外置きの自転車の悩みはサビです。素材のむき出しのチェーン、ボルトは真っ先に錆びます。
外置き・野晒しの宿命を持つママチャリのチェーンとエンドはだいたいこんなふうになります。
また、ボルトのネジ穴はいちばんに錆びます。雨がここに溜まると、なかなか乾きません。
これは室内保管のマイチャリのボルトです。にわか雨の仕業です。
じゃあ、ここのサビはなかなか落ちません。トイレ洗剤のサンポールで落とせますが、必要なコーティングまで剥離しちゃいます。そして、この無地のボルトはより一層に錆びやすくなります。
ベストの解決策はチタンボルトです。チタンは常温で自然湿度でほぼ腐食しません。
これはマイクロスバイクのリアのVブレーキです。手前の青ピカがチタンボルトです。同時期に交換した奥のVブレーキのバナナはすでにサビサビですが、このチタンはぜんぜんへっちゃらです。
アルミは同様に錆びませんが、強度の不安を抱えます。ブレーキのワイヤーの留めに使うのは精神衛生的にNGです。
チタンの弱点は値段です。あと、色が限定的です。こういう青みのプリズムぽい色はありますが、きっかりの赤系、黄系は見あたりません。チタンの特性でしょうか?
素の色はやや黄色めのシルバーです。チタン色ですか。
で、今回、このチタンの実力を明らかにします。ボルトのサビ実験です。
ピュアウォーターでサビ実験
この実験のためにジャンク箱をがさがさして、各種のボルトを用意しました。
今大会の主役のチタイン・ボルト選手です。
つぎがアルミのアルマイトボルトコンビです。
三番手は鉄系の安ボルト兄弟です。左は安いハイテン、右はクロモリかステンでしょうか?
最後が無地じゃない鉄系ボルトです。
ついでに硬貨がゲスト参戦しました。1円=アルミ、5円=真鍮、10円=赤銅です。
左からチタン、アルミ、アルミ、鉄、鉄、鉄です。TAATTT、タトゥー!
サビの触媒です。ザ・北摂の天然の雨水。
外置き野晒しの条件に近づけます。これを霧吹きに注入して、出場選手たちにシュッシュします。ひまなときに加水しまして、サビの発生を見ましょう。
一週間後
で、一週間後です。さあ、サビはどうなる?
あれえ、変化がありません? 錆びやすい銅の10円玉さえが不変です。これは実験失敗だあ!
ここですこしげんなりしましたが、水をパワーアップさせて、再チャレンジします。天然水に塩を加えて、ドーピングしちゃいました、ぐへへへ!
これをシュポシュポ降り掛けて、アサガオの観察日記のようにいそいそと確認します。しかし、変化は訪れません。濃度が希薄だあ?
で、実験をあきらめて、すっかり忘れて、一ヶ月ほど放置しました。で、ひさびさにふと見ると・・・
サビた! サビッたよ! ワーイワーイ!!
10円玉はすっかり青銅化しましたね。もう立派なブロンズセイントです。5円玉にも青サビが出ました。ブーツの鳩目とか財布のボタンのふちに出来るのと同じものです。
チタンボルトは磐石です。新品のようにまっさらピカチュウです。むき出しアルミの1円、アルミ合金アルマイト処理のボルトはぜんぜんぴかぴかです。アルミ、アルミ合金の耐水、耐塩力は優秀です。
こちらは鉄系の着順です。鉄系の右端の長いのが大健闘です。これはステンレス型のやつでしょうか?
無地の安ボルト、ペイント黒ボルトはともにおじゃんです。塩が表面に吹いて、それが触媒になって、酸化がおうせいになって、サビが満開になります。
つまり、錆びにくさ=表面の汚れの付きにくさ、のような結果です。金属の表面に汚れが残ると、それが結晶の核、サビの種みたいになって、酸化がはかどるようですわ。
今回の入手アイテム
神錆びたる古鉄の螺旋 x 2 ☆
ボルト x 4
16円
でした。
おすすめの防錆オイルは大阪のしにせのグリス屋のAZのものです。
ホームセンターにはなっかなか見当たりません。KUREの防サビオイルや100円均一のはぜんぜんだめです。このAZ長期防錆が圧倒的にいちばんです。別に自転車専用じゃなくて汎用オイルですしね。