199X年、前世紀末の真夏の最高気温は30度前半です。32度であべしとなり、35度でひでぶしました。
2010年以降の真夏の最高気温は30度後半です。35度はふつうです。これに至らない年はもう冷夏です。ピークの屋外は体温をしばしば越えます。37、38度。
ちなみにうちの地元の北大阪では数年前に過去最高の40度(豊中市)を達成しました。2020年はそのレベルに近づきます。日差しは例年より強烈です。長い梅雨明けから体温越えのフィーバーが連発します。
個人的には深夜の最低気温が28度くらいから下がらないのがハードです。シンプルに寝れん!
りっぱな熱帯国、日本
ロードレースの本格シーズンは夏です。グランツールのジロデイタリア、ツールドフランス、ブエルタアエスパーニャは6-9月に開催されます。ロードはサマースポーツです。
が、しかし、これはからっとしたヨーロッパの夏のはなしです。じめっとしたアジアの夏はサイクリングにベストな時期ではありません。
たとえば、英国の夏用の植物を無造作に日本で育てると、モリモリマシマシで庭をジャングルにできちゃいます。ガーデニングあるあるです。
オフロードもにたりよったりです。日本の夏の山は虫と木と草の楽園です。河川敷の道端のくさむらさえがちょっとしたジャングルです。草ボーボー。年々、みちばたの草木のはみ出し方がひどくなります。
35度が冷夏、38度がふつう、42度が猛暑・・・夢物語ではありません。行楽シーズンがますます短くなります。
以前から雨の日、風の日、雪の日はノーサイクリングデーですけど、この2010年代後半には晴れの日さえが無条件のチャリ日和ではない。35度越えの熱の日はノーチャリ、ノースポーツデーです。
早朝深夜はぎりセーフ
ヨーロッパの真夏はレースシーズンです。うみのむこうのあこがれのトップレーサーの活躍がリアルタイムで極東の島国にまで届きます。
で、蹴球小僧はワールドカップを見れば球蹴りしたくなりますし、自転車好きはツールを見ればチャリダーしたくなります。
プレシーズンの6、7月が梅雨です。これをスルーして、さらに真夏の8、9月をむざむざ見逃すと、3-4か月の活動休止をくらいます。
そして、晴れの日に走りに行かないと、心のなかのスポーツマンシップが軟弱な精神をとがめます。罪悪感、うしろめたさがほんのりとただよいます。
「高校球児はあっつい中で激闘を繰り広げるぞ!」
て、なぜか比較対象が高校球児です。30代以上の運動部経験者はこういう体育会系の根性論からなかなか卒業できません。がまんとむりが名誉です。部活ノリは永遠に不滅だ!
しかし、大半のサイクリストはぴっちぴちの十代ではありません。サイクリングの愛好者のボリュームゾーンは20-40代です。旧世紀のミズノムナ系の部活ノリで行くと力尽きてしまいます。
暑さのピークは午後2-4時です。熱気は深夜まで続いて、明け方にようやく和らぎます。逆ピークは午前2-4時です。
草木も眠るうしみつどきはあれですから、ようよう白くなりゆく午前4-6時ごろがおすすめです。
結局、この時間に未知の土地をうろちょろしても、おもしろい店にはありつけません。マイコースをさくっと走って、7時前に戻って、シャワー&朝飯をします。
38度の炎天下に12時間迷走
で、前段の写真の時間帯はそのカイテキな午後5時です。て、やはり、道端の草は異常にボーボーですね、ははは。
しかしながら、チャリの装備は早朝サイクリングのものではありません。シートマット、ソロテント、リュックのザ・バイクパッキングモードです。
