スポーツバイクは高価です。ロードバイクやMTBの初心者用入門機の予算が10万円~です。はてに支え棒一個数万、チューブ一本数千円の世界が待ち受けます。
競技用ウェアは高い!
ロードバイクやMTBを本来の意義=スポーツや競技として楽しむなら、相応の服装と装備を整えねばなりません。ウェア、シューズ、ツール、アクセサリ、プロテクタなどなどです。
で、スポーツ用品は高価です。競技用は高価です。有名ブランド品は高価です。無印のゲームシャツは2980円ですが、アディダスの日本代表レプリカユニフォームは10000円です。
そして、スポーツバイクの装備品はメジャースポーツよりむやみに多彩です。装備のスロットがめちゃくちゃあります。あ、だから、マイナーなんだね! て気付きます。
MTBの”フォーマル”な装備をRPG風に表しましょう。
- トップ:ジャージ
- ボトム:パンツ
- 頭:フルフェイスのメット
- 足:シューズ
- アクセサリ1:グローブ
- アクセサリ2:ニーガード
- アクセサリ3:エルボーガード
- アクセサリ4:ボディアーマー
- 回復ツール(ライダー):救急セット
- 回復ツール(バイク):修理セット
キーボードの1-0のショートカットがまじで埋まってしまいます、ははは。これらを有名ブランドの高機能系できちっと揃えると、10万オーバーの出費を食らいます。
スポーツバイク乗り≠競技者
一方、スポーツバイクのメジャー化、大衆化、陳腐化でカリカリの競技系以外のユーザーが全世界的に増加します。ローディやMTBerのすべてが競技者やアスリートではない。
むしろ、スポ根、部活ノリ、体育会系、ギスギスのレース、ガチガチのスポーツetcetcは現代人には不人気です。げんにぼくもそれらを好みません。
アウトドアやフィットネスは好物ですが、部活や体育や競技は苦手です。これは矛盾じゃありません。こんな感覚の持ち主はわりにいます。ギスギスガツガツがいやだ。
ネバー切磋琢磨! ノーモアスポーツ! だらだらユルユルがジャスティスだ!
で、スポーツとしてパフォーマンスを重視しないなら、有名ブランドの高機能ウェアを買わずとも、レジャー感覚でスポーツバイクに乗れます。
学校の遠足や課外授業のしおりにワンダフルな言葉があります。『動きやすい服装』です。これこそがレジャー、ホビー、アクティビティのベストウェアです。
ユニクロウェアは自転車向きか?
現代日本のキング・オブ・普段着はユニクロです。シンプル・コスパ・ポピュラーの三本柱が老若男女の支持を得ます。普段着=ユニクロは不自然ではありません。
実際のところ、H&M、ZARA、GUなどのファストファッションの方が安上がりです。しかし、ユニクロの王座と人気は揺るぎません。普段着の歴史と知名度がすでに積み上がります。日本ブランドだし。
で、ユニクロはいろんな安服を出しますが、競技用ウェアには進出しません。ユニクロのスポーツウェアは汎用品です。前述の『動きやすい服装』の延長にあります。
プロスポーツでユニクロのロゴを見れるのはテニスです。国内外のトッププレイヤーと契約を結んで、ウェア、キャップ、ソックス、バッグ、リストバンドを提供します。
が、より専門的なテニスシューズはありません。ユニクロのスポーツシューズは汎用系ばかりです。競技系モデルはありません。シューズのラインナップは『動きやすい靴』です。
つまり、ユニクロのスポーツウェアは『スポーティな普段着』です。アウトドア、アクティビティの場面で十分に活躍します。専用品が100であれば、ユニクロは70です。
その30のギャップのために3万のサイクルジャージや2万のサイクルシューズをぽんと買える人はすでにアスリート、競技者、プレイヤーの素養を持ちます。
自転車ウェアは普段着向きか?
目線をすこし変えましょう。自転車競技に100の自転車専用の高機能サイクルウェアは普段着やそのほかの場面で活躍するか?
これはむりゲーです。タフなオフロードのフルフェイスやプロテクタースーツ、フォーマルなオンロードのぴちぴちタイツやぷりぷりショーツ、いずれがファッション性をまったく持ち合わせません。
競技用サイクルウェアの部分的な着用はギャグやネタやコスにしかなりません。サッカーやバスケのユニフォームみたいに上だけ着て、そのへんをぶらぶらできない。
スポーティな普段着は自転車シーンに向きますが、専用サイクルウェアは日常生活シーンには向きません。ほんとに0です。
世間の女子に率直な印象を聞くと、「ださい! きもい!」の罵倒を浴びせられます。世間の男子は男子で自転車ブランドやプロチーム名、スポンサーをぜんぜん理解しません。マイナー!
オンロードはツーリング系、オフロードはトレイル系に行くと、ファッション性がぐんと上がります。
ニュージャンルのオールロード系は誕生の当初から非競技系です。ハデハデピチピチはなりをひそめて、シンプルシックが幅を利かせます。
こういう類は『スポーティな普段着』でなく、『ファッショナブルなサイクルウェア』です。ライド後のカフェではずかしい思いをせずに済みますし、自転車以外のシーンでぜんぜん使えます。
しかしながら、単純なアパレルとして見ると、9000円のボトムには割高さを感じます。自転車ブランドに一般的な知名度はありません。
総合ポイントはこうなります。
- スポーティーな普段着:自転車70、日常100
- 本気のサイクルウェア:自転車100、日常0
- おしゃれ自転車ウェア:自転車90、日常80
ほんとの普段着で自転車はむり?
ここまで『動きやすい服装』の使い勝手が光ります。では、完全なる普段着でのスポーツバイクはどうでしょう?
ぼくのキング・オブ・普段着はジーパン、サンダルorスニーカー、Tシャツ、キャップです。ジーパンはエドウィン503かリーバイス501です。サンダルはビルケン、スニーカーはNew balanceです。
で、とくにこだわらなければ、この格好で近郊のゆるポタからバイクパッキング、ビワイチ、アワイチ、ゆるいオフロードまで出かけます。
徹底的にマイペースを貫くなら、チャリ一つでどこでも行けます。正味、ホビーの自転車にそこまでの高負荷の動作はありません。カウンターで全力疾走! とかはない。
ただし、長ズボンの右足のすそは宿命的に汚れます。スポーツバイクにはチェーンカバーがありません。
ショートパンツを履くか、裾止めを使うか、ペダルのはしっこを踏むか、見て見ぬふりをしましょう。結局、鈍感マイペースがサイキョーです。
東京のしにせの自転車かばん屋のアズマ産業がOSTRICHシリーズのズボンクリップを出します。きれい好きのジーパンライダー、チノパンライダーの定番商品ですね。