ラーツー・・・ラーメンツーリングの略称です。単車でツーリングに行って、出先でバーナーやポットでお湯を沸かして、インスタントラーメンを食べることです。
ちなみにツーリングに行って、店に入って、ラーメンを食べるのはこのラーツーには入りません。それはシンプルな外食です。
これは寒い季節にぴったりです。自転車ラーツーへ出発しましょう。
ラーツーの道具
ラーツーへ行くぞ! と意気込む前に装備を確認しましょう。最重要アイテムはお湯です、ホットウォーターです。
シングルバーナーとガス
ぼくは友ヶ島のキャンプでオフロード遊びをしながら、たきぎ拾いをして、キャンプファイヤーに挑戦しました。
たきぎ集めや直火焼きはおもしろいものですが、火力がまったく安定しません。焚火にてきとうな枯れ木はそうそう集まりません。秋口でしたし。
翌朝には木材はつゆでしけしけになりました。
焚火は肉や魚の直火焼きにはけっこうです。フライパン焼きとは味がぜんぜん違います。安い鶏肉がレストランの味になる、まじで。
が、煮炊きにはぜんぜんパワー不足です。お湯が沸きません。本気のキャンプファイヤーみたいなのをしないと、カレーを作れません。はんごうの飯炊きもむりです。
後日、これを反省して、シングルバーナーを買います。
1500円の安もんの中華製です。日本国民の期待に反して、爆発事故は起こりません。ふつうのグッドバーナーです。
ガスは岩谷プリムスの高火力タイプです。
このシングルバーナーがあれば、現場の調理能力が一気に上がります。肉魚は直火、煮炊きはバーナーです。
オートバイや自動車には鍋用ガスコンロを積めますが、チャリンコには積めません。
そして、やっぱし、家庭用の鍋コンロにはロマンスがありません。アウトドアぽさが出ない。たまさかの遊びにふんいきはだいじです。
ポットやクッカー
クッカー、調理器具のことです。アウトドアではとくに軽量な小型の平なべやポットをさします。
焼き物の調理器具は重くなりますし、衝撃で割れます。止めましょう。
ラーメン
ラーツーの主役はラーメンです。持参、道中購入、現地調達、いずれが容易です。この狭い日本でインスタントラーメンを買えないところはゴリゴリの山中か無人島くらいです。
問題は即席めんの種類です。
- カップヌードル型
- ふくろ入りめん型
- 乾めんか生めんか
カップヌードル型はベリーイージーです。お湯をそそげば、3分で食べられます。クッカーが汁で汚れません。さすがの非常食です。てか、耐熱性のカップが偉大です。
個人的にカップヌードルは手軽過ぎに思えます。バーナーさんのおかげで気持ちは大船に乗りました。
水
最重要アイテムのお湯x1の素材は水x1です。即席ラーメン1杯には約500mlの水が必要です。ペットボトル1本分です。
クッカーを軽くゆすぐなら、+200mlを確保しましょう。ぼくは500mlのペットボトルx2をリュックに詰めました。
ただし、中身はからっぽです。これには訳があります。あとのおたのしみ!
食後のコーヒーを飲もう
上記のラーツーの道具をリュックに入れても、半分の容量しか使いません。
てことで、ラーツーに食後のコーヒーを追加しましょう。お湯、バーナーは共通ですし。
コーヒーの追加です。
- コーヒー豆
- 砂糖
- 牛乳
- マグカップ
- コーヒーポット
+1kgです。これでめでたくリュックがパンパンになりました。
荷物は泊りのバイクパッキングの半分以下です。マットと寝袋が意外にかさばります。
タイヤは2.1インチのブロックタイヤです。チューブレスで安心安全です。ゆるいツーリングにはオフロードやシクロタイヤがベターです。
この日、昼過ぎまで眠っちゃいまして、午後1時前にむにゃむにゃと出発します。遠くへは行けません。
京都へツーリング
毎度の淀川サイクルロードへファストトラベルします。
土手上の向かい風はつねに強烈です。チャリダーの姿はぽつぽつです。ランナーのが活況です。
あと、季節柄、そこかしこで工事があります。淀川、猪名川、神崎川、武庫川、箕面勝尾寺みたいな人気ルートがことごとく工事中です、3月末まで。
ことさらに枚方の医科大付属から御幸橋の林道が全面突貫工事です。道端の木が完全に消え去りました。
淀川CRをひたすらに進むと、京都嵐山に到着します。今回の目的地はこちらじゃありません。桂川CRから離れて、13号線で京阪沿線に進みます。
伏見の神社で神水をGET!
京の都は盆地のなかにあります。四方は山です。雨が降れば、川ができます。桂川、宇治川、木津川の合流地点がよい証拠です。
で、京都にはたくさんの水スポットがあります。筆頭が宇治や伏見です。お茶どころ、酒どころです。茶や酒に水はつきものです。
有名なところは月桂冠や松竹梅の宝酒造です。ぼくは酒を飲みませんが、タカラのみりんをよく買います。
この伏見に京都屈指の名水スポットがあります。藤森神社です。勝運と馬の神社です。競馬ファンにぴったりです。スポーツバイクは愛馬みたいなものですから、自転車乗りにも。
境内の奥に行くと、水汲み場を発見できます。これが藤森神社の名物、「不二の水」です。常時開放型です。フレッシュ!
