いろんな規格が混在する自転車パーツです。シートポストも例外ではありません。ちなみにシートポストというのはサドルの下の棒のことです。
この棒はシートピラーとも称されます。post=英国風表現、pillar=米国風表現です。いずれが『柱』を指します。
シートポストあれこれ
シートポストはサドルを固定するヤグラとフレームのシートチューブに差し込むポストからなります。
これはごくごくオーソドックなシートポストです。
サドルのレールに固定するヤグラです。これはボルト2本締めのタイプ。
1本締めより角度の融通がききます。ホームセンターのママチャリとかにはもっとごっついヤグラが付きます。
こちらは一般的なサドルの裏側です。
これはママチャリ・シティサイクル系のでかサドルタイプです。ここの形状はうん万円の高級サドルでも安サドルでも一緒です。
ただし、材質がカーボンだったり、チタンだったりします。安物はだいたいしょぼいスチールです。カーボン用はたしかちょい太めです。
シートポストにこんなふうに組み付けます。
サドル交換をしなくても、取り外し方を覚えれば、角度調節に役立ちます。
角度をうまく決めれば、安チャリの乗り心地をアップできます。ベスト角度を試行錯誤しましょう。
独自規格のI-BEAM
サドルとポストの規格にはI-BEAMという特別なものがあります。
これは専用ポストと専用サドルのニコイチアイテムです。上の一般的なサドルはI-BEAMポストに付きません。必ずサドルとシートポストをセットで使います。
ほかにはBMXのピボタルシートポストやメーカー独自の一体型ポストなどがあります。
注意点はシートポストの太さ
サドルとやぐらのセッティングはとくに難しいものではありません。ほとんどのチャリンコで共通です。
しかし、フレームとポストは違います。注意点はポストの太さです。これは車種や年式でばらばらです。おおまかなサイズ区分は
- 27.2mm=ロードバイク、クロスバイク
- 30.9mm 31.6mm 34.9mm=MTB
- てんでばらばら=ミニベロ、折り畳み
です。
ちなみに上記のルイガノのシートポストはミニベロのもので、30.4mmのマイナーサイズです。これはロードやママチャリのフレームには入りません。
より大きいMTB系のものには入ります。でも、0.5mmのクリアランスのおかげでゆるゆるになります。
シムを使う
サイズ違いのポストをフレームに固定するにはこんなものを使います。シートポストシム(アダプター)です。
『かませ』です。ゆるゆるのクリアランスをこれで補完します。
もちろん、フレームのシートチューブの内径とシートポストの外径でシムの厚さも変わります。これは30.4-27.2mmのシートポストシムです。
フレームのシートチューブの内径が定番でないと、このアダプター探しが一苦労です。
シートポストの計測にデジタルノギス
パッケージやカタログを見れば、シートポストの径を調べられます。が、より具体的な数値を見るにはデジタルノギスを使います。
ポストの外側はもちろんですし、チューブの内側はこのとおりです。
このチューブのカタログ値は30.4mmですが、実測はこうです。経年で削れたか?
シートチューブの0.1mmのギャップはけっこうな黄信号です。体重が掛かりますから。