一般人のごくごく平均的な自転車の活用方法は移動手段です。日頃の足。駅前、コンビニ、スーパー、飲食店などのモヨリ系の場所への最速最楽最短の手段が自転車です。
自転車=町内移動システム
これらの実生活内のおなじみのスポットに『クルマ』で出かける人は地方住まいです。いなかの人は自転車にのりませんし、あるきません。100m先の自販機にさえクルマでぶーんとでかけます。
実際にうちのブログの地域別アクセスを見ても、地方の自転車活用度のひくさをうかがえます。リアルタイムのヒートマップは都市圏に集中します。近畿、関東、中部がHOTです。
うらはらに北陸、東北、山陰はかんこどりです。北海道は札幌に、九州は福岡に集中します。ここらには自転車ブランドのコンセプトストアや有名プロショップがあります。
つまり、国内の自転車の大半は都市部で稼働します。自転車=街乗り用移動システムです。都会こそはチャリのひのきぶたいです。
街乗りはテクニカル
日本の街、都市、都会の風景はにたりよったりです。電車があって、道路があって、建物があります。私鉄の終点にはでっかい繁華街があります。ザ・私鉄の車窓の風景です。
で、ここから街のセクションがおのずとパターン化します。
- 車多し
- 人多し
- 猫多し
- カラス多し
- チャリ多し
- 建物多し
- 信号多し
- 段差多し
- 道ややこし
- 見通し悪し
- アスファルト舗装
狂犬病と保安で野良犬はほぼ駆逐されますが、野良猫とカラスは勢力を日増しにつよめます。ニャー! カー!
スポーツバイク的観点ではこのようなセクションはテクニカルで神経質です。不特定要因がまんさいだ。ぶっちゃけサイクルフレンドリーじゃない。街は平日のサイクルロードや山中の対極です。
げんにぼくは北大阪住まいで、南大阪や奈良や和歌山へのアプローチには大阪市の中心部を縦断せねばなりませんが、そのはしりにくさにうんざりします。
感覚的にぼやーっと走れません。街乗りはテクニカルです。
街乗りベストはどの自転車?
さて、このテクニカルなセクションを攻略するさいてきの一台はどのような自転車でしょうか? 実用系のチャリンコやスポーツバイクをずらってならべて、それぞれのPROSとCONSをチェックします。
「すきなもんにのれ」
てのは街乗りへのぶじょくですし、こたえの放棄ですし、ネタ的におもしろいものじゃありません。しんけんにキング・オブ・街乗りチャリをえらびます。
カゴ付きのママチャリ
国内の自転車の覇者がママチャリです。
てか、スポーツ自転車をたしなまない人のチャリのイメージはほぼほぼママチャリやシティサイクルです。ジャンル的には日用品です。車輪付きのサンダルみたいなものです。
各種のモヨリ系のランドマークは生活圏内におさまります。自宅から1km以内です。私鉄の駅の区間がそれくらいですし、生活に必要な店舗がこの中にある。2km先はとなり町ですね。
まあ、ふつうの都会の健康な市民がてくてく歩ける範囲です。このゾーンでは走行性能や走破性はにのつぎです。手軽さこそは最大の武器だ。きらくに外置きできる1万のママチャリは最強の候補です。
実用車系チャリの欠点は重さとかさとやぼったさです。街のスポットはこみます。駅前、店、駐輪場はがちゃがちゃです。とくに駐輪場はけっこうな魔窟です。
最近のこのタイプのラックはわりにかっつかつです。カゴとリアキャリアがつっかえる。そして、上段のラックへの上げ下ろしが女子や非力ボーイにはハードです。
連日、卵を落として割っちゃう白昼の惨劇がここで多発します。ばんごはんはオムライスです。わーいわーい!
それから、ピュアなママチャリのルックスはファッション性をかきます。スーパーの駐輪場にマッチしますが、おしゃれなイタ飯屋やパン屋ののきさきには合いません。はしりを楽しめるチャリではない。
ロードレーサー
ロードレーサーは長距離高速型のスポーツバイクです。シャープなデザイン、軽量な車体、ドロップハンドルがはやさを約束します。
で、ロードと街はぜんぜんかみあいません。相性が最悪です。特徴と性能と本質が活きない。たからのもちぐされです。
街乗りのかなめはストップアンドゴー、低速、足つきです。テクニカルでコントローラブルだ。これはロードの苦手分野です。弱いブレーキ、狭いハンドル、高いサドルがことごとく裏目に出ます。
そして、このタイプのシンボリックアイコンのドロップハンドルは否応なく人目をひきます。いたずら、チャリパク、チャリぎらいのかっこうのターゲットです。
このタイプの自転車の持ち味は1kmのご町内ではぜんぜん出ません。街から街、エリアからエリアの空白地域が活躍の場です。街乗りロードはもちぐされのなまごろしです。
MTB
MTB、マウンテンバイクはオフロード用のスポーツバイクです。得意な場所は山です。
で、山は自然のテクニカルゾーン、街は人工のテクニカルゾーンです。乗り方の共通点はすくなくありません。小型のBMXにはストリートてジャンルがありますし。
オフロードバイクはバラエティにとみます。全部のオフロードがオールラウンダーではありません。ごっついいかつい下り系、グラヴィティ系のDHバイクやFRバイクは街乗りには向かない。
街中の段差はせいぜい30cmです。こんなサスペンションやタイヤは無用です。もっとも、こういうレース用の高級バイクはママチャリより軽量ですが。
前世紀末のMTBブームのけん引役はこの手のごっついバイクでして、自転車雑誌の巻頭はDHバイクでうめつくされ、100万クラスのレースモデルの街乗りがはやりました。
これは好景気のバブル時代のはなしです。見せびらかし、ドヤドヤ、いきり的な目的が大です。20世紀末の景気の後退でこの狂騒曲が終わって、ミニマルコンパクトな小径車、折り畳みブームが来ます。
また、オフロードジャンルの中のハードな競技のバイクのハンドルは70cmや80cmに達します。
世間的な認知度はいまいちですし、当のおまわりさんの認識すらがあやふやですけど、60cm以上の横幅の軽車両の歩道走行は原則的にNGです。
街乗りではたびたび歩道への移行を余儀なくされます。で、歩道上にはいろんなものがいきかいます。はばひろなハンドルバーはじゃまです。すりぬけがハードです。
サスなし、~60cmのハンドル、Vブレーキのレトロなマウンテンバイクは街乗り最強候補の一角です。
本流のオフロードシーンではすっかりすたれる26インチが個人的にいいかんじです。クロスバイクとかぶりますけど。
こういうやつです。
タイヤはロード系の大きな700Cサイズです。そのほかは30年前のマウンテンバイク系にそっくりです。
サスペンションは街中の段差の乗り降りには有用です。が、屋外駐輪のフォークのスプリングはどえらくさびます。
で、運用面ではサスなしのバイクの方がコンフォートです。
クロスバイク
クロスバイクは二昔前のMTBと一昔前のロードバイクの相の子のようなチャリです。スポーツとライフのクロスオーバーバイクです。使えて走れるセミスポーツ自転車だ。
スポーツ自転車ブランドのロゴ、ポップなカラーがそなわって、カゴ、キャリアが外れると、おしゃれ度が一気にはねあがります。
車体のベースは大昔のMTBです。そこそこのハンドルとブレーキが街乗りにはベストです。スタンド、固定錠をつけても、車体の本質をおおきく損ねません。実用車とスポーツ車のせっぱんですから。
積載力はママチャリにおとりますが、収納性はまさります。カゴのかさはけっこうなものです。こういうすきまにしゃっと止まれる。
欠点はフロント変速のわずらわしさと泥除けの不備です。クロスバイクの3×8の変速システムは30年前のMTBのものです。現代のチャリ事情ではやぼったさがつのります。
泥除けのなさは雨天走行にもろに出ます。かりに雨がどしゃって降っても、街中のアスファルトは30分でかわきますが、車道の路肩の亀裂やつなぎ目、草地には水がのこります。
フェンダーなしのバイクはちょとした水車です。とくにリアタイヤはスプラッシュマウンテンと化します。雨後にはけつびチャリダー、せなかびチャリダーがあちこちで誕生します。
ついでに縫い目ありのサドルは雨をしこたまに吸います。
全天型街乗り機にはシームレスサドルやメッシュサドルを使いましょう。この水気はなかなか抜けません。
電動アシスト
ママチャリ型の電動アシスト、スポーツバイク型の電動アシストは街乗りにはビミョーです。
電動のつよみは坂と加速です。でも、日本の都会=平地です。持ち味がいきません。
また、アシストユニットやバッテリーは防水ですが、野ざらし、雨ざらしは電子機器にはかんばしいものじゃない。
そして、車体がヘビー級です。段差の乗り降りで足回りの衝撃がでかくなります。あと、バッテリーの消耗と毎度の充電がめんどうです。
5kmオーバーのチャリ通、ちいさなこどもの二人載せ、そういうところがママチャリ型の使命です。これはげんみつな街乗りではない。国産のスポーツバイク型のE-bikeはまだまだ未完成です。
なにより価格がふところにヘビーです。
アーバンコミューター
アーバンコミューターはスポーティな都市型の通勤用の自転車の総称です。イマドキ・チャリ通・バイクて申せましょう。
旧来のチャリ通号は実用車ベースのやぼったいシティサイクルです。ベストセラーはブリジストンアルベルトです。ぼくも乗り回しました。
この分野のチャリ通号のうりもんくは高耐久、メンテフリー、安心安全です。価格はクロスバイクとどっこいですが、走行性能はママチャリ並みです。おもしろいチャリではない。
実際、これを自分用に買うのはまれです。入学のおいわい用商材ですね。中高生のじじばばが買います。ミニベロとかクロスバイクの発想はついぞ出ない。
で、アーバンコミューターはよりおしゃれなスポーティなチャリ通号です。
走行性、実用性、ファッション性を高次元でまとめます。このジャンルはチャリ好きのこころをひきつけられます。レトロモダン。うーん、しゃれおつ。パン屋めぐり、カフェ行脚がはかどります。
ネックは価格くらいでしょう。同系統のアクセサリ、こじゃれバック、こじゃれベル、こじゃれスタンドはそこそこします。
ミニベロ
24インチ以下のホイールの自転車が小径車です。ジュニア用、一部の24インチママチャリはここに含まれません。スタンダードは20インチです。
コンパクトなフレームと小さなホイールが問答無用でキュートです。実用性、走行性、いずれをアップデートしても、ジャンルの本質をそこねません。根がホビー向けのぜいたく嗜好バイクです。
片持ちのおしゃれな泥除けとちっこいアルミのバスケットがすてきです。これは通のカスタムですよ。
歩道の段差や路面の亀裂はすこし苦手ですが、小回りと収納は得意中の得意です。商店街をとおっても、周囲に威圧感をあたえませんし、めざとくみとがめられません。
街中でスポーツバイクに乗るのは気にしいの人にはそこそこのプレッシャーです。依然として日本の都会はそんなにスポーツバイクフレンドリーではありませんから。
折り畳み自転車は室内と輪行には有利ですが、街中ではその機能をぞんぶんに発揮できません。ブロンプトンみたいな折り畳みドヤドヤスタイルはありますけど、ははは。
ミニベロのが上です。
街乗り最強は?
まっさきにはずれるのはピュアロードとピュアMTBです。これらは競技用機材です。汎用性や実用性は二の次です。街ドヤはミニマル指向な現代日本にはちとアレです。悪趣味。ぜいたくは敵です。
つぎが電動です。ママチャリ型は原付の代用、スポーツ型は未成熟です。電子ユニットののざらしが精神衛生的にかんばしくない。
- ママチャリ
- ハードテイル
- クロスバイク
- アーバンコミューター
- ミニベロ
おしゃれさの欠如とちんぷさからママチャリを外しましょう。26インチのオールドなハードテイルとクロスバイクはかぶります。統合。
クロスバイク、アーバン、ミニベロのみつどもえです。アーバンのディスクブレーキの整備と価格が初心者にはやや痛手です。これが脱落します。
クロスバイクとミニベロは五分五分です。甲乙つけがたし。
そんなときにはトレンドでみましょう。クロスバイク界は平穏です。この分野には特段のムーブメントはありません。無風。
小径界には14インチの折り畳みブームの風がふきます。カーボンの市販品がすこし出回ります。BMXは東京オリンピックの正式種目ですし、有望な日本人ライダーがいます。
クロスバイクブームのきざしはぜんぜんありませんが、ミニベロブームのきざしはほんのすこしあります。二回目のブームが来るか?!
そんなわけでミニベロが街乗り最強自転車2018-2019の栄冠を手にしました。
何気にこの野良のGIANT IDIOM2カスタムは最強ですねー。これは良いチャリだ。キャリパーブレーキとカラーだけがたまにきずです。これのシックなベージュバージョンをくれ~。