Crank Brothers Candy 初心者におすすめのビンディングペダル

ぼくのチャリ活はだいたい普段着のお出かけスタイルです。9割が街乗り、1割が遠出です。練習走、トレーニング走みたいなロードワークは基本的にありません。

で、結局、気軽なフラットペダルとスニーカーorサンダルの出番が多くなります。この組み合わせがもっともコンフォートでオールラウンドでセーフティです。

クリップやビンディングの引き足の効果、ペダリング効率の上昇はたかだかです。劇的な感動はありません。「ふうん」てのがぼくの正直な感想です。

ぼんやりフラペダ < ぼんやりビンペダ < しっかりフラペダ < しっかりビンペダ

てところでしょうか。『ぼんやり』と『しっかり』を逆転するほどの魔法のアイテムではありません、ビンディングペダルは。

ネックは立ちごけの危険性、乗り降りの手間、シューズの歩きにくさ、シューズのワイズ展開の少なさです。とくに靴幅の狭さは幅広甲高には致命的だ・・・

で、しばらくクリップやビンディングには疎遠でしたが、たまたまおしゃれなチャリストアに寄って、GIRO Rumble VRに一目ぼれして、これを衝動買いしました。

GIRO RUMBLE VR

このオリーブグリーンは追加カラーです。形から色からなにからぼくの好みにぴったりでした・・・サイズ以外は。1万のハキモノのなかでは上位の部類でしょう。

あめちゃんペダル Crank Brothers Candy

さて、SRAMライクなマイバイクの構成から考えて、シマノ純正のSPDペダルをまっさきに除外します。

はい、Crankbrothers Candy 3です。

クランクブラザーズキャンディ3
クランクブラザーズキャンディ3

“TRAIL / ALL MOUNTAIN PEDAL”の記述のようにオフロード用の人気モデルです。

Candy=エッグビーター+プラットフォーム

ペダルの付属品の一式です。

ペダル、シール、クリート
ペダル、シール、クリート

ペダル左右、真鍮製のプレミアムクリート、おなじみのシールです。クラブラのアイコンのシールはクールじゃありませんねー。

構造は同社の人気モデルのエッグビーター+アルミプラットフォームです。CNCの質感がベリーグッドです。

Candy 2以上がアルミです。樹脂製のCandy 1だけはちょっとチープです。

実測重量は325gです。カタログ値にいつわりはありません。

クリートは専用プレミアムクリート

クリートをさきほどのGIROのシューズに取り付けましょう。ちなみにこのクリートはクランクブラザーズの専用品のプレミアムクリートです。

プレミアムクリート
プレミアムクリート

シマノのSPDクリートに似ますが、SPDペダルのビンディングにははまりません。クラブラ独自設計です。

ドットクリートでリリース角が決まる

右のクリートをよく見ると、ぽっちんドットの刻印を確認できます。こちらを右シューズに取り付けると、両方のシューズのリリース角度を15度にできます。左に取り付けると、20度にできます。

つまり、このクリートはびみょうに左右非対称です。5度の差はまあまあ大です。20度を外側に捻りきるのはむずゲーです。

ざっと計算しましょうか。クリート部分からヒールまでの実測は約19cmです。円周は直径x円周率ですから、19x2x3.14=119.32cmです

20度は360度の18分の1、15度は24分の1です。119.32/18=6.628、119.32/24=4.971がそれぞれのリリース角の幅です。6.628-4.971=1.657cm、これが5度の差です。親指一本分です。

ぼくは外しやすさを考慮して、右足にドットクリート=15度リリースに設定しましょう。セーフティファーストです。

シューズのソールです。一ヶ月でこの惨状になりました。ピン付きペダルのしわざです。

一ヶ月でカバーが終了
一ヶ月でカバーが終了

まわりのビブラムソールはぜんぜんだいじょうぶですけど、まんなかのカバーの強度がややヘナチョコです。右側のボルトのひとつがすでに行方不明だし・・・

アーレンキーで外します。ちなみにアーレンキーは靴にもペダルにも付属しません。まあまあ細いアーレンキーです。5mm?

カバーを外す
カバーを外す

ぶじにビンディングの取り付け台座が見えました。オフロードペダル用です。縦にかぱかぱスライドします。

インソールなしで靴を履くと、台座のでっぱりを足底に感じます。穴あきシューズです。通気性はけっこうですが、防寒性はざんねんです。自転車シューズの共通の弱点です。

カバーです。ぼろぼろだあ!

ぼろぼろのカバー
ぼろぼろのカバー

立ちこぎスタイルのたまものです。ピンに全体重を乗っけますから、ソールをめりめり痛めます。ビルケンシュトックのじょうぶなラバーがこんなことになります。

クリートの取り付け

クリートをシムなしで取り付けて、ジャストなポジションを探します。ぞくに『スイートスポット』です。あめちゃんだけに!