- 車体10kg
- ハンドルの積み荷3.5kg
- リュック6.5kg
です。リュックがポイントです。通気性ゼロの普段使いのふつリュックです。過酷な夏の一日をさらに劣悪に過ごせます。
て、連日の暑さで脳みそをやられたぼくはドラゴンボールの導きに従って、この予想最高気温38度の一日に天橋立への一泊遠征を思い立ち、朝の五時半にこの装備でおうちからスタートしました。
が、大阪-天橋立サイクリングの定番ルートの173号線をえっちらおっちら行きますと、なかばで通行止めにでくわします。
あちゃー!! 今回の豪雨と地震の影響ではありません。平成29年秋の台風が原因です。※旧道はOKのようです from 通りすがりのおまわりポリスさん。
おかげで丹波篠山へのルート変更を余儀なくされます。予定外の遠回りと夏の暑さに出足をくじかれました。
で、気分と体力と相談して、篠山市内中心部でそうそうにバイクパッキングを諦めます。篠山城を見て、三田経由でおうちへ戻ります。泊りで行ってしまうと、明日もこの調子になりますし。
ほんで本丸がなかった・・・城かと思たら城跡やった・・・
結果的にこれが38度の超酷暑の真夏の炎天下の130kmオーバーの12時間サイクリングとなりました。かるい人体実験です、ははは。
この実践から真夏の昼時のサイクリングの注意点や体調の変化、休憩や補給のTIPSをピックアップしましょう。チャリンコブロガーはただでは転びません。失敗ライドもネタになります。
山は涼しくない
単純計算で気温は1000mごとに6度下がります。2000mクラスのヒルクライムをすれば、-12度の天然のクーラーをあじわえます。
が、日差しはぎゃんぎゃんに当たります。実際の温度は高く出ます。そもそも38-12=26度です。そんなに涼しくない!
今回のルートの最高標高は450mほどです。丹波の杉生てところです。高度による気温の低下は3度弱です。じゃあ、日中の外気は30度を下回りません。
日陰、下り、川沿いの三要素が重なれば、さすがに暑さはやわらぎます。が、そのまえの上り坂がMTBタイヤには超ハードです。積み荷で立ちこぎがたいへんです。きっつい!!
トンネルは涼しい
トンネルは自転車には鬼門です。暗い、狭い、車多いの三重苦がつきまといます。一庫ダムから能勢町まではトンネル三昧でした。
が、防熱効果は完璧です。熱気と紫外線はここには及びません。ぶあつい土とコンクリの壁が暑さをシャットアウトします。トンネルの中は非常にかいてきです。
そこへ大型車両がドドドド!と通れば、一服の清涼感が寒気に進化して、心臓とのどがギュッとなります。キモダメシ。
ダムは暑い
ダムはムダです、暑さ対策には。夏場の水辺は看板倒れです。むしろ、海岸、河原、港、ダムは猛暑ポイントです。
ダムのようなだだっぴろいところには日影がありません。そして、水面の日光の反射がじりじりを増強します。とろ火焼きタイムです。
さらにダムの汚い水には清涼感がぜんぜんありません。この日の一庫ダムの水辺はごみだらけでした。夏場のダムライドはおもしろいもんじゃない。ダムムダ、ムダダムです。
スーパーで休む
一般のサイクリストはコンビニ派でしょうが、ぼくはスーパーマーケット派です。
理由は商品の安さと休憩コーナーの広さです。コンビニの金額で飲み物をちくいち買い足すと、ドリンク代に1000円~をうばわれます。
個人的に500mlペットに100円はありえない!
