自転車最大90%オフ ワイズアウトレット

出前館とUber Eats の比較 ぶっちゃけどっちが稼げる? メリットやデメリット

🥫 出前館vs Uber Eats🐸

というほどに事態は単純ではありません。現代はフードデリバリーの戦国時代です。毎月のように既存サービスのエリアが拡大し、新規アプリが参入します。

『出前』という言葉が疎遠になり、『ウーバー』という造語が身近になりました。

Uber Eatsの方から来ました
Uber Eatsの方から来ました

そんな時代に日本発の『出前館』は古き良き旧世紀の香りを漂わせます。社名で業務が一目瞭然だ。実際に同社はネット出前の中では最古参の20年選手です。

反対におしゃれな名前の外資系サービスはせいぜい数年来の新参者です。そもそも本業はアプリ屋であって、出前屋ではない。

とはいえ、国産の古参の出前屋と海外の新顔のアプリ屋のフードデリバリー国内市場のシェアはほぼ互角です。出前館とUber Eats が2トップです。

また、互いが互いの長所や特徴を参考にして、こまめなアップデートを行います。2020年にUber Eats は現金払い注文に対応して、出前館は業務委託の配達員募集を始めました。

出前館配達アプリのイメージ図
出前館配達アプリのイメージ図

結果、フードデリバリーの大枠は似たり寄ったりになりますが、細部は微妙に違います。そんな小さな部分の積み重ねで評価や印象が劇的に変わります。

ここでは出前館とUber Eats を比較して、報酬額の違いやメリット・デメリットを解説します。

出前館とUber Eats の比較

最初に二社の基本情報を表記します。以下が出前館の公式情報です。

サービス名出前館
母体LINE、ネイバー(韓)
国内運営株式会社出前館(旧夢の街創造委員会株式会社)
創業2000年3月
本社大阪府大阪市中央区久太郎町三丁目6番8号 御堂筋ダイワビル8階
東京都千代田区丸の内一丁目8番1号 丸の内トラストタワーN館11階
業務内容出前事業
仕入れ事業
通信販売
配達代行など
エリア全国
加盟店100000軒 ※2022年10月

同社は1999年生まれの大阪発の企業です。それから二十年を経て、LINEのバックアップを受け、実質的にNAVERの子会社になりました。

この経緯から出前館は間違いなくフードデリバリーの最古参企業ですし、地域密着の配達業者です。

出前館の拠点は主に雑居ビルの一階にひっそりとあります。下の写真はぼくが配達パートナーの登録に行った大阪の弁天町の出前館の拠点です。

出前館の拠点
出前館の拠点

一方の海外代表のUber Eats の基本情報はこちらです。

サービス名Uber Eats(ウーバーイーツ)
母体ウーバー・テクノロジーズ 米
国内運営Uber Japan
創業2009年
※Uber Eats は2014年~
本社カリフォルニア州 サンフランシスコマーケット・ストリート1455番
日本本社東京都渋谷区神宮前6-12-18
業務内容フードデリバリー
ライドシェア
エリア全国
加盟店300000軒 ※2022年4月

Uber Eats の母体はアメリカのUber Technologyです。メイン事業はライドシェアのUberです。その本質はグローバルIT企業です。

出前屋とアプリ屋

コロナで出前が爆伸び、配車がじり貧ですが、Uber社は本質的にライドシェアのアプリ屋です。出前館のようなローカルな配達業者ではありません。

現にアメリカ本国で出前館的なポジションにいるのはUber Eats でなく、DoorDash(ドアダッシュ)です。

グローバルな外資系のフードデリバリーの拠点は都心の好立地にあります。

Uber East 大阪センター復活!
Uber Eats 大阪センター復活!

