日本には四季があります。年々、夏がパワフルにキョーレツになって、春と秋をがりがり侵食しますけど、折々の四季がセミ亜熱帯JIPANGの魅力です。
たまにはナンセンスなウィークエンド・フォトグラファーのように季節の花をパシャしましょう。コスモース!
難しい冬のサイクリング
自転車、スポーツバイクはアウトドアの一角に属します。ザ・外遊びです。命運をにぎるのはおてんとさまです。
きゃしゃなロードバイクはラフなコンディションにはめっきり無力です。雨、風、雪がだめです。
4輪のクルマがこんなざまです。親指一個分の接地面積の細タイヤでこのつるつるの道をどう進みましょう? ファットバイクかスパイクタイヤです。
サイクルウェアが夏用
ロードバイクのレースシーズンは夏場です。欧米の主要な試合は5-10月におこなわれます。
で、アパレル、アクセサリはおもに夏向けに開発されます。ウェアはピチピチのペラペラですし、シューズはメッシュタイプです。夏物衣料です。
通気性のよさは防寒性のなさの裏返しです。アッパーの中に熱がこもらない。春夏秋にはけっこうな効能です。冬場にはこれが逆効果です。
ランニングシューズもにたりよったりです。メッシュ系のシームレス加工だ。熱が逃げる。
しかし、つま先はランニング中やウォーキング中にはそんなに凍えません。足が動いて、血が巡ります。
ためしにMTB用のビンディングシューズで冬場にランニングしても、そんなにヒエー!てなりません。
動作中に身体の末端まで血が通います。動けば温もる。
極寒のオンロードダウンヒル
ところがところが、オンロードのサイクリングやロングライドでは数分-数十分の活動停止ないし活動停滞時間がしばしばあります。
はい、ダウンヒルですね。
行きが5kmのヒルクライムであらば、帰りは5kmのダウンヒルです。で、山道には速度制限があります。30-40kmです。対向車を考慮すれば、むちゃに飛ばせません。
平均時速30km/60分=500m/1分です。5kmのくだりは10分、10kmのくだりは20分です。
体はめっきり冷えて、目はぱっさぱさになります。ダウンヒル後の鼻水だらだら涙ぼろぼろは冬サイのあるあるです。
標高、風速で温度がさらに激減
ロード乗りの最大の敵は空気です。30km以上の速度ではこれが緞帳のようにライダーにまとわりつきます。冬の空気は重くて冷たい。
で、空気のながれは風です。風は体感温度をひきさげます。時速30kmは風速8.3mです。
CASIOのページにかんたんな体感温度計算ソフトがあります。
https://keisan.casio.jp/exec/system/1257417058気温5度、湿度50%、風速8mで計算しましょう。体感温度は-7.6度です。冷凍庫より極寒です。
さらに標高500mで気温は3度、1000mで6度下がります。-10度の大台が確定します。ありがたくない!
