ペダル、サドル、ハンドル、ブレーキ、タイヤ…門外漢や初心者がかくじつに答えられる自転車のパーツ、部位部品、個別の名称です。
DIYに手を出すと、BB、ハブ、スプロケット、ヘッドパーツetcetcみたいな独特の機材に詳しくなれます。ことさらにBB、ボトムブラケットが勝負の分け目です。
で、自分でいじるにしても、店に持ち込むにしても、パーツの部位や名称を知らないと、円滑にことを運べません。
「ここの棒みたいなところの調子がへんです」
これで真意を察知できる店員は超級のエスパーです。自転車のパーツは棒と筒だらけですから。
フレーム、ホイール、ドライブ、フィニッシュ
自転車パーツのおおまかな区分は4つです。フレーム、ホイール、ドライブ、仕上げ小物。完成車のカタログを見ると、たいていこの四つの項目を発見できます。
典型的なロードバイクを例にしましょう。
- フレーム:本体、枠組み
- ホイール:足まわり
- ドライブ:変速駆動系
- フィニッシュ:仕上げ小物
フレームが自転車の本体です。車体識別番号、防犯登録はフレームに依存します。
そのほかのホイールやドライブの交換は『パーツ交換』ですが、フレームの交換は『車体乗り換え』になります。
ドライブトレインは変速駆動系です。ぎざぎざのメカっぽいところはだいたいこの分類です。ぞくに『コンポ』はこれらを指します。ブレーキもこの仲間です。
ホイールはそのまんまです。
フィニッシュ、フィニッシング、仕上げ小物はハンドル、サドル、ペダルなどの総称です。乗り手が触れる部分、サイズやフィーリングに影響を与えるところがこれです。
自転車はこの4系統の大枠からなり、4系統はさらに細かく分岐します。
フレームの各部の名称
最初に自転車の骨格=フレームをこまかく見ていきましょう。
- フォーク
- ヘッドチューブ
- ヘッドパーツ/ヘッドセット
- フォークコラム
- ダウンチューブ
- トップチューブ
- BBシェル/BBハンガー
- シートチューブ
- シートポスト/シートピラー
- ヤグラ
- チェーンステー
- シートステー
- フレームエンド
ロードバイクのフォークはフレームの付属品です。パッケージの一角です。
MTBのサスペンションフォークは別です。フレームセットには含まれません。競技用のサスペンションフォークは単品で10万オーバーの高級品です。
クロスバイクや小径車のフレーム売りはメジャーではありません。が、フォークはだいたいバンドルします。
トップチューブ、シートチューブて『チューブ』の頻出のとおりにフレームは管状、筒状、パイプの集合体です。
フォークとフレームの末端のツメの部分がエンドです。後述のホイールのハブを受けます。
古典的なロードバイクのエンドはストレートドロップエンドです。
フォークのエンド幅は100mm、フレームのエンド幅は130mmです。
現代的なディスクブレーキのロード(スルーアクスル142)や古いモデル(126mm)はこの限りでありません。
そのほか、シートポストを固定するクランプ、ヘッドパーツのあそびを埋めるスペーサーなどの小物があります。
ホイールの各部の名称
フレームのつぎの大物がホイールです。
- タイヤ
- リム
- スポーク
- ハブ
- スポークニップル
- バルブ
基本的にタイヤは別売りです。フランスの人気ホイール屋のマビック社のホイールセットはタイヤ付きですが、これは例外的な販売スタイルです。
上図の4番の中心軸のハブはさらに細かくばらけます。回転を担うベアリング、ギアの台座になるフリーボディ、エンドキャップ、ハブシャフトなど。
ここをいじりはじめると、どつぼにはまります。初心者はむやみに触らない。不用意にどこそこを開けると、高確率でなんらかのグロい風景をおがめます。
げは!
ドライブトレインの名称
おつぎはドライブトレインです。メカっぽい見た目のままに構成が複雑で難解です。
- スプロケット/カセット
- ブレーキキャリパー
- デュアルコントロールレバー
- クランク
- リアディレイラー
- フロントディレイラー
チェーンとBBはここに入ります。
これらの細部を一から十まで上げるのは煩雑です。各部の個別のカスタムやメンテでよく上がるところを部分的にピックアップします。
リアディレイラー周辺の細部はわりとよく話題にでます。
- ディレイラーハンガー
- シフターケーブル
- アジャスタ
- ケージ/ガイドプレート
- プーリー
1のディレイラーハンガーはフレームの付属品です。3のアジャスタの有無はモデルによります。ロードタイプのディレイラーにはだいたい付きます。
5のプーリーはニコイチのパーツです。下がテンションプーリー、上がガイドプーリー(メカの陰にある)です。最近のShimanoやSRAMのメカの上下プーリーはそれぞれ別物です。
ブレーキの細部に参りましょう。参考図のブレーキはダイレクトマウントタイプですが、キャリパーブレーキ、Vブレーキもにたりよったりです。
- アジャスタ
- ブレーキキャリパー/ブレーキ本体
- クイック
- ブレーキパッド
- フネ
パッド系の別名が『カートリッジ』とか『シュー』とかです。
もちろん、ディスクブレーキにはこのゴムゴムパッドがありません。この部品はリムブレーキ用の自転車にしか使われません。
DBのパッドです。
チェーンリングです。これはロードバイク用のダブルです。2×11=フロントギア2、リアギア11を意味します。大きい外のものがアウターリング、小さい内のものがインナーリングです。
デュアルレバーのブラケットフードです。これをべろってめくりあげると、ケーブル類の通り道をおがめます。
仕上げ小物
最後がそのほかの仕上げ小物です。超メジャーなサドル、ペダル、ハンドル、グリップがここに属します。
『ステム』が比較的にマイナー選手です。stem=幹です。ハンドルとフォークコラムをつなぐ連結具です。
はい、おなじみの眺めですね。このビジュアルは自転車乗りのコンソールのようなものです。ステムは乗り手の目にもっとも近いパーツです。
が、知名度はマイナーです。ためしに不案内な家族や友人にこのパーツの名前を聞いてみましょう。98.5%の確率で『棒』とか『棒みたいなやつ』て回答を得られます。棒の万能性に拍手を!
最近のエアロロードバイクのこの部分はハンドルと一体化します。
でこぼこが減って、空力性能が上がります。しかし、リーチが完璧に固定されてしまいます。のちのちの調整が不可です。そして、形状が『棒』じゃない! これはもう『板』や!
このタイプを買うなら、サイズを吟味しましょう。
ドロップハンドルの仕上げ小物中の仕上げ小物がバーテープです。これの巻き巻きがオーバーホールやバラ組の文字通りの最後の仕上げになります。
ベル、スタンド、ライトは『アクセサリ』
しばしば仕上げ小物パーツと混同されるのがアクセサリ類です。具体的にはベル、スタンド、キャリア、カゴ、泥除け、ライト、サイクルコンピューター、鍵、バッグetcです。
これらは狭義の『パーツ』には含まれません。通販やカタログでは『アクセサリ』に振り分けられます。
以上、自転車のパーツの名称でした。