そして、郊外型の大きいスーパーの店内の窓際には備え付けの休憩ゾーンがあります。で、その前がだいたい駐輪場です。ガラス越しにチャリを見ながら、ゆっくり休めます。
コンビニに行くと、その手軽さから習慣的に休憩を早めに切り上げちゃいます。手狭な店内の休憩コーナーでそうそう長居できませんし。結果、身体が冷え切りません。
夏場の休憩にはスーパーがおすすめです。
ドリンクは容量より温度
今回の真夏のサイクリングの飲み物を決算しましょう。
- 水1000ml
- 氷1500ml
- ポカリ500ml
- アクエリ500ml
- オレンジジュース300ml
- コーヒー牛乳300ml
- ポカリ500ml
- 凍らせたTropicana 350ml
- ペプシ500ml缶
- 飲むヨーグルト200ml
えー、3以下の現地調達品の総額はしめて935円です。まあまあ使ったなぁ! 1と2は持参品です。氷は飲む用&冷やす用です。きんきんに凍らせても、昼までしか持ちませんけど。
正味の吸水はざっと5000ml、5リッターです。帰宅後の体重計測はほぼイーブンパーでした。道中のトイレはたったの3回です。小2回、おなかピーピー1回です。発汗のヤバさが知れます。
自販機購入はペプシお徳用500ml缶だけです。ほかはスーパーの売り物です。長い休憩は一回です。
ところで、スーパーのドリンクの冷えはまちまちです。500mlペットのそれはあからさまです。ハズレはほぼ常温です。上のポカリとアクエリはまあまあです。
樹脂のペットボトル入りのドリンクの冷えはいまいちよくわかりません。この点、缶入り飲料の方が明確です。
ぬるいドリンクは水分補給と体温調節には役立ちません。吸収率がもろに悪くなります。理想の温度は7度以下です。
8のキンキンのTropicanaは非常に効果的でした。首や腕に当てて、熱を取りながら、シャーベットを楽しめます。しかも、がぶ飲みできませんから、てきせつなペースで水分を補給できます。
5、6のコーヒー牛乳とオレンジジュースはちょっと失敗です。このちゃんぽんでおなかがすこし緩くなりました。おそらく糖分過多です。
水浴びは◎
上記の飲み物リスト5、6、7の頃合いが時間的には暑さのピークです。午後2-3時。通りすがりの電光掲示板に『37度』の表記が見えました。げんなりです。路面温度はもっと上です。
外気が体温を超えると、しんどさがあきらかにパワーアップします。35度と37度は別物です。前者はハードモード、後者はサバイバルモードです、まじで。
どこぞの黒い仮面ライダーは太陽の力でパワーアップしますけど、ちまたの素面ライダーはへとへとにばてます。ぼくらの腹部にはキングストーンがありません。
経口摂取では水分補給は間に合いますが、体温調整が間に合いません。結果、がぶ飲みオーバードリンクが発動して、おなかがピーピーエイドになります。
しかも、この日のぼくの装備はヘビー級です。リュックが排熱をさまたげます。背中が志々雄真実みたいにオーバーヒートします。
液体は気化して熱を奪います。気化冷凍法です。気化しない水分は生ぬるいビチョビチョの膜です。むしろ、熱を逃しません。
ぼくはなかばヤケクソにリュックをかつぎますけど、よその人にはぜんぜんおすすめしません。キャリアかパニエかビッグサドルをつけましょう。
一方でそれを補うために氷水をちょくちょく身体に降り注いで、山中の水辺ではざぶざぶ水浴びします。
冷やす場所は靴、首、顔、頭です。ことさらに首冷やしは効果的です。背中の排熱ポイントがここだけですし。
日焼け対策
ぼくはぜんぜん日焼け対策をしません。夏場の格好は昔から半そでTシャツです。前職は肉体労働でしたし。
で、夏場には腕がこうなります。
炎天下の10時間目のおはだのコンディションです。野ざらしの部分はもとからこげ茶ですが、この日のサイクリングでほんのりと赤らみます。松崎しげるです。
袖の部分とのコントラストがくっきりです。これはそこそこ女子に受けます。ちらリズム大作戦と称して、飲み会などでたまに使います、ははは。
が、ふつうの会社勤めの男子や女子が過度に松崎化するのはかんばしいもんじゃありません。会社は学校の延長です。日焼け、ひげ、タトゥーがファッションとして認められません。ザ・不良です。
「スポーツタイプを2時間置きに」が夏場のアウトドアの日焼け止めの常套的な使用方法です。
うーん、ひと夏の日焼け止め代とドリンク代でママチャリを買えてしまいそう、ははは。が、背に腹です。