趣味を長く続けると、スペースの問題に直面します。とくにぼくの趣味の自転車は場所を食う。まあ、オートバイやクルマより全然コンパクトですが。
動画の収録や写真の撮影が絡むと、スペースの確保はさらなる難題になります。デスクワーク部屋の一角で行う収録はなかなかの重労働です。
で、中腰と乱雑なスタジオからの卒業をもくろみ、すこし予算を捻出して、生活拠点とは別の新しい部屋を借りました。撮影兼趣味の部屋です。
縦長の12畳くらいのリビングです。カメラを引きにできますから、広角で撮影できます。結果、長年の中腰スタイルから解放されました。
築50年ですが、鉄筋コンクリートで、フルリノベーションです。しかも、1階、オートロックなし、西向き、箕面の山のふもとetcetc…自転車と撮影に最適な環境です
この新スタジオにスタイリッシュな壁面収納を導入しましょう。ただし、賃貸物件にはピン、クギ、ネジを使えません。いや、使えますが、退去時に敷金をごっそりやられます。
そんなときにはネットの賃貸DIY情報が頼りです。空前の自作ブームでグッズも動画もデザイン案もてんこもりです。むしろ、絞り込むのが大変だ。
今回の自作ネタは基礎中の基礎、定番中の定番=突っ張り棒のセッティングです。
賃貸物件に突っ張り棒を設置しよう
ところで、賃貸物件には原状回復の義務があります。借り手は退去時に部屋を元通りにしなければなりません。
実家や持ち家の感覚で壁に押しピンを刺したり、フローリングに傷を付けたり、風呂場にカビを生やしたり、壁紙にポケモンシールを貼ったりすると、相応の実費負担を求められます。
そもそもこの新しい部屋の壁の下地はガチガチのコンクリートです。ピンが刺さりません。
反面、突っ張り棒の土台には最適です。長いのを使えば、鉄棒を作れます。そこにタイヤをぶらさげて、ブランコ代わりにするのがぼくの夢です、ウホウホ・・・いや、冗談ですよ?
そして、この隠れ家の近所に大きなコーナンがあります。さらにメガドン・キホーテとヤマダ電機とショッピングモールがあります。DIYにはベストの立地です。
天井を測定する
基本的に賃貸ルームの素の壁には加工を施せません。契約に特別の但し書きがなければ、壁紙などの瑕疵の修繕は乙=借り手の負担になります。
そこで昔のえらい人は仮の柱や梁や壁を設置して、そこに加工や処理を施すことを思いつきます。代表が突っ張り棒です。
最新鋭のグッズには『賃貸ルーム用のシェルター型防音ミニルーム』のようなえらいものが存在します。ルーム・イン・ルーム。音楽好きやDJやゲーマーに好評のようです。
ぼくはシンプルに突っ張り棒を立てて、そこに有孔ボードや棚板を貼りつけて、展示型の壁面収納を作ろうと思います。
で、手始めにアマゾンでこんなものを購入しました。
ドイツの電動工具の名門、Boschのレーザー測定器です。このzamoは恐らく3代目のzamoです。
上図のように端末の底面からレーザーの焦点までの距離がミリ単位でディスプレイに出ます。アナログなメジャーより正確です。
天井の高さや部屋の横幅を巻き尺で一人で測るのは大変です。ずぼらなO型のぼくの手際では絶対に2、3cmのずれが出る。
天井や壁面の正確なサイズ測定は非常に重要です。突っ張り棒は部屋に嵌め込む立体パズルのピースのようなものですから。
とくにぼくの展示物は割と思い自転車+ツールやアクセサリです。土台のしっかりさ、突っ張り棒のぴっちりさが肝心です。
天井を測るときには複数の個所を測りましょう。部屋の傾きを発見しても泣かない。
さいわいこの部屋の天井は232cm前後で一致しました。横幅は362cmです。適切な柱の数は4~5本でしょうか。
天井の強度チェック
突っ張り棒をぴっちり突っ張るためには床と天井の強度も重要です。和室はこの方式には向きません。畳は土台には柔すぎる。
ぼくの隠れ家の床はかっちかちのコンクリ+フロアタイルです。下側の強度は最高です。ついでに音が全く響きません。
問題は天井の強度です。
天井は木枠の構造+天板です。部屋の角は文句なしに高耐久ですが、その他の部分はまちまちです。天板のみの部分は明らかに強度不足です。
弱い面に突っ張り棒を立てるのは危険です。倒壊並びに天井破壊の可能性があります。事前に打音検査と指押し検査で天井の強度をチェックしましょう。
ラブリコと2×4材
