私が一万円しか使えないなら、真っ先にライトを買います。理由は後述のように顔です。
ここでは初心者向けにYouTubeの始め方を紹介します。ソースは私の経験です。私は2018年12月から現在のチャンネルを開設しました、見切り発車で。
カメラの経験や編集ソフトの知識は皆無でしたが、一年目の運営は予想以上にうまく行きました。現在の登録者は12700人です。
ファンの絶対数は少なく見えます。しかし、このジャンルのパイはそう大きくありません。1万人はもう中堅クラスです。
そんな私がYouTubeの初期の活動を円滑にするための必要な機材やノウハウを一年前の記憶から順次に解説しましょう。
YouTubeの始め方
YouTuberデビューへの最初の重要アイテムはデジタルなものです。そう、Googleアカウントですね。→Youtubeを始めるときの注意点 スマホだけでは損する理由
で、Googleアカウントを取って、チャンネルを解説すると、すぐに全世界へコンテンツを発信できます。
ここでチャンネルの見栄えを細かくカスタマイズできますが、さきに動画のアップの手順を覚えましょう。
チャンネルのカスタマイズは簡単ではありません。チャンネル名の作成、ロゴのデザイン、これらは本のタイトルや装丁のようなものです。
チャンネル名やロゴのデザインを急ぎ足に決めてしまうと、おそらく数日後に後悔して、おのれの浅はかさを呪います。くれぐれ深夜のノリで決めない。
『なにか適当な動画を撮って非公開でアップロードする』という作業を繰り返すと、一連の流れを理解できますし、意外な事実に気付きます。
「うちの回線の上り速度ってなんか遅いなあ」
「UP直後の動画の画質ってなんか荒いなあ」
「あれ、音声小さくね?」
回線の上り速度は配信者の悩みの種です。一般ユーザーは大容量データをダウンロードしても、そうそうアップロードしませんから。
『下り超速、上り激重』みたいな現象はときどきあります。マンションや集合住宅の回線は意外と不安定なものですしね。
YouTubeで必要な機材
私は顔出しで動画を配信しますから、この基本のパターンではなしを進めます。必要な機材はひとつです。
最初の一ヶ月目の撮影環境です。
格安のSimフリースマホ、HUAWEI P9 LITEです。三脚はありません。ロックンロールなガムテープマウントです。
このスタイルで何本かロケすらしました。
たしかこのときには水飲み場のざらざらした石にスマホを立て掛けて、風に悩まされながら、各シーンを収録しました。スマホはつるつる滑ってよく倒れる!
さらにストレージの空き容量は2GBしかありません。最大撮影時間はせいぜい10分です。NGシーンをいちいちカットして、容量不足を乗り切りました。
三脚を使わなくても、適当な土台を活用すれば、こんな動画を撮れます。が、ざらざらした石を見つけられないと、スマホの固定に四苦八苦しますから、早く三脚を買いましょう。
その後、2018年のクリスマスまでに登録者100人を達成するという個人的な課題を果たして、機材を一気にグレードアップしました。
総額35万円のミラーレス一眼セットです。ここでついにマンフロットの三脚が生えました。
おそらくカメラ好きや撮影経験者はこんな買い方をしません。ミドルグレードのカメラを買って、レンズをあれこれ揃えます。
でも、私はとくに拘りませんから、余計な色気を出さず、このセットで満足します。
無論、これは極端な事例です。最近のスマホのカメラは非常に高性能で、コンパクトデジカメに劣りません。
シャオミのMi Note 10は1億画素のカメラを備えます。画素数は12032×9024 です。一枚の写真のデータが20-30MBです。もう特大ポスター用の解像度ですよ。
ただし、オートフォーカス、手振れ補正、夜間撮影等々の細かい機能はデジタル一眼カメラの得意分野です。
とくに室内の暗さは撮影初心者には灯台下暗しです。太陽の自然光のありがたみが分かります。
暗所では動画は静止画より荒い画質になります。屋内の蛍光灯では明かりが絶対的に足りません。
また顔出し配信では正面からの照らしが不可欠です。こちらは照明なしのシーンです。
いかつい顔面がさらにいかつくなります。折角のイケメンが台無しではありませんか。まさに国民的な損失です。
天井の蛍光灯では目元、口元、鼻の下に影が出ます。編集ソフトで明るさを足しても、このコントラストを修正できません。
正面からライトを照らすと、このような影やある程度のシミや皺を飛ばせます。テレビやロケの現場に照明係がいるのは伊達ではありません。ライティングは重要な要素です。
私は屋内収録には9000ルーメンのLEDライトを使います。
これを正面に置いて、同様に撮影しました。ちなみにこの比較写真は動画からのキャプチャです。
