ロードバイクホイールを通販で見ると、同じモデル名の別々のタイプを見かけます。クリンチャー、チューブラー、チューブレスです。型番にはCL、TU、TLで記載されます。
クリンチャーは一般的な空気チューブを使用するホイールです。クリンチャー=Clincher、釘の先を潰して鉤状にして留めるという意味です。ボクシングのクリンチとかに通じます。
タイヤをリムに『食いつかせて』or『引っ掛けて』or『かませて』使うホイールてことでしょう。かませホイール、ひっかけタイヤです。
左のチューブラーは完全密封の丸いタイヤにエアーを閉じ込めます。かませもひっかけもありません。まじめな完全主義者です。
ホイールには接着剤やセメントでぺたんと貼り付けます。タイヤパンク=ほぼ終了です。折り畳めませんし、修理できません。メンテ製は最悪です。
チューブレスはタイヤに直に空気を入れて使うシステムです。ホイールのリムとタイヤのビードを密着させて、擬似的な密封状態を作り出します。クリンチャーの進化系です。
自動車やオートバイのタイヤはほぼチューブレスです。グリップ、抵抗、軽さがチューブドクリンチャーより格段に上がります。
しかし、チューブレスのはめ込みはクリンチャーより面倒です。リムとビードはぎゅうぎゅうのぱっつんぱっつんです。でないと、エアがおもらししちゃいますので。
乗り心地は一般的にチューブラー > チューブレス > クリンチャーです。メンテナンスはクリンチャー > チューブレス >>> チューブラーです。
一般人は出先でトラぶっても、チームのアシストやMavicのお助けカーの援助を受けられません。予備タイヤ、予備チューブ、修理セット、携帯空気入れで対応できるクリンチャータイヤが圧倒的優勢です。
それでも、現場メンテのむずかしさは残ります。本番の緊急時のタイヤの手ごわさは通常の130%まで跳ね上がります。
折悪しく小雨がちらつき、日は傾いて、メンテがさらにはかどらない。一人では心細くなり、グループでは心苦しくなります。
チューブラーの活躍の場はレースかイベント、近場の周回練習とかでしょう。運用面のCONSがでかすぎて、機能のPROSがかすみます。結局、業務用機材です。
チューブレスホイールはクリンチャー互換
で、チューブレスホイールです。メンテナンス度はクリンチャーに負けますが、乗り心地は勝ちます。そして、チューブラーほどに神経質じゃない。
じゃあ、試しに使いたくなるのが人情でしょう。オプションとしての魅力はあります。
一応、チューブレス専用のホイールはありますが、とうにマイナーレアアイテムです。そもそもチューブをぶっこめば、むりくりクリンチャーにできます、ムリクリです。
逆にクリンチャー専用ホイールにがっちりテープを貼って、シーラントという簡易接着剤を入れると、むりくりチューブレスにできます、ムリチューです。
ようは空気圧を保てるか保てないかです。手段と信頼度を問わなければ、ある程度のDIY互換を出来ます。
2Way fitはカンパニョーロとフルクラムのチューブレス・クリンチャーのコンパチ規格のシリーズで両社の商標です。
シマノのSPDペダルみたいなもんで、チューブレス・クリンチャー互換の一般名詞になります。
で、この2Way Fitのホイールの基準は当然のごとくチューブレスです。チューブレスが前提です。クリンチャーはおまけだ。
2Way Fitのホイールのリムにはスポークの穴がありません。空気漏れを防ぐためです。また、リムのタイヤのビード受けのツメみたいな部分がチューブレス用の設計です。密着に有利な形状です。
反面、この工夫は取り外しに不利に働きます。クリンチャー専門のホイールよりタイヤ交換の手間が掛かります。それから、スポーク交換のメンテ度もクリンチャーホイールより下がります。
日常的にクリンチャーを使って、たまーにチューブレス化してみるという使い方はNGでしょう。2Way Fitのホイールはクリンチャー専用より割高です。
MTBはより軽さのメリットを受けられます。2インチの29erのチューブはだいたい200gです。前後で400g!
ぼくはすっかりTL派になって、ロード用を手組しました。
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