- 総合評価 4/5 ★★★★☆
- PUMAの格安軽量4Eシューズ
- 見た目はスマートだが、デザインは地味
通常のスニーカーやシューズの幅の狭さの先入観からしばらく手を出さなかったプーマの幅広モデルのエクスペダイトワイドNUを購入しました。
以下でこのシューズを詳しく説明します。
プーマエクスペダイトワイドNUの基本情報
PUMAはドイツのバイエルン州の大手スポーツアパレル企業です。
靴職人の家に生まれたダスラー兄弟の兄のルドルフが弟のアドルフと仲たがいして、この会社を創業しました。有名なエピソードです。
個人的にはプーマはウサイン・ボルトのシューズです。
ロンドン五輪の100m決勝の圧倒的パフォーマンスと勝利のポーズ、そして、プーマの金色のシューズは21世紀のスポーツ史の屈指の名場面ですね。
細身のプーマ
私の記憶と感覚ではプーマのスタンダードなスニーカーは細身のタイプに入ります。
シューズの印象は「細い、狭い、きつい!」です。サイズ感やフィット感はNIKEやコンバースに共通します。欧米人仕様で、標準的なアジア人にはタイトだ。
またサッカースパイクや短距離スパイクの印象はありますが、ランニングシューズやウォーキングスニーカーの印象はありません。
NIKE ZOOMやasics GT2000みたいな代表モデルがぱっと思い浮かびません。
スポーツデポの店頭のものを試着して「きつい! 細い!」と嘆いたのが私の最後のプーマの記憶です。
で、レビューのために改めてプーマの幅広甲高シューズを探すと、このPUMA EXPEDITE WIDE NU 4Eを見つけました。
読みは『プーマエクスペダイトワイドエヌユー』です。うーん、頭に入らない。
「プーマに4Eがあったか!」
これが率直な感想です。ぼくの中ではコンバースとプーマはとくに細身のイメージです。
そのため大型のスポーツショップに行っても、この二社のコーナーを何となくスルーしてしまいます。
NIKEもこの細身シューズの一派でしたが、最近の幅広モデルの展開で様変わりしました。ZOOM PEGASUS 4Eはこの二年のお気に入りシューズでしたし。
使用者の身体情報
このレビューの作成者はサイトの運営者のB4Cです。この足のサイズやワイズは以下の通りです。
性別 | 男性 |
体系 | 中肉中背 |
素足サイズ | 25.5cm |
スニーカーサイズ | 26.0-26.5cm |
素足幅 | 11cm |
スニーカー幅 | 4E |
土踏まず足囲 | 26cm |
母指球足囲 | 27cm |
典型的な幅広甲高です。このタイプの足のオーナーはプーマとコンバースには手を出しません。
アメリカブランドのファーストチョイスはNEW BALANCEでしょう。アシックス、ミズノは最後の切り札です。
プーマエクスペダイトワイドNUの特徴
このPUMA EXPEDITE WIDE NUはアマゾンなどの通販サイトには出てきますが、PUMAの公式サイトには出てきません。
正確なコンセプトは不明ですが、男女兼用のランニングシューズのようです。
モデル名 | PUMA EXPEDITE WIDE NU 4E |
定価 | 4720円 |
アッパー素材 | メッシュ、合皮 |
ソール素材 | EVA、ゴム底 |
用途 | ランニング、通勤通学 |
本格競技用長距離シューズではなく、スポーツスニーカー、スニーカー寄りのランニングシューズですね。
パーツ構成にとくに目新しいテクノロジーや素材はありません。
購入先はアマゾン、価格は3300円、サイズは26.0cm、ワイズは4E、カラーは黒です。幅広モデルのカラーバリエーションの少なさは悩みの種です。
安くて軽い
3Eや4Eの幅広シューズには共通のコンセプトがあります。タイプは快適クッション型、重量は重めです。
26~27cm、4Eの片足の実測はおおむね260~300gです。つまり、軽量高速フラットレーサーの対極にあります。
この事情を踏まえて、プーマエクスぺダイトワイド NUを軽量してみましょう。
26.0cm、4Eの片足分の実測重量が227gです。標準的なランニングシューズより2割、重めのものより3割ほど軽量です。この価格でこの軽さは驚きだ。
シューズの重量が300gを越えると、足の回転が悪くなります。現に340gのムーンスターの防水スニーカーではランニングが苦痛でした。
アッパーはジャストサイズ
いつも私は26.5cmを買いますが、購入者のレビューの「かなりゆったりめ」という文章を信じて、26.0cmを注文しました。
で、肝心のアッパーのサイズ感は私の素足にはジャストサイズです。きつくもなし、ゆるくもなし。