ビルケンシュトックのソールの痛みを見れば、一発で確定できます。ソールのど真ん中寄りのやや外目上段がスイートスポットです。

ジーパンの裾がピンチ!

が、このポイントはジーパンの裾をチェーンやチェーンリングで汚さないようにペダリングするための特異なものです。ぼくはフラペペダルの大外のピンを踏みます、ガシガシガシて。

で、ビンディングペダルのビンディングはまんなかにあります。バインドしちゃうと、外寄りには踏めません。ジーパンの裾は尊い犠牲です。

スイートスポットは妥協の内角中段

結果的にクリートはこの位置に落ち着きました。この写真は『ドットクリートを左足シューズにまちがえて付けちゃったぜ』のものです。あとから右に付けなおしました。事前に説明書を読もうぜ!

クリートのスイートスポット
クリートのスイートスポット

もう1cmだけ内側に寄せられれば、ジーパンをリングの魔の手から守れますが、シューズの台座とクリートの遊びにもくろみを砕かれました。ぼろぼろに使い倒したら、ドリルで拡張したりましょうか。

裾上げしなさいよ!

GIROとの相性ばっちし

クランクブラザーズのプレミアムクリートはかなりの薄型です。ソールの台座に取り付けても、はみだしません。

クリートとソールのギャップ
クリートとソールのギャップ

おかげで違和感なくしずかに歩けます。カフェやコンビニやごはん屋に入っても、いやな顔をされません。

反面、ロード用のクリートはむき出しになります。ふと油断すると、ガッチャガッチャて床を傷めつけます。神経質なきれい好きの店長さんはイライラしましょう。

業界内や身内のあつまりではコンプライアンスが否応なくぬるくなります。しかし、内界の常識は外界の非常識です。

もしか、お客がサッカースパイクやゴルフスパイクで店に入って来て、我が物顔でガチャガチャしたら、全国5000万の自転車屋の店長さんはしかめ面をせずにいられましょうか? ぼくはむりです。

チャリ嫌いのコンビニ店長と番組ディレクターが結託して、隠しカメラでガッチャガッチャのバッドマナーのチャリダーを隠し撮りして、全国ネットで流しましょう。早晩にピストバイクの二の舞です。

バインドしたクリートとビンディングの2ショットです。

ソールとペダル
ソールとペダル

ソール部分はプラットフォームとぴったりくっつきまして、クリートはビンディングにかちっと収まります。説明書のGOODのイメージ図のとおりです。

かようにGIRO Rumble VRとCrankbrothersペダルは良コンビです。

イージーキャッチ&リリース

クラブラのビンディングとプレミアムクリートの着脱はシマノSPDよりイージー、クイックリーです。ポイントが合えば、いつのまにかはまります。

音は控え目です。「おれは本格自転車乗りだぜ! ヘイヘイ! ドヤドヤ!」てマグマのような承認欲求の冷却には不向きです。焼け石にクラブラです。

かりに意図的に鳴らしても、ボタンくらいの音量しか出せません、パチパチ、ClickClickて。カーン!! バツーン!! にはなりません。

外向きにも外せる、内向きにも外せる

フォーマルに内股気味にヒールを外側に捻っても、クリートをリリースできます。また、御行儀悪くがに股気味に内側に捻っても、えいやと外せます。

右足シューズにドットクリートを取り付けると、内股のリリース角は15度になり、がに股のリリース角は20度になります。逆もしかりです。クリートのエッジがみそのようです。

とにかく捻れば外せます。そこはオフロード用の強みです。緊急時にはレバガチャ風にもがいて対応しましょう。

さらにクリートを台座の下段のネジ穴に付ければ、ヒールまでの距離を短くできますから、リリース幅を余計に狭められます。

ふつシューズでギリこげる

ビンディングのでっぱりに目をつぶれば、小ぶりなプラットフォームに足を置けます。ソフトソールのスニーカーやフットサルシューズみたいなインドアのゴムソールの靴でふつうにこげます。

ゴムブーツやハードソールのデッキシューズみたいなものはちょっと滑ります。つま先にちかいところをピンポイントに当てるようにすれば、そこそこ座りこぎ、立ちこぎできます。

うちのトレイル系クランクのRaceface AtlasとKONA HONZOのフレームとの相性はパーフェクトです。

トレイル!!
トレイル!!

サンダルの季節までこれで行きましょう。

こけよう、立ちごけをしよう

ビンディングペダルをつけたら、見切り発車で公道に行かず、河川敷や公園に行って、キャッチ&リリースの練習をしましょう、100回くらい。

で、芝生とか砂地とかで立ちごけをしましょう、3回くらい。

オトナになると、見栄をはって、かっこをつけて、失敗したがらなくなります。しかし、人は痛い目を見ないと、なかなか上達しません。おっさん、おばさんはなおさらです。

結局、ビンディングペダルを使うと、どこかで立ちごけをします。スキーやスノボで最初に習うのは正しいこけ方です。柔道では受け身です。