外資系のセンターは一様におしゃれでスマートです。中でドリンクを飲めますし、お姉さんやお兄さんとお喋りできます。

以下は新旧のフードデリバリーのセンターの呼称です。

  • Uber Eats = パートナーセンター
  • DiDi Food = パートナーハブ
  • Foodpanda = サポートセンター
  • 出前館 = 拠点

出前館のネーミングセンスは非常にシンプルで和風です。

アプリは雲泥の差

スマホの有無はビジネスモデルをはっきり分けます。

  • スマホの登場以前からネット注文を始めた出前館
  • スマホ以降にマッチングアプリを始めたUber

出前館の創業時の携帯はガラケー、通信はADSLです。家の固定電話もまだ現役でした。

この名残で出前館のオーダーはブラウザ、アプリ、電話の混在です。一部の拠点ではFAX!!!の注文が通るとか通らないとか・・・

一方のUber Eats のオーダーは完全にネットオンリーです。創業時からスマホ(初代iPhoneの発売日は2007年1月9日)があります。

つまり、Uber利用=アプリ利用です。ブラウザ注文は少数派ですし、電話注文は不可です。FAX? なにそれ、うまいの?

そして、同社の配達用のドライバーアプリはGoogleストア及びappストアで1.4という驚異の点数を叩き出します。

出前館ドライバーアプリ
出前館ドライバーアプリ

大型アップデートの度に既存ユーザーの阿鼻叫喚が生じます。国内の古株の出前屋さんにGPS系アプリの開発は重荷のようです。

他方、Uberはそもそもアプリ屋です。グローバルなスマートなソフトウェアの開発を専門にしますし、それで急速に成長しました。

配達制度の比較

Uber Eats の規定では配達員と配達パートナーは似て非なるものです。このような記事でUber Eats の運び手を『配達員』と紹介すると、運営にツッコまれます。

「いやいや、あんさん、配達パートナーっでっせ」と。

従業員を想起させる『配達員』という表現がNGです。あと、”Uber Eats “のアルファベットの直後のスペースは半角でなければなりません。

海外企業は表現や表記にはなかなかシビアです。

逆に出前館の規定では『配達員』がOKで、『配達パートナー』がNGです。

「うちの業務提携は配達員やで。ウーバーとはちゃうねん」という対抗意識が見え隠れします。

配達員と配達パートナー

Uber Eats の運び手にUber社の従業員はいません。彼らはUberとゆるく業務提携する一介の事業者でしかない。あのバッグのロゴはただの目印です。

Uber Eats が『一件なんぼのお使いクエストをくれるギルド』であれば、配達パートナーは『流しのバウンティハンター』です。配達報酬は給料でなく、営業利益です。

反対に出前館の配達員は出前館の従業員です。出前館の赤い純正バッグは直雇用の運び手か特定の提携業者(ASAなど)にしか貸し出しされません。

出前館の純正バッグは従業員のあかし
出前館の純正バッグは従業員のあかし

従業員は流しのよそ者でなく、大事な身内です。給料を貰えますし、会社の福利厚生を受けられます。

反面、どんなにがんばっても、一日に2万も3万も稼げません。アルバイトですから。配達員の時給は1000円~1300円ですね。条件は出前館公式や求人サイトに普通に公開されます。

しかし、副業が解禁されたり、コロナで働き方が一変したりして、この方式が時代に合わなくなりました。単なるサービス業のバイトには人が集まりません。

で、2020年5月から出前館もようやく海外サービスと同様の業務委託の配達員の募集を始めました。

結果、ドライバーアプリのフィードバックもままならず、上記の1.4の点数が現在の評価となり、アップデートがなかなか捗りません。LINEがもう少しがんばれー。

ドライバーアプリは商売道具です。その使い勝手は仕事の能率に大きく影響します。

依然として業界標準はUberのドライバーアプリです。競合や後発はこれと徹底的に比較されます。

もっとも、業界標準の国内版Uberドライバーアプリさえがなぞのローカライズで海外版より明らかに劣化しますが。

出前館とUber Eats の配達報酬の比較

メシ配達ギルドと提携して、パートナーになると、依頼を受注できます。内容は『料理Aを加盟店Bで受け取り、注文者Cに届けろ!』です。竜退治やダンジョン探索はない。

このリアルお使いクエストの基本報酬は提携先や地域や登録車両で異なります。地域格差はわりと露骨です。東京近郊は高め、地方は低めですね。

Uber Eats の配達報酬と計算式

現システムでは料金の内訳が明かされませんが、Uber Eats の旧体系の配達報酬の明細はこんな感じでした。

エリア受け取り(ピック)受け渡し(ドロップ)距離1kmあたり手数料
東京265円125円60円10%
埼玉265円125円60円10%
千葉265円125円60円10%
神奈川250円120円60円10%
愛知以西の西日本エリア210円105円60円10%
コロナ以降の新規エリア(仮)210円105円60円10%

ザ・明朗会計です。

実際の明細です。

ウーバイーツ 一回の配達の儲け
ウーバイーツ 一回の配達の儲け

チップやブーストは追加報酬です。基本報酬は『料金』です。これは大阪エリアの配達ですから、

210+105+60×1.75=420円

となります。あれ、じゃあ、5円はどこから来た? 

