自転車は走ると汚れます。チェーン、プーリー、ベアリングはしつこい汚れの3トップです。
これは最強クラスの汚物です。肉抜きプーリーのへどろ。
オイル、グリス、ダスト、砂利、粒子、塵芥、なぞの毛などからなります。別名は『はなくそ』です。
なにかの拍子にこれが室内に落ちて、だれかが知らずにこれを踏むと、その汚れは足の裏や靴下にくっつき、黒い斑点が床のあちこちに広がります。やばい!
オフロードに付き物の泥汚れ
駆動系のハイブリッドな汚れは全ジャンルの自転車に共通します。オイルとグリスは勝手に黒ずむ。
つぎが雨天走行や雨上がりのよごれです。チェーンオイルは落ちる。タイヤは砂利を吸い上げ、ステーやケツをじゃりじゃりにします。
ぐぽー!
ことさらにロードバイク乗りは潔癖症で完全主義者だ。少々の汚れや傷を看過できない。雨は天敵です。
が、結局、オンロードの雨天走行のよごれは大したものではありません。アスファルト上のノイズはわりとマッシブです。ごまサイズ。道は溶けない、ぬかるまない。
オフロードの雨天や雨上がりはザ・ドロドロです。土がそこかしこにこびりつく。道はてろてろに溶けます。ちょっとしたカレーくらいの濃度がある。
そして、オフロードの水はけの悪さはアスファルトの比じゃありません。雨の日の翌日の山中はでろでろです。中二日の猶予が必要だ。
また、春先には頂上からの雪解け水がちろちろと流れます。林のくぼみは完全には乾ききらない。
で、圧倒的確率でこうなります。
ビボー!
ブロックタイヤが土を削って、もりもりベルトコンベアします。タイヤの側面もどっろどろだあ!
MTBerはおおらかです。多少のよごれやきずを気にしません。例えば、前段の雨上がりんロードくらいの汚れはOKです。
が、このドロドロはさすがにNGです。砂噛み、土嚙みはサスペンション系統によろしいもんじゃない。
この汚れは小手先のドライクリーニングでままなりません。丸洗いの水洗いがジャスティスです。
マウンテンバイク水洗い
さいわいうちの軒先には散水用のシャワーがあります・・・庭も車も植木もねーのに、なぜだ?!
最初にゆっくりの水で泥を落とします。ゆっくりがジャスティスです。
高圧洗浄やストレートタイプのきつい水流は水圧で泥や土をサスペンションのパッキンにねじ込んでしまいます。ために最初の泥落としにはゆっくりの水流がおすすめです。
シクロクロスにはサスペンションがありません。MTBより高圧洗浄フレンドリーです。ケルヒャーのやつでばしゃー!とやるのはCXの風物詩ですね。
- ベアリング部位
- サスペンション
- ドロッパーポスト
これらには高圧洗浄はNOTおすすめです。
泥は残る
オフロードの汚れはダーティな粘土です。粒子が非常に繊細だ。そこかしこにべちゃって貼り付きます。
ここで刷毛を使います。おすすめはやわらかい動物毛のタイプです。はたまた、スポンジです。
やはり、ゆっくりの水をたっぷり使って、細部の泥汚れをちゃぱちゃぱ落とします。
最初から乾いた泥を刷毛でごしごし落とそうとすると、砂利でフレームを傷つけちゃいます。
粘土は陶器やレンガの材料です。結局、硬さは岩だ。たいていの金属は擦れ負けします。カーボンももちろんです。
タイヤには固めブラシ
ところで、泥がいちばん残る部位は車体ではありません。それはタイヤです。
水で濡れると、地の黒さが勝って、汚れが見えなくなります。しかし、表面が乾くと、途端に付着物が浮き上がります。
固めのブラシでけっこうごしごし磨かないと、タイヤサイドの泥を落とせません。
あと、タイヤには余計な遠慮は無用です。もともとが消耗品ですし。
洗剤をぶっかける
おおまかに泥を落として、ようやく洗剤を使います。ちなみに水なしタイプの自転車用洗剤はこのクラスの汚れには無力です。
Muc-Offは高すぎる・・・てか、『自転車専用』の化学製品は全般的にファンタジックプライスです。そのくせ中身は自動車用や単車用と共通するとか、はあ?
家庭用洗剤をどばっと使いましょう。質より量だ!
ぼくはJOYを水で薄めて、霧吹きでしゅっしゅします。油汚れにも泥汚れにもJOYですよ。
実際、JOYは中性洗剤の中ではピカイチの洗浄力です。オイルは落ちすぎるから、チェーンの注油はセットですね。
で、刷毛でしゃぱしゃぱします。
ディスクブレーキパッドやローターに水はOKですね。水は常温で乾きますから。ただし、オイルやグリスは常温で蒸発しません。ながなが残る。これはアウトです。
だって、パッドに水がNGだったら、雨天走行がむりげーですやん。てか、最初にローターに水をかけて水研ぎして当たりを出しません?
洗車は故障の予防
洗車の利点はこればかりではありません。各部をきれいにすると、意想外のCONSをあぶりだせます。
リアサスの下側の固定ボルトが脱落の一歩手前でした。あぶねー!
ユニット周りのおそうじです。この機構はロードバイクスやハードテイルにはありません。フルサスだけのオンリーワンです。
アームの可動部分にはベアリングがあります。ベアリング=グリスです。さらにサスは油圧だ。で、この辺はけっこうべとべとします。
てことで、上みたいにひもを通して、糸ようじチックに汚れを取ります。
自転車洗車のいろは
ゆっくりの水をたっぷり使って、刷毛とブラシでちょこちょこして、洗剤できれいきれいします。で、乾かして布で拭く。
洗剤の専門性やクオリティはそう問題ではありません。量でかんたんに覆せる。二倍の量ぶっかけて、三倍こすれば、よゆうで勝てます。
水使えない人は素直にドライタイプの洗剤を使いましょう。ワコーズとかが定番です。