目元、口元、鼻の下の影が飛んで、顔が全体的に明るい印象になります。また背後の自転車の影も和らぎます。
このように撮影用ライトの活用は下手なカメラのグレードアップより画質の向上に貢献します。
通販で数千円から一万円を出せば、安い撮影用LED照明キットを買えます。私はこれをフル稼働しますが、球切れには見舞われません。長寿命の売り文句はステマではない。
室内照明でライティングの基礎を知ると、屋外ロケで太陽の位置を考慮して、カメラをセッティングできます。
三脚の影・・・
喋って歌うなら外付けマイクを
テレビや映画の製作の現場にはカメラさん、照明さん、そして、音声さんがいます。撮影班はおもにこのチーム編成で動きます。
以前、私は数日だけTVの制作会社のカメラアシスタントのアルバイトを経験しました。移動の多さにうんざりして、数日で辞めましたが。
この短い間に大阪市内の難波の界隈や裁判所や市庁舎のあたりにロケに出かけました。仰木監督と関市長の対談の場面が記憶にあります。役割はライト持ちだったか、マイク持ちだったか。
で、どんな小さな現場、どんな短いシーンにも撮影班はカメラさん、照明さん、音声さんのチームで向かいます。動画は画、光、音の三要素からなる。
個人Youtuberはこれをワンマンでこなします。ついでにスポンサー、企画、編集、放映、チャンネル運営まで自分でやります。まさしく一人放送局です。
有名な配信者や芸能人は自前のチームを抱えられますし、潤沢な資金で各部の作業を外注できますが、無名の新人はそんな資金やコネを持ち合わせません。基本はワンマンオペです。
で、撮影の三要素は画、光、音です。画はカメラ、光はライト、そして、音はマイクです。
トーク系、歌ってみた系、ラジオ動画、ASMRのジャンルでは音質は画や光より重要です。理想はコンデンサマイクだ。
私はカメラを買ったときにサウンドアダプターを購入して、コンデンサマイクを導入しました。カメラの上の部分が音声ユニットです。
アダプターはPanasonicカメラ用の純正品で、マイクはAUDIO TECNIKAのAT2035です。ハイレゾ音質の録音が可能です。
しかし、運用に少し誤算が少し生じまして、この音声機材はメインの撮影ではサブに降格します。
理由は撮影環境です。うちの作業部屋の広さは六畳です。床はフローリングです。ここにPCデスクと少々のガラクタだけがあります。そして、カーテンがない。
この環境では音声がすごく反響します。音割れがすぐに起こる。
反響を抑えるために小声で話して、ソフトで音声を上げると、『さーっ』とホワイトノイズに悩まされます。
マイクを口元に近づけると、引きの画を撮れません。自転車は屋内の撮影対象としてはまあまあ巨大です。
あとからナレーションを吹き込むアフレコ式を採用するなら、このアダプターとマイクを活用できます。でも、うちの流儀はダイレクト録音です。
チャンネルの趣旨がきっちりしたハウツー動画ではありません。撮影中の失敗やイレギュラーなシーンを含めようとすると、実質的にリアルタイム録音しか選べません。
またこの大きなアダプターとマイクは外ロケにはやや重荷です。実際問題、カメラ+レンズよりアダプター+マイクの方が嵩張るし重くなる。
しかも、私は自転車乗りですから、泊りがけロケにはこれをリュックに入れて、肩に担いで、100kmオーバーの距離を走ります。
このような事情を考慮して、結果的にピンマイクを導入しました。TASCAM DR-10Lです。
単二電池式の超小型有線ピンマイクレコーダーです。お値段は20000円を超えますから、上記のAT2035より割高です。
しかし、これのおかげで屋内・屋外の録音が楽になりました。襟元にセットすれば、小声でぼそぼそ喋っても、安定した音声を吹き込めます。
また屋外では上着の内側に仕込んで、風切り音を緩和できます。強風はサイクリング動画の宿敵です。
仮に私がアフレコ方式を採用するならアダプターとマイクを活用しますが、リアルタイムな臨場感を重視して、このピンマイクレコーダーをメインにします。
一方、不定期のライブ配信やサブチャンネルのゲーム実況ではこのカメラ+マイクセットをキャプチャーボードに繋ぎます。
個人的にマイク選びはカメラやライト選びより難儀でした
ライトかマイクか
スマホのカメラは優秀ですが、動画は画だけで成立しません。見栄えを強化するならライトを、音質を向上するならマイクを導入しましょう。
優先順位はチャンネルの趣旨によります。ラジオ動画にライトは不要でしょう。そのマイクは撮影環境に合いますか?
最後に私が一万円しか使えないなら、自身の環境を吟味すると・・・うーん、ライトを買うかな~。ライトなしの正面画像の人相がアレですから。