単車乗りが冬場にモコモコに着ぶくれするのはおおげさではありません。時速60kmでは体感温度がさらに下がります。凍傷が現実的な脅威です。
スキーやMTBのダウンヒルはぜんぜん低負荷ではありません。持久系と瞬発系のハイブリッドな運動です。きっつい。野良はなおさらです。真夏がぎゃくにむりです。
以上のことから手の指と足の指の防寒対策は冬のサイクリングの最優先事項です。
つま先の防寒対策
ぼくはジュンイチ・イシダを真祖にかかげるラ・裸足族の一員です。くつしたが苦手です。シューズのインソールさえがめざわりだ。
サイクリングにはサンダルか、NOくつした・NOインソールのスニーカーで出撃します。で、兼用兼用ヘビロテヘビロテをいといません。
室内では真冬のフローリングの自室ですら裸足でぺたぺた過ごします。明け方には足がカチカチになります。
そんなぼくが冬場のサイクリングには非メッシュの合皮シューズかくつしたを履かずにいられません。メッシュシューズ x NOくつしたはザ・拷問です。
冬場のサイクリング、オンロードの下りのつま先はいつわりなくウィンタースポーツです。
冬用シューズ
「目には目を、歯には歯を、『冬には冬用シューズを』」
最後の二重鍵かっこはハンムラビ法典の欠落部分であると民明書房の百科全書に伝わります。
気候天候におおきな影響を受けるアウトドアではギアの選択がたいせつです。下準備がかんじんだ。
が、なぜか初心者サイクリストはサイクリングがアウトドアであると強く意識しません。ふつシューズで冬場を切り抜けようとこころみます。
冬用の上下やベースレイヤーやメリノウールをどっさり買っても、なぜか冬用シューズには積極的に手を出しません。
ツールはちょくちょく日本におめみえしますが、国内の乗り手のマインドが追っつかない。
ことさらにロード乗りはやせがまんしちゃう。で、「むだなものを削ぎ落したシンプルなスタイル」や「サイクリスト」て形式にとらわれすぎて、柔軟性を欠きます。
冬用のサイクリングシューズはこんなふうなブーツ型です。ごつい見た目、おもさがロード乗りを尻込みさせます。
この点、ツーリングラーやオフロード乗りは妥協します。てか、こういう登山系ぽいギアが好物です。まんなかのレザーブーツがいかします。
ふつシューズ+フラットペダル
ノーマルなサイクリングシューズは夏物です。通気性がばつぐんです。うらはらに防寒性はゼロです。そもそもソールに金具用の取り付け穴があるし・・・
冬場には速度は出ません。オフシーズンとわりきって、ビンディングペダルをフラットペダルにかえて、合皮やキャンパス地のシューズやブーツを履きましょう。
結局のところ、フラットペダルをうまく漕げないと、ビンディングペダルの性能を出し切れません。きれいなペダリングの特訓のチャンスです。
靴下かさねばき
安上がりにてっとりばやく防寒をするなら、靴下をかさねばきします。手練れはあいだに新聞紙やアルミ箔をはさんで、保温と防寒にみがきをかけます。
が、シューズの内側を過度にぱんぱんにしてしまうと、ソリッドさを欠きますし、ポジショニングのずれを発生させてしまいます。
ロード乗りはビンディングのかちっとしたフィーリングを重視します。重ね履きのクッション性はそれをやわらげる。
で、生地のかさましで底上げがなされますから、実質の股下がほんの少し長くなります。相対的にサドルポジションが低くなる。
神経質なA型さんは1mmのちがいをびみょうに察知します。「不完全なコンディションの自転車にはたのしく乗れない」て主観がくわわれば、冬チャリ自体がだるくなる。
ちなみにぼくは重ね履きをすると、圧迫でひんしになります。4Eサイズの幅広フットは受難です。
ランニングシューズやウォーキングシューズには4Eがありますが、それらはだいたいメッシュ系です。冬場のオンロードのくだりにはちっとミスマッチです。
で、3E相当の合皮のフットサルシューズがぼくの冬場のベストサイクリングシューズとなります。球蹴りシューズの4Eもない。がっくし。
シューズカバー
ふつシューズの防寒グッズの王道がシューズカバーです。靴の上に履く薄手の布です。文字通りに『靴上』です。
高機能シューズカバーは安いシューズくらいの価格です。本格のアウトドア防寒グッズは高級品ですから。
Zwiftなど
スポーツバイクはハイテクの時代に突入しました。わざわざエクストリームなおそとに出ずとも、インドアでサイクリングを楽しめます。
自宅のロードバイクスがコントロールデバイスにはやがわりします。子供は冬休みにはマリオカートをします。クレバーなオトナはZwiftなどのVRスポーツをします。
クレイジーなオトナモドキは後先を考えずに突入してしまいます。OKOKOK!! GOGOGOGO!!!