10%の手数料は基本報酬から天引きされます。最終的な手取りが596円です。

以上のことからチップのありがたさとブーストのおいしさが身に沁みます。

Uber Eats の報酬額がスリコに

2021年3月に福岡と京都で激震が走りました。何の前触れなく一回の配達報酬が固定の300円に改悪! 

後日、これを基にした新料金体系が全国で始まりました。

  • 報酬の内訳が非公開に
  • 届け先が事前に判明

結果、一回の配達の報酬がやや下がり、手間が減りました。このアップデートは専業勢には不評、副業勢には好評です。

Uber Eats 新料金体系
Uber Eats 新料金体系

このような300円台の報酬はスリーコイン=スリコと言われます。

出前館の配達報酬

出前館の配達報酬はシンプルな固定制でした。

  • 関東:715円(税込)
  • 関東以外:660円(税込)

これが増額ブーストで1000円に化けます。フードデリバリーのバブル時代です。

その後、出前館の配達報酬も配達地域・配達距離・日時等に左右される変動制になりました。

2022年8月の実績ベースの報酬は550~2310円/1件です。下限が下がって、上限が上がった。

Uber Eats のコストコの配送などはまれに2000円を越えます。が、これはイレギュラーな件です。下限の方が一般ユーザーには参考になります。

全般的にフードデリバリーの配達報酬は下落気味です。

放任のUber Eats と過保護の出前館

Uber Eats の配達パートナーは実に気楽です。服装、時間、勤務先、誰もとやかく言いません。ド素人がアプリの指示で直感的に稼働できます。

さらにパートナーセンターの休業でUberの中の人との対面の機会が減りました。登録からバッグ購入までネットで完結します。

Uber Eats のロゴ入り純正バッグは人気ですが、これも必須ではありません。バッグは配達パートナーの規定にない。ほかのサービスのバッグや市販のものがOKです。

foodpandaのバッグ
かつて栄えたfoodpandaのバッグ

このおかげでハングリーな海外の方々が多く活躍します。日本人は雨の日に出て来ない・・・

出前館の業務提携の配達員はここまでフリーダムではありません。従業員雇用のテンプレートの使い回しがほのかに漂います。

まず、配達員登録の手順がなかなか煩雑です。ぼくが登録したときの手順はこうでした。

  • 研修動画
  • 自己採点チェック
  • WEB説明会
  • 拠点でレクチャー
  • 本登録

個人的に雑居ビルの薄暗い拠点の一角でレクチャーを受けるのに30分立ちっぱなしというのが痛い思い出です。椅子くらい出してよ・・・

それから、配達時の縛りもまあまあ多めです。以下は出前館の公式のQ&Aの一部です。

  • ひげを剃れ
  • 髪型を整えろ
  • 爪を切れ
  • 短パンを履くな
  • 黒系統のズボンを履け
  • サンダルを履くな
  • 指定の帽子を被れ
  • アプリのスクショの公開はダメ!
  • スマイル!
出前館の指定帽子
出前館の指定帽子

Uber Eats の気軽さに慣れると、このような旧態依然の規定には微妙な気持ちを抱かずにいられません。

まあ、この縛りの多さが報酬の高さの裏返しでしょう。この日本式テンプレートをストレスに感じない人には出前館の配達員はおすすめです。

出前館 vs Uber Eats のまとめ

出前館は日本発の出前サービス、Uber Eats はアメリカ発のライドシェアサービスのデリバリー部門です。

古株の国内企業らしく出前館の配達アプリの出来栄えは微妙です。業界標準はUberドライバーアプリです。

配達報酬は出前館 > Uber Eats です。もっとも、出前館の縛りの多さでUber Eats と同じ報酬しか貰えないなら、誰もやらないか・・・

Uber Eats
B4C