つまり、+厚手の靴下でややタイトになります。はい、26.5cmが正解でしたね。
デザインは凡庸です。メッシュの下地に合皮の補強。シームレスタイプのようにスマートではありません。
雰囲気がやや学校指定風になる。ここらはasics JOG 100 2に通じます。
甲の部分は柔軟で良く広がります。これはランニングシューズの特徴です。スニーカーやキャンパスシューズの生地はもっとハードです。
コンパクトな4EのNIKE REVOLUTION 5よりアッパーの幅はゆったりめです。ニューバランスかアシックスのランシューのようです。
とにかくぼくのプーマのイメージではない。
インソールは柔らかめ
基本的に安価なランニングシューズやインソールは無印のペラペラのウレタンの切れ端です。このパーツに予算は優先的に回りません。
ところが、PUMA EXPEDITE WIDE NUのインソールはこの価格帯では珍しい名称付きの中敷きです。”SOFTFOAM+”のプリントが見えます。
SoftFoam+: プーマ独自のクッションインソールで快適な着用感を提供
このSoftFoamがPUMAのランシューの最安モデルから採用されます。着用感はたしかにほかのメーカーの標準インソールより柔らかめです。
もっとも、このインソールは購入の決定打にはなりません。ぼくの中ではインソール・中敷きの優先順位は下の下です。
アッパーの容量を稼ぐためにしばしば抜いて使いますし。
ヒールはやや浅めで薄手
PUMA EXPEDITE WIDE NUのヒール部分はやや浅めです。構成はメッシュ下地+合皮カバーです。
硬さは十分ですが、生地は薄手です。このおかげでアッパーの見た目は内側の容量より細く見えます。あと後ろからのビジュアルが少し寂しげです。
そもそもこのシューズのアッパーの装飾はサイドのストライプとタンの部分のプーマの絵しかありません。”PUMA”のロゴがどこにもない!
このように細身のシルエット以外のビジュアルの加点ポイントがありません。質感も値段相応です。せめてヒールのところに”PUMA”があれば・・・
履き心地は柔らかめです。裏地の内張りがスポンジのような肌触りです。ふかふか。変な当たりや擦れはありません。
デメリットは通気性でしょうか。若干、靴の中が蒸れます。
固めのアウトソール
PUMA EXPEDITE WIDE NUのジャンルは定かではありませんが、アウトソールは完全にランニングシューズタイプです。
完全ワンピース型のフラットソールです。そして、ここに”PUMA”の良さげなロゴがあります。
なんでこれをインソールとアウトソールに配置して、アッパーに入れない?! 表より裏の方がクールに見えてしまう・・・
ヒール部分の小さな文字は”EverTrack”です。このテクノロジーもPUMAのランシューの標準装備です。まあ、ゴム底です。
御覧のように黒いアウトソールが白いミッドソールの全体をカバーします。質感は固めです。切れ目はありません。接地の感覚は「たったった」という感じです。
NIKE REVOLUTION 5のアウトソールが同じような一枚物のフラットソールですが、PUMAはより軽快です。シューズの重量差(293gと227g)もありますが。
グリップは低めです。ウェットコンディションには向きません。実際、雨の日のスーパーの床、マンホール、自転車のペダルがけっこうスリッピーでした。
PUMA EXPEDITE WIDE NUのまとめ
PUMA EXPEDITE WIDE NUの総評は『軽快な幅広甲高ランニングシューズ』です。片足の実測227gは最軽量クラスです。
これは重いモデルの-30%、標準モデルの-20%になります。接地の軽さを活かせば、中短距離に使えます。
アッパーの容量は標準的な4Eです。細身のシルエット以外のビジュアルの特色はありません。
見た目がやや地味で、学校指定風になります。街履きやデートにはすこし野暮ったく見えます。
5段階評価です。
- 価格:4
- ブランド:4
- デザイン:3
- 性能:4
- 機能:3
- 幅広甲高:4
- トータル:4
足を前に進めるような特別なテクノロジーはありませんが、シューズの軽さとアウトソールの適度な硬さがスピードに貢献します。走行性能は悪くありません。
サイズ感は標準的な4Eです。トレランのNB MT410や超快適なBROOKS GHOST 12ほどゆったりサイズではありません。
ただし、アマゾンの商品説明では男女兼用ですが、女子の足型にはやや幅広のようです。
PUMAの公式にはこの型番が見当たりません。後継・近似モデルは何でしょうね?