ぼくは日常の運動をよくします。球蹴り、ランニング、サイクリングが運動の三本柱です。足掛け10年、3年、2年ですか。
チャリ競技は機材スポーツです。スポーツ的な楽しみと機材的な楽しみが両立します。どちらかの楽しみが失われると、ぼくの中のチャリ愛が半減します。
むしろ、スポーツ的な要素は二の次です。ぼくは街乗りホビーチャリダーです。距離や速度や獲得斜度よりショッピング、お出かけ、ぶらぶらです。
案の定、フォーマルなメット、ジャージ、ショーツ、ビンディングは性に合いません。キャップ、ジーパン、スニーカーがマイサイクリング・ファッションです。
受難のスポーツシューズ選び
じゃあ、ペダルはおのずとフラットペダルになります。
こんなふうなピン付きの薄型がお気にです。足が幅広のべた足です。シューズのサイズは26cmの4Eです。ニューバランスがベストフィットします。
ランニングシューズはアシックスです。
スーパーワイドタイプ=4E相等です。ただのワイドタイプやDワイズはぜんぜん入りません。横幅がぎゅうぎゅうになって、小指が靴擦れします。
単純に縦方向でサイズアップすると、つま先側の遊びをむだに増やしちゃいます。球蹴り、フットサルではここの遊びはデンジャラスです。親指の爪が速攻で割れます、ほんまに。
海外ブランドのシューズは基本的に横狭め、甲低めです。サイズ展開はだいたいD-2Eです。メジャーなところのやつはフィットしません。
消去法で残るのが日本ブランドのシューズ、アシックスやミズノです。でも、部活感がいやだあ!
てことで、ブランド、価格、デザイン、サイズを極めようとすると、シューズ1足におそろしく振り回されます。
そんなふうに苦労しますから、自転車用のシューズにも気軽に手出しできません。
しかし、新型MTBを入手しまして、100kmオーバーの遠乗りをするようになりまして、手持ちの靴の併用に一抹の不安を覚えます。
上記のランニングシューズやフットサルシューズや普段使いのサンダルで走り回りますと、さまざまな支障に出くわします。
とくにシューズの消耗が深刻です。フラペのピンがソールをがりがり痛めつけてくれやがります。ビルケンシュトックのソールの裏が黄信号です。
もともとオーバードーズで靴を履き潰しちゃう人です、ぼくは。これは2016年のぼくのランニングシューズです。
一年でこのぼろさになります。だいたいスニーカー系の寿命は一年です。短命です。
性格上、普段履きや運動をごちゃまぜにしちゃいます。すると、へたりがえげつないレベになります。
「二足買って使いまわす。中一日の靴休み」
は長持ちの合言葉です。湿気と埃はチャリにも靴にも大敵です。理屈は分かります。でも、わが足は目先のやつをひょいっと突っかけちゃいますねん~。
が、ランニングxサイクリング、球蹴りxランニング、サイクリングx球蹴り、みたいな2ジャンル併用はあきらかにオーバードーズ酷使です。履き物が悲鳴を上げますわ。ダメージの溜まり方が尋常じゃありません。
で、手持ちのシューズの疲弊に危機感をひしひし感じて、この期にようやくサイクル用のシューズを物色し始めます。
フラペダにはサイクリングスニーカー
自転車用シューズでまっさきに思いつくのは固定式のビンディングシューズです。
靴底の金具をペダルのプラットフォームの金具に固定して、足とペダルを擬似的に一体化させます。仕組みはスキーやスノボーのまんまビンディングです。
自転車用のビンディングペダルを世に広めたフランスのLOOK社はもともとスキー屋さんでした。いまや高級上質クラフト系のハイエンド自転車メーカーですが。
自転車競技、とくにオフロードの下り系はスキーやスノボーによく似ます。自転車のホットエリアのスイス、ドイツ、イタリア、ベルギーはアルプスのふもとです。ウィンタースポーツも盛んです。
自転車のビンディングシューズは自転車の歴史のなかでは新しいアイテムです。それ以前のロードレーサーはクリップやストラップで足をペダルに固定しました。
競輪のペダルはいまだにクリップです。競輪は公営競技です。マネーが動きます。規定はUCIより保守的で厳正です。一種のお役所仕事様式ですからね。
クリップはMKSです。
日本自転車振興会、NJSの三文字がオフィシャル謹製のあかしです。この統括団体はすでに名前換えしますが、NJSのセカイテキネームバリューのために商品名が残ります。
もっと手軽なものはストラップないしバンドです。ザ・紐ないしザ・帯です。
フラットペダルを大きな突っかけみたいにします。そこへシューズをインします。原始的です。ビンディングの発明以前のスキーの固定はこんなでしょうねー。
クリップ、ストラップはビンディングより手軽です。が、固定力は落ちます。そして、足元のビジュアルがうるさくなります。そしてそして、無垢のフラットペダルより手軽じゃありません。
ぼく的にはこんな中途半端さはだめだめです。実際、使用者は率先的に使いません。のっぴきならない事情でビンディングを使えない人が打算的に使う、てなもんです。
おそらくクリップやストラップの最大勢力はチャリ通派です。郊外から都心への通勤通学チャリダーのためのアイテムです。
都心部でビンディングシューズはなにかと不便です。アスファルト、コンクリ、つるつるのフローリングは危険です。
とくにロードタイプのビンディングシューズのソール部分はサッカースパイクのソールみたいにかっちかちです。グリップ力がゼロです。固い地面や床との相性は最悪です。
スパイク系のシューズの全般もそうですが、アスファルトやコンクリには全く合いません。スパイクシューズは土、砂地、芝、コート用です。ソールやピンが削れますから、アスファルトは厳禁です。
それを知って知らずか、昔の部活のパイセンは一年ボウズにスパイクシューズで郊外ランニングとかようさせました。おニューのソールが一発でぼろぼろです、ははは。陰険ないやがらせだあ!
で、もっと手軽な方法がサイクリングスニーカーです。見た目は完全に街履きのおしゃれスニーカーです。代表ブランドがクロームです。
アーバンコミューター・ストリート系の本場アメリカのサイクルアパレルです。やっぱし、こういうのは北米です~。ヨーロッパやアジアではこのタフなクールさは生まれませんわ。
サイクリングスニーカーの特徴のひとつがソールの固さです。ウォーキングスニーカーよりソールが固くなります。
ソールが固くなると、反発が強くなります。ペダルのパワーの伝達のロストがすくなくなります。このためにスパイクシューズやビンディングシューズはかっちかちです。
ランニングシューズにもクッション重視のソフトソールタイプ、スピード重視のハードソールタイプがあります。かたソール=高反発=スピーディです、ざっくりと。
低反発のウレタン枕と高反発のウレタン枕、枕投げではどちらが強力でしょう? はい、高反発のウレタン枕です。へにゃチンのようにヘニャとなりません、オー・セクハラ!
自転車のペダリングはランニングの接地より低負荷です。そんなに強烈な負担は足首や間接にかかりません。むしろ、ふつうのスニーカーのソールのクッションはペダリングには柔らかすぎます。
土踏まずやかかとやアキレス腱を日頃からぜんぜん鍛えない人、スポーツ未経験者、若年層、女子、偏平足ラーは柔らかいソールでながなが走ると、しばしば土踏まずやかかとや腱に痛みや違和感を覚えます。
ぎゃくに運動経験者、ジョギングやランニングを日常的にする人、成人しきったごりごりのパワーワーカーはとくに困りません。多分、ヒザや肩がさきに悲鳴を上げます。
さいわいぼくの土踏まずはきれいなアーチを描きます。てか、甲が高すぎますし、厚すぎます。足の縦サイズは26cmですが、甲回りは27cmです。ごんぶと!
ぼくは昔から靴下嫌いでいまでも素足生活を好みます。そして、球蹴り・ランニングで土踏まずやアーチやかかとは必要以上にもりもりです。
じゃあ、自転車のビンディングシューズのサイズ展開は例のごときものです。ブランド、デザイン、価格、サイズの4拍子はなかなか揃いません。
しかも、シューズの規格とペダルの規格はニコイチです。各社で互換性はまちまちです。LOOK、TIME、MAVIC、Shimano、Speedplayなどなどがメジャーです。
「日本人はシマノだろ!」
て単純なものじゃありません。靴の型、ラストはヒジョーに神経質です。幅広タイプでも甲高タイプじゃない、てのがふつうにあります。
そして、ファッション的には日本ブランドのシューズはアメリカ・ヨーロッパ系よりぐっと落ちます。てか、釣具屋の靴を履きたくない・・・
GIRO RUMBLE VRを購入
こんなふうにあれこれ迷って、ながらく手を出しかねましたが、普段使いの靴をチャリでつぎつぎと漕ぎつぶしてしまい、ついにおニューの靴を買いました。
GIRO Rmble VRです。このカラーは使い分のオリーブグレーです。インプレッションはこちらです。→GIRO Rumble VRのレビューやサイズ感など