阪神間は六甲山は絶好の山遊びのスポットがあります。
ハイキングや登山コースは無数にありますし、蓬莱峡はロッククライミングの名所です。自転車乗りにはヒルクラ&ダウンヒルですね。
マイナースポットから人気観光地へ
この六甲山の東側のふもとの西宮市と宝塚市のさかいにおもしろいスポットがあります。JR生瀬駅からJR武田尾駅の武庫川沿いの廃線跡を辿るハイキングコースです。
ここはもともと国鉄福知山線の人寂しいさびれた廃線跡です。地元の秘境好きにしか知られないマイナーなスポットです。何度か通行禁止の憂き目にあいます。
しかし、これがJR西日本の大掛かりな整備を経て、2016年に初心者向けのハイキングコースに転生しました。桜、紅葉、土日祝には子連れファミリーやじじばば団がわんさか押し寄せます。
ルートです。舗装路2km、未舗装路4.7kmのフラットな道のりです。実質、遊歩道ですね。
最寄りはJR生瀬駅、JR西宮名塩駅、JR武田尾駅の3駅です。生瀬から廃線の取り付きまでの176号線沿いが人にもチャリにもやさしくありません。道狭し、車多しです。
この手前の有馬街道はヒルクライムのルートのひとつです。ぼくは何度かこちらへ行って、かんぽの湯でほっこりするとか、蓬莱峡の岩場ではしゃぐとかします。
休日やハイシーズンに行くと、人混みにもまれてしまいますから、中日のうすぐもりのひまな午後にふらっとひとっ走りしましょう。
武田尾廃線めぐりスタート!
現地の状況を見て、チャリを持ち込むか、徒歩で行くかを決めるとして、スタート地点へはチャリダーします。今日のノリモノはちょい乗り用のライザーバーロードピストだ!
うちから生瀬までは約20kmです。この距離はふだんのちょい乗りからすこし逸脱します。
ほっそいチューブラータイヤで気ままな遠出は不安です。伊丹市の街中をしんちょうに縦断します。
R176沿いから未舗装路へ
で、176号線にイナロクして、宝塚、生瀬を過ぎ、おなじみの有馬街道を左手に望みつつ、ごちゃごちゃっとした住宅街から廃線跡に出ました。
ザ・無人です。時刻はすでに午後四時半です。こんな季節のこんな時間にこんな秘境へ来るのは酔狂な奇人か暇人ばかりです。このままおじゃましましょう。
ちなみにこの廃線跡の道中にはトイレやごみ箱や売店はありません。そして、途中離脱ポイントもありません。仮設トイレはスタートorゴール地点にあります。事前に済ませましょう。
路面はずっとこんなです、枕木と砂利。
アップダウンはぜんぜんありません。それはそうです。もとが線路です。そんな激しい上り下りはありえません。川の流れや汗の掻き方から1%前後のゆるーいのぼりです。
コンクリート舗装の路肩がたまに出てきますけど、基本は線路跡らしい枕木と砂利です。色気を出して、ちょろって乗ってみます。
ジャリジャリ、ガタガタからのふいの「パキャッ!」できもを冷やします。24mmではむりだ~。
しかも、いつものくせでクリンチャータイヤの修理セット入りのポーチを持ってきてしまいました。パンク・イズ・エンド!
すなおに廃線ハイキングウォーキングします。野郎一人の山歩きにはややぬるい道のりですが。
トンネル注意
この武田尾の廃線跡には5つのトンネルがあります。これは生瀬側からひとつめの北山第一トンネルです。
JR西日本のおもわくはなぞですが、このトンネルには照明や窓がぜんぜんありません。「HEY! 暗黒のドキドキワクワクをエンジョイしなよ、YOU!」て粋なはからいでしょう。
実際問題、トンネル内はマジのダークネスです。スマホのフラッシュ撮影がこのざまです。
この時間帯の第一トンネルには入り口からの光がぎりぎり届きます。ぼくは野生の勘でライトなしで進めます。友ヶ島の山ん中のがもっとダークネスだった。
でも、このつぎの北山第二トンネルはマジのマジの真っ暗になりました。ここが最長のトンネルです。距離はざっと400-500mです。入口の明かりさえがぜんぜん届きません。
で、えいや!とライトをつけると、ガの大群の猛攻を食らいます。じゃあ、虫大好きっ子以外にヘッドライトはNGです。ぼくはスマホをたいまつみたいに掲げながらよちよち進みました。
フォトジェニック武庫川第ニ鉄橋
生瀬発ルートの後半のはじまりの目安が武庫川第ニ鉄橋です。赤さびた鉄橋と橙色のらんかんがじつにフォトジェニックです。
開設当初のルートは右側の点検用の狭い橋です。ここはもともと線路の枕木です。JRさんが気を利かして、板を張りました。
渡河ポイントはこのフォトジェニックブリッジだけです。で、橋のこちらは西宮、あちらは宝塚です。
親水広場でコーヒーブレイク
休憩地点の親水広場です。さくらともみじの木がたくさんです。とうぜん、春と秋には人混みがマックスです。初夏には蚊と羽虫しかいません。
この親水広場、展望広場、桜の園は武田尾側の1km圏内にかたまります。序盤中盤にはこの手の休憩どころがありません。ポイントがやけにアンバランスです。
広場の階段から水辺へ出られます。コーヒーブレイクしましょう。水だしコーヒーと牛乳です。
で、フィルターでこして、コーヒー牛乳を作って、グリムのクリームパンとタイニーアマンをほおばります。
しずかな水辺で初夏のむしあつい時間が過ぎます。風がぜんぜん吹きません。川面が鏡のようだ。コーヒーの切れ目が縁の切れ目です。先に進みましょう。
て、ゴールは目と鼻の先です。やっぱり、休憩ポイントがおかしくない?!
まっさらなテラスができました。ぼくの貸し切りです。さらにとなりの区画で建物が工事中です。※飲食店が出来ました。
正味1時間20分のゆったりハイキングでした。このさきに武田尾温泉や無人駅のJR武田尾駅があります。めっちゃ田舎です、裏宝塚。
帰路が超大回りに
さあ、そろそろ帰るか~、てGoogleマップでルートをチェックして、おどろきの新事実に気づきます。付近に市街地への手近な舗装路のルートがありません。おい!
最短コースは行って来いの武田尾廃線です。往復は無芸でしょう。パンクが不安だし。最短の迂回路は新宝塚CC経由の山本or川西です。
はい、帰路は待望のアップダウンです!
案の定、バック踏みのしすぎで前モモに筋肉痛が発生しました。ピストで山はだめですねぇ・・・
そんな武田尾廃線ハイキングでした。