無料です。気持ちのおさいせんを入れようとしまして、ふところを手探りしますが、むなしい手ごたえしかえられません。
さいふ、忘れた・・・いい大人が自宅から50kmのところで無一文です。寝坊しておっとり刀で出かけるからや!
で、ほんとうに気持ちだけを奉納して、お水をいただきました。
ディス・イズ・ゴッドウォーター! 無色透明の冷たい水です。味見をします・・・うまい?! くせのないシンプルなすがすがしい水です。
いや、これはほんまにええおみずですわ~。アメイジングゴッドウォーターです。
御所のわきの梨木神社で第二の神水を
この京阪沿線、鴨川沿いをずっと北上して、JR京都駅、阪急河原町駅、地下鉄市役所前駅の中心部を抜けると、京都御所のかいわいに出ます。
京都市内中心部の自転車レーンです。
あずき色だあ! この道幅に左右のレーンがあります。自動車はどこを通りましょう?
御所の北東部に隣接するのが梨木神社です。ごりやくは学問と文芸です。
ここのお水は「染井の水」です。井戸タイプの蛇口型です。
神社の受付で専用のビンを買えます。もちろん、容器を持参すれば、無料で組めます。ここのおみずのお味は・・・おお、うまい?! やわらかいまるい水です。
でも、独断と偏見で藤森神社の不二の水のがちょっと上です。この染井の水、ラーメン用ゴッドウォーターに決めた!
たまたまこの日は2月3日の節分です。この梨木神社の道向こうの廬山寺でイベントがありました。
すごい人だかりです。ところで、この寺は紫式部のおすまいで、源氏物語執筆の地です。歴史文化遺産の密度がえげつない・・・
鴨川でラーメンとコーヒーを
神社仏閣の猛攻を後にして、鴨川の河原へ移動しましょう。もっとも、こっちはカップルだらけですけど。
鴨川の土手の一部はバーベキュー禁止区域です。出町橋や賀茂大橋の付近、さらに上流の高橋のあたりです。下流の方にはとくにありません by 京都市。
リュックの中身をぶちまけます。
ふつなべ、ふつポット、ふつコーヒーミルのでかさが光ります。段差のたびにミルのケースがぱかぱかゆう~。
腹ペコです。ラーメンを作って、ラーツーデビューしましょう。高級ふくろめんの中華三昧の酸辣湯面、スーラータンメンです。
て、タンメンじゃねーか!
えー、二日前にお店で塩ラーメンを食べたので・・・ラーメンのしゃぱしゃぱスープよりタンメンのとろとろスープのが寒さに効きますので・・・
ラーメンを作る
吹きさらしの河川敷には風がよく通ります。比叡山のにおいがするぅ? 火力がビミョーです。炎が見えません。ぬくもりは来ます。
バーナーになべを乗せて、家で下ごしらえした肉と野菜を投入して、軽く炒めます。
うーむ、火力が足りません。そんなときには地形を有効に利用しましょう。
ベンチの土台+リュックでバリアーだ! そして、すかさずゴッドウォーターを投下します。
はい、風防の効果はぜつだいです。火柱が出現しました。ぐつぐつぐつぐつー!!
キャベツの透き通り具合を見て、めんをばさっと入れます。
神さびたるゴッド酸辣湯面です。グルメ細胞の悪魔がうずきます。
では、実食しましょう。この世のすべての食材に感謝を込めて、いただきます。
ンー、まいうーです。ここに溶き卵を入れれば、ディバインゴッド酸辣湯面にできますが、持ち運びの不安を覚えてパスしました。生卵の運搬はサバイバルモードです。
スープの飲み切りは片付けとエコに必須です。
カフェオーレ!
紅茶のうまみは95度以上でしかおいしくでませんが、コーヒーのうまみは低温ででます。火力を落として、コーヒーを挽きましょう。
豆はコロンビアのスプレモ、焙煎度合いはフレンチローストとイタリアンローストのあいだです。深煎りです。
ミルはカリタのミルです。ソロ用ではありません。ツーリング用のコンパクトなやつです。
はたまた、じょうぶなビニル袋にいれて、岩でこまかく砕いて、あらびきを楽しむとか。家で挽いて持ち出すと、風味と鮮度をそこねますし。
ところで、挽きたてのコーヒー豆はOKですけど、煎りたてのコーヒー豆はNGです。焙煎直後の豆の中はガスでぱんぱんです。風味がやや焦げ臭くなります。
豆がおいしくなるのは翌日以降です。通説では三日目が最高です。賞味期限は焙煎から一週間です。
アマゾンで生豆を安く買えます。
ざるとバーナーやコンロでかんたんに直火焙煎できます。チャフの掃除がたいへんですけど。
3、4人用のフィルターを買って、カップの口にかければ、ドリッパーなしで手軽に抽出できます。
ブラックコーヒーができました。
ストレートには特濃です。そもそもブラックコーヒーが生理的にだめです。
抜かりなし。
牛乳と砂糖をどぶどぶ入れて、フランス式のがぶのみカフェオレにします。
うーん、まいうーです。かんぺきに自分の好みの味にできるのが自家用レギュラーコーヒーのいいところです。+不二のゴッドウォーターがアメイジングです。
ギャリンギャリン、ごちそうさまでした。
ベンチ到着からコーヒーフニッシュまでジャスト40分です。屋外のふなれな調理の時間は二倍前後になります。
午後8時15分に帰宅しました。
- 距離・100km
- 時間・12:40-20:15
- 費用・0円
- 備考・不二の水はおすすめ!