天井の高さと強さをメモって、ホームセンタに向かいます。徒歩5分に二軒のコーナンはまじで便利です。
おあつらえむきに8フィートの2×4材が特売セールです。
1フィートは30.48cmですから、この特売品は243.84cmです。ディス・イズ・ベストサイズ! 購入が決定しました。しかし、徒歩の運搬には二本が限界です。
ところで、ホムセンで良い木材を見分ける簡単な方法があります。断面を見ます。
元の木の赤の部分は高密度になります。青はまあまあ、緑は×ですね。割れ、反り、断面を見れば、外れ木材を回避できます。お試しあれ。
突っ張り棒のヒット商品ラブリコ
木材コーナーがあるような大きなホームセンターにはDIYグッズコーナーがあります。製品とおしゃれなサンプル例が楽し気に並びます。
ディアウォールとラブリコとウォリストはこのコーナーの御三家です。どの使用例やレポートも豊富にありますが、ぼくのチョイスはラブリコです。
なぜならここの本社の平安伸銅工業株式会社が大阪の会社だから! なにわの企業応援キャンペーンの一環です。あと、女社長がべっぴんだ。
「ディアウォールの若井産業も大阪の会社やで」というお知らせをもらいました。たしかに岩井は東大阪の会社です。とにかく、なにわは突っ張り棒の聖地のようです。
で、ラブリコを買って、2×4材のカットを頼んで、てくてく帰還しました。
最強のラブリコアイアン
ラブリコです。
1×4のラブリコ、黒いラブリコ、強化型ラブリコなどなどの無数のシリーズの中でこのラブリコアイアンは屋外用の一品です。
中身です。
ノーマルラブリコはプラスチック製ですが、このラブリコアイアンは名前の通りに鉄製です。さらに金具は上部のみで、底面のパーツは滑り止めのパッドだけです。
個人的にラブリコアイアンのデザインがツボです。シリーズ内で屈指のしゅっとしたルックスです。これの前ではディアウォールとウォリストが少しやぼったく見えません?
ラブリコの取り付け
ラブリコ及び突っ張り棒製品の種類で木材の適切な長さが変わります。ノーマルラブリコ用は天井-95mmですが、ラブリコアイアン用は-75mmです。
ということで、購入後に232cmの天井に合わせて、コーナンのおじさんに224.5cmにカットを頼みました。LINEの登録で10カットまで無料で利用できます。
では、ラブリコアイアンと2×4材をドッキングします。ゴムハンマーとかを使って、きっちり嵌め込みましょう。
下穴を空けて、付属のネジで固定します。
底面の汚れなどを拭き取り、滑り止めのパッドを貼ります。
簡単ですね。ちなみにラブリコアイアン以外の屋内用シリーズは2パーツで、底面にも固定具が入ります。
突っ張り棒の設置
いよいよ突っ張り棒の設置です。やっぱし、最初の一本は角でしょう。
棒を必死にぐいぐい押して、天井側を壁に密接させました。はい、これは間違いですね。なぜなら床側はフローリングの下側のなぞの段差で壁とぴっちりに密接しないから。
ちなみにフローリングの下側のなぞの段差の名称は巾木(はばき)です。だいたい5mmくらいですね。この部分の役目は床と壁の繋ぎ目のカモフラージュと壁紙の養生です。
で、上図の取り付け方法では柱が微妙に傾いて、底面が滑ったり、棚板が歪んだりします。部屋の角や端に突っ張り棒を立てるときには巾木分のマージンを考慮しましょう。
まあ、この長さの2×4材はふつうにびよんびよん反りますが。
あと、ちゃんと締め付ける。締め付けをサボって、カメラアングルを変えようとしたら、悲劇に見舞われました。
ぎゃー! 床がちょっぴり傷ついたぞ! このことは大家さんにはナイショだぞ!
このラブリコアイアンのアジャスタはほかのシリーズのつまみ式と違って、棒式です。左回りで突っ張ります。
おかげで壁際では六角レンチが役立ちます。
とりあえず、二本分を立ててみました。
この間隔では有孔ボードや棚板のバックアップが少し厳しくなります。4本か5本が妥当でしょう。
木材の長さが適当であれば(天井の高さにバラツキがなければ)、位置の変更、付け替え、本数の増減は自由です。
近日中に有孔ボードと棚板を追加して、スタイリッシュな壁面収納を披露しようと思います。
あと、ディアウォールもラブリコもコーナン店頭よりアマゾンの方が割安です。
バイクハンガーで自転車を壁掛けにしてみました。→自転車室内保管 バイクハンガーで壁掛けディスプレーしてみる