以前、お買い物号のロードバイクのホイールのニップルが停車時にばん!と砕け散りました。
で、ここから振れ取り祭りが始まりまして、ニップル交換、スポーク交換、増し締め、あげくに振れ取り台の購入へと至ります。
で、道具の使い方に慣れて、一連のフィーバーのはじめの一歩に戻ります。スポークニップルの割れです。
予備のニップルをあてがって、応急処置をほどこしました。しかし、このきれいな裂けっぷりからほかのニップルの状態があやぶまれます。
近日のホイールの手組の練習を兼ねて、この中古のカーボンチューブラーホイールを完全にばらしましょう。
はじめてのホイールばらし
現物です。
古いカーボンチューブラーです。リムはレイノルズアサルト46、ハブはWhite Industries T11、スポークはDTのブレードタイプ、ニップルは六角形のインターナルタイプです。
ごらんのようにニップルが人目に触れません。しかも、タイヤがチューブラーです。これをべりべり剥がさないと、ニップルにアプローチできない。おのずとメンテが遠のきます。
そして、ニップル回しは専用のものです。
内蔵ニップルはスマートですが、これは整備性の悪さの裏返しです。
ニップルが緩まない
「分解は組み立てよりかんたんだ」
これはホイールばかりではありません。健全な日本男子は一度や二度ゲーム機や家電を何の気なしにばらしましょう。で、ほこりをそうじして、組み立てると、数本のねじを余す。
そんなわけでバラしには無根拠な自信があります。組み立てや振れ取りみたいに神経質じゃない。ブレードスポークホルダーもあるしね!
て、軽い気持ちでぐりぐりしますが、ぜんぜん緩められません。スポークがホルダーに勝って、ニップルと共回りして、最終的によじれます。しかも、半数がこのていたらくです。
先日の修理の光景を思い出しましょう。スポークのねじやまに不自然な白いあとがありました。
ゆるみ防止剤、ロックタイトかスポークプレップのカスのようです。完全に粉末になって、はらはら崩れます。固着の予感がひとしおです。
潤滑油の定番、呉556
ふつうにやっても、ぜんぜん緩められません。非常手段を取りましょう。呉556をシェイクして、リムの穴にしゅーしゅーします。
で、オイルの浸透をしばし待って、再度のニップル緩めをこころみます。このとき、はずすところを下にしないと、ニップルをリムのなかに落としてしまいます
樹脂のスポークホルダーで回せたのは半分だけでした。超固いスポークにはネジザウルスをあてがって、むりやりぐりぐりしました。
スポークのねじです。数本はけっこうダメージを受けました。ねじには粉がぱさぱさします。
なぞの白い粉が目詰まりして、スポークが貫通しません。
ハブ、リム、スポークの重量計測
この強引な作業のせいでパーツが不足します。で、おそらくリアホイールのニップルもこんな状態でしょう。新しいニップルセットの調達がけんめいです。
手組の機会をべつに設けるとして、前々からの気がかりを晴らしましょう。個別パーツの重量です。
タイヤ付き、クイックなしの実測重量です。
Continental sprinter 28-22チューブラータイヤのカタログ重量が275gです。リムセメントが約20gです。これらを300gてすると、素のホイールの重量を500gちょいと予想できます。
リムは330gです。46mmのディープリム的には軽量です。しかし、年式が骨董品レベルでして、リム幅が21mmしかありません。歩道の段差が地獄です。
DTのブレードスポークx20は95gです。95/20=4.75g/1本になります。重量からモデルはAERO LITEでしょうか? 1本500円の超高級品ですよ!
White IndustriesのT11のハブの重量はカタログからはっきり分かります。92gです。実測は98gですが、差はグリスの重みでしょう。ハブはそんなに体重詐欺がない。
ニップルx20にはパーツクリーナーをかけて、水洗