちの餡がまいうーです。
博多駅前から大宰府までは約15kmです。空港沿いの高速道路(福岡都市高速環状線)の側道を行くのが簡単です。
帰りは本命のザ・豚骨ラーメンです。
濃厚スープ、とろとろチャーシュー、バリ硬細麺のザ・博多スタイルです。当然にまいうーです。
正味、博多近郊では豚骨ラーメン屋探しはぬるゲーです。コンビニくらいの頻度で道中に出現します。
博多名物です。
- 豚骨ラーメン
- めんたいこ
- 皿うどん
- ホットドッグ
- サザエ丼
- 寿司
季節柄か土地柄かスーパーの寿司、サバとイワシが非常に美味でした。玄界灘は良い漁場です。
福岡では飯のハズレはほぼありません。ネックは人気店の行列ですか。食べログ★3.5以上の店でランチをすんなり食えると思わない。
糸島
糸島は博多の西隣の街です。東西に走る鉄道と国道周辺の市街地以外は山また山です。アップダウンなサイクリングが捗ります。
ということで、ぼくは三日目にはこちらへ参らず、博多駅の半径3km圏内でぶらぶらしました。折り畳みで登りはもう嫌だ。
大濠公園、東公園、西公園と博多駅周辺には公園がたくさんあります。スーパーの寿司やパンやホットドックを買って、ここらでほっこり食べるのも乙です。
これは西公園の今屋のハンバーガーです。売れ筋はホットドッグです。そして、ついに定休日の法則が発動しました。
サイコロきっぷまとめ
サイコロきっぷはJR西日本の期間限定チケットの名称です。サイコロの出目で目的地が決定します。元ネタは桃鉄のぶっとびカードです。
サイコロきっぷの料金はエントリー代の4500円とチケット発行代の500円の計5000円です。エントリー代の払い戻しは基本的に不可です。
チケットの内容は往復の特急乗車券&指定席券、特典の案内、きっぷの案内の計6~8枚です。
1エントリーで3名まで申し込めます。この場合、料金は5000円×参加人数です。同一名義の複数回エントリーも可能です。
サイコロきっぷの開催は不定期ですが、主にホリデーシーズンに販売されます。販売期間は約1か月です。2023年冬季は人気のために前倒しで締め切られました。
サイコロきっぷの有効期限は当日含む3日間です。最大で2泊3日のツアーが可能です。
みずほの座席と車両はのぞみより上です。
前途有効の途中下車は指定駅のみで可能です。その他の駅で降りて改札を出ると、同じチケットで再入場・再乗車できません。
途中下車駅からゴールまでの電車はJRの普通車自由席になります。途中乗車は経路上の特急停車駅で可能です。無論、乗車できるのはe5489で予約した特急のみです。
この回の桃鉄では日本海側の目的地がマイナス駅だらけのハードモードのごとしですが、春以降にはどこもお得な『あたり』となります。
では、つぎの 目的地にむかって みなさん がんばってくださーい!