ぼくのちょい乗り用のサブ機は改造ママチャリです。2017年9月にジャンクパーツ、おさがり、中古、セール品を寄せ集めて、ぱぱっとバラ完しました。
実費は約4万円です。Micheのトラックホイールとクランク、Surlyのクロモリフォークが大半を持っていきます。本体のパナのアルミフレームは980円です、ははは。
ハンドルバーに異変
で、シートポスト、シートクランプ、ステム、ハンドルなどなどは先代の愛機のミニベロ号のおさがりです。
クランプとステムは北米系のCNCブランドのもので、ポストとハンドルはザ・格安中華カーボンです。クランプ径はそれぞれ27.2mmと25.4mmです。
これがめでたくこうなりました。
一見に異常はありません。減点対象はブレーキレバーのボルトの赤サビとステムの小ガリくらいです。この視点から異変に気付くのはかんたんじゃありません。
クラック発見!
で、なんかの折に車体の正面の画を取ろうと思って、スマホのピントを合わせて気づきます。
オー、クラッキング!
バリスティックカーボンはキャノンデールのおはこですが、こいつはばり誰得のバリクラックカーボンじゃありませんけ、はぴー?!
ハンドルに体重をかけて、コンディションを見ます。一撃では折れませんし、いやな手応えを感じません。が、傷口をひっかくと、パリパリのクロワッサンみたいに崩せます。
見て見ぬふりをしよう・・・かて思いましたが、もやもや感にいたたまれず、ぱかっとふたを開きます。
はい、だめでした、うえーん。クランプ部分の下側の繊維の方向にきれいな亀裂が走ります。まるで割りばしのようだ!
応急処置で接着剤と絶縁テープで補強しました。予備のハンドルはありますが、31.8mmステム用です。このBlackspireのごついやつには着きません。
この機にカーボンパーツの破損の原因をさぐりましょう。
カーボンパーツの破損の原因
このカーボンライザーバーハンドルはぼくの自転車カスタムヒストリーでは初期のアイテムになります。
念願の初中華カーボンが451DBホイール用のカーボンフォークです。このハンドルバーは二つめか三つめです。
二つ目の中華カーボン by B4C
調達先のAliExpressのオーダーの履歴からアイテムの詳細が分かります。注文日が2016年3月10日で、価格が23.48ドルです。じゃあ、2500円/2年です。
CONSは仕上げのカーボンシートのずれくらいです。実測の重量は110gです、クランプ径、グリップ径はきっちり、振動吸収性はそこそこです。
このライズのカーボンライザーバーは有名ブランドのリストにはありません。旧型のEASTONのモンキーとかがそうです。
イマドキのMTBのライザーバーは70cmオーバーです。街乗りのミニベロにはおおげさです。新品の高いハンドルを速攻でカットするのはあれですし。
むりなハンドルバーカット
ところで、このカーボンハンドルバーはカット済みです。軽量化熱の発作にやられて、エンドをすこし切っちゃいました、禁断のダイソーパイプカッターで。
じゃあ、みごとに剥離が起きました。
カーボンパーツをカットするなら、ソーガイドと細い目ののこぎりを使って、じみちにギコギコやりましょう。
パイプカッターはNGです。100%でこうなります。
チューブの内側の最終のカーボンシートの層が圧に負けてはがれます。まちがいなくこのテキトーカスタムはパーツの寿命をちぢめました。
この写真の日付が2017年2月です。このあとでミニベロがサブに降格して、室内保管から屋外駐輪のうきめに合います。
雨がだめ?
カーボンパーツの弱点は熱と圧です。ブレーキの摩擦熱でたっかいホイールを熱変形させてしまう人は少なくありません。長いダウンヒルはカボクリユーザーの頭痛の種です。
対照的に鉄は熱や圧には無類の強みを発揮しますが、水気にはてきめんにやられます。鉄ボルトのサビやすさは異常です。
で、カーボンの耐水性はふつうです。が、きれつに水がしみこめば、その部分はふくらみますし、乾燥するとちぢみます。セーターもカーボンも繊維ですし。
寒さで湿気が凍結した?
これの繰り返しはダメージになります。さらに寒さがここに加わると、凍結→体積増大→内圧上昇のコンボで弱い部分が破損します。水道管の破裂と一緒です。
ご承知のように2017-2018シーズンの冬は数年ぶりの大寒波でした。大阪の平地の積雪はほんとにひさびさでした。
この異例の寒さは野ざらし駐輪のおんぼろカーボンハンドルには酷でしたろう。この冬で北国、雪国のチャリダーの苦労がすこしわかりました。
しかも、おあつらえむきに左側のエンドキャップが行方不明です。
- 雨がバーエンドから入る
- 水気がクランプ部に残る
- 湿気が剥離から深部にしみこむ
- 朝の冷え込みで水分が凍結
- 体積増大でCrackがBAN!!!
謎はすべて解けた!
オーバートルク
カーボンパーツの大敵は熱と圧です。締め付けのセッティングにはトルクスレンチを使います。トルク管理が不可欠です。
で、このB4Cは生粋のすぼらなO型さんです。無根拠な自信、見切り発車、いちかばちかのヤケクソ精神が手を勝手に突き動かします。
推奨トルク < マイベストトルク
この公式が容易に成立します。ぼくの世界ではマイベストトルクの優位性は科学的に証明されました。
必然的にこういうクラッキングを引き起こしてしまいます。
ひい~、ほんの出来ごころでおますさかいに~。
こまやかな人はここで落ち込んで反省します。ねっからのずぼらさんは落ち込みますが、一晩でころっと忘れます。
そして、中華カーボンの安さがずぼらを加速させます。ついつい気楽に締め付けて、メキメキゆわせてしまいます。
ちなみにこのカーボンライザーバーのマイベストトルクは『ちょいメキ寸止め』です。メキメキはオーバートルク、メキなしはアンダートルクです。完全に私感ですけど、ははは。
クラックの写真を見返しましょう。
ダメージはクランプの部分に集中します。かくじつにステムのオーバートルクが原因に連なります。
謎はすべて解けた!
「これが安い中華カーボンパーツの実態です」
「もう二度と買わない」
「正規品を買う。命を預けられない」
ぼくがこまめな人であれば、こんなしらこいゴタクを並べて、メイドインチャイナをスパっとこきおろせます。
しかし、このざつな乗り手のもとではENVEもEASTONもREYNOLDSも同じ運命をたどりましょう。扱いがブラック企業並みです。ブラックチャリダーだよ。
つまり、今回の中華カーボンハンドルの破損の犯人は冬の寒さです。ぼくは悪くない! 無実だ! 濡れ衣だ! 冬が異常に寒かったからだ! 太陽がまぶしかったからだ!
てことで、またまた中華カーボンを物色して、小物と大物をすでにポチってしまいました。餅は餅屋、カーボンは中華ですわ!
そろそろトルクスレンチを買おうかあ? TOPEAKの簡易タイプが手頃です。
でも、結局、現実の最終調整はマニュアルにしかなりえません。パーツの精度は完ぺきではない。多少の個体差は絶対にあります。