Youtubeのチャンネル登録者数を増やす方法と減る理由

漫然とした運営ではYouTubeのチャンネル登録者数は伸びません。そもそも常連さんになる一見さんが限定的ですから。

十人に一人? いえ、数百人に一人です。

YouTuberは人気商売です。ファンが増えないと、コミュニティが盛り上がりません。登録者数でチャンネルのパワーが端的に決まります。

何より登録者数1000人未満の零細チャンネルにはYouTubeの収益化機能が解禁されません。→YouTubeの収益はいくら? YouTuberは儲かるか?

ゆえに駆け出しYouTuberは1000人のファンの獲得を目指します。達成率は約10%です。十人の内の九人が途中で挫折する。

ここではファン獲得の方法、初心者向けのTIPS、行き詰まりの打開策等々を私のYoutubeチャンネル登録者数1000人までの軌跡とともに紹介します。

Youtubeのチャンネル登録者数を増やす意味

YouTubeはオープンなサービスです。利用者は会員登録なし、ログインなしで動画やライブを視聴できます。

ただし、コメント、チャット、評価などのWeb2.0的なコミュニケーションをしようとすると、会員登録とログインを求められます。

YouTubeはコミュニティ

YouTubeのチャンネル登録者は常連さんであり、固定ファンであり、サポーターです。

YouTubeのチャンネルをお店や舞台と考えれば、彼らの重要性を容易に理解できます。

統計的にチャンネル登録者は一般の視聴者より動画を熱心に見ますし、コメントや評価などを積極的に行います。冷やかしの一見さんとは違います。

現在のYouTubeは無味乾燥の動画共有システムではありません。より人間的なコミュニティの場です。最早、一方通行的な配信は視聴者の心を掴めません。

メジャーリーガーのダルビッシュ有とサッカーの本田圭佑のチャンネルが良い例です。どちらも世界的な名選手で、有名人で、スーパースターです。

しかし、チャンネルのスタイルは真逆です。

ダルビッシュは野球の専門的な内容も話しますが、ときに視聴者とネットゲームをしたり、ファンのアドバイスでマイクを買いに行ったりします。

本田はYouTubeでもケイスケホンダです。世界のケイスケホンダ役に徹します。動画は非常にスタイリッシュで、TV番組並みの完成度を誇ります。

ダルビッシュ自身がこれをネタにして、おのれの動画の完成度の低さを自虐的にtweetします。

しかし、より多くの登録者を抱えるのは高品質な本田のチャンネルでなく、ダルビッシュのチャンネルです。

本田のチャンネルの運営は明らかにプロの仕事です。ファンが口を挟む余地がありません。

他方、ダルビッシュのチャンネルは明らかに素人の仕事です。多分、本人がオフの時間に撮影から編集までこつこつやっています。

おまけにファンのアドバイスでマイクを買ったり、ゲーミングパソコンを組み立てたり、ネトゲでパーティを組んだりします。

さて、一般視聴者はどちらに親近感を感じるか? 両者のチャンネル登録者数が如実に物語ります。

つまり、現在のYouTubeでは高品質な動画を一方的に配信しても、特別な存在になれません。

企業の公式チャンネルや商品紹介が良い例です。あの類はたいてい不人気です。

飲み屋の常連さんは料理や酒と同じく大将の人柄や他の馴染み客とのやり取りを求めて、その店に通います。鍵はコミュニティです。

この飲み屋やスナックの例はYouTubeのチャンネル運営にぴったり当てはまります。何故ならYouTuberは完全な水商売ですから。

案外、スナックのママの切り盛りの仕方が参考になります。

どんな人がファンになるか?

常連さん、ファン、サポーターを多く獲得することがYoutubeチャンネルの成長の王道です。

では、どんな人がファンになるか? はたまた、どんな人がファンにならないか?

私のチャンネルのデータを紐解いて、その秘密に迫りましょう。

YouTubeの視聴者層は主に10~50代

チャンネル登録者の母数の最大値はYouTubeのユーザー数です。国内の利用者は2018年12月の統計では6200万人です。

日本人の半数、ネット人口の8割がYoutubeを利用します。

一方、YouTubeを日常的に利用しない人も6000万人に達します。とくに55歳以上の高齢者は旧時代のメディアを愛好します。新聞、テレビ、雑誌ですね。

YouTubeのチャンネルの分析画面には年代別の視聴者数のパーセンテージがリアルタイムで出ます。

私のチャンネルでは10~55歳の視聴者は平均的に推移しますが、55歳以上の視聴者はがくっと減ります。

上限の65歳以上の利用者は全体の2.8%です。そもそもこの世代はインターネットにすら接しません。情報源はテレビや新聞です。

日常的にネットを利用しない65歳以上の方々はあなたのYoutubeチャンネルのファンにはなりません。この年代の娯楽コンテンツには無敵の笑点があります。

キッズはヘビーユーザー

10代未満の最若年層は統計には表示されませんが、彼らはYouTubeのヘビーユーザーです。キッズ番組は世界的に大人気ですしね。

世界で最も稼ぐYouTuberは米テキサス州の8歳のライアン・カジ君です。 推定年収は2600万ドル=29億円です。

ただし、キッズ世代は自身のアカウントを持ちません。ログインなしで視聴するか、親や年長者のアカウントで視聴しますから、見かけのデータには含まれません。

おまけに2020年からYouTubeは子供向け動画のターゲット広告とデータ収集を自主規制します。

キッズは再生数や再生時間に貢献しますが、企業広告にはとんと反応しません。毛生え薬も自動車も健康食品も株も為替も買えない。

つまり、スポンサー的にはありがたい客ではない。

ある意味、この規制もビジネスモデルの公正化の一環です。でも、キッズ世代を多く抱える上位のYouTuberは戦々恐々でしょうね。

自分に近い世代を狙う

YouTubeのチャンネルは複合的な要因から形成されます。私は以下のようにざっくりと大別します。

  • コンテンツの質
  • コンテンツの量
  • 配信頻度
  • 配信者のキャラ
  • ニーズやトレンド

手前勝手に各項目を5段階で評価してみましょうか。

  • コンテンツの質=4
  • コンテンツの量=5
  • 配信頻度=5
  • 配信者のキャラ=4
  • ニーズやトレンド=2

数値は同ジャンルのチャンネルとの相対評価です。量や配信頻度は最高点です。基本的に毎日更新ですから。



大半の動画のコメントには私のキャラクターへの書き込みが入ります。キャラ付けは成功でしょう。

ニーズやトレンドは低調です。スポーツ自転車はニッチな趣味です。身近な知人にサイクリストや自転車好きはいません。

おまけにぼくがメインに扱うマウンテンバイクは海外ではメジャーですが、国内ではマイナーです。国内のMTBの黄金期は大昔の1990年代です。

しかし、サイクリングやロードバイクの動画はすでにレッドオーシャンです。先行者の動画が大量にある。ネタ被り、二番煎じは良い手段ではありません。

そもそも私がロードバイクに熱心ではない。冷めた気分で再生数稼ぎに作られた動画は興ざめなものです。ファンは熱意のなさを見抜きますよ。

で、自転車というニッチなジャンルのMTBというマイナーな部門でチャンネルを運営すると、同世代の支持を最も多く集めます。35~44歳の視聴者が最多です。

自転車はスポーツ、アウトドア、旅行、工作、DIYの要素を含みます。 愛好者の平均年齢は高めです。

そこにアラフォーのおっさんである私のキャラクターが加わると、同年代の視聴者が必然的に多くなります。あと男女比率は95:5です。

ちなみにYouTubeの公式ジャンルには『自転車』の項目はありません。『スポーツ』か『乗り物』が候補です。ここでも分野のマイナーさが分かります。

趣味系動画では配信者の好みが色濃く出ます。配信者は自分が楽しめる動画しかコンスタントに作れません。楽しめないと継続できませんから。

自転車のパーツ
自転車のパーツ

おっさんが楽しめる動画にはおっさんが集まります。私のチャンネルのターゲットはおっさんです。

この事実を無視して、女子供の支持を得るためにグルメや美容やダンスや歌ってみたやゲーム実況やドッキリ企画を入れると、彼らの支持をすら失います。

趣味系の動画を配信する新人さんは自分に近い世代の支持を獲得しましょう。

ニッチなジャンルで1万人は可能

ジャンル選びは重要です。メジャーな分野は過当競争ですが、マイナーな部門は閑古鳥です。

私のメインチャンネルは自転車です。これは国内では確実にマイナーなジャンルです。日本はスポーツ自転車の本場ではありませんし、世界的なスーパースターはいません。

現役の日本人トップ選手さえが競輪界のレジェンドの中野浩一や元自転車選手でスケート選手の橋本聖子の知名度に及びません。

さて、あなたは現役の自転車選手の名前を挙げられますか?

一方、サブカルチャーにはヒット作が生まれました。弱虫ペダルです。これは爆発的に流行って、ロードバイクが売れました。

ロードバイク

そのブームはすでに終わって、自転車は元のニッチな趣味に回帰します。試乗会や展示会の縮小、イベントの終了、有名ショップの閉店が相次ぎます。

そんな最中の2018年12月にメインチャンネルのB4Cがスタートしました。動画のアップはじつに数年ぶりです。

この一年間で12600人のファンが付きました。登録者の絶対数は大きくありませんが、自転車YouTuberの中ではすでに中堅に食い込みます。

  • YouTube=コミュニティ
  • チャンネル=お店
  • 運営者=ママ
  • 登録者=常連さん
  • 動画=お酒やおつまみ

私はこういうイメージを念頭に置いて、チャンネル運営にはげんで、ここまで来れました。このスナック式連想法は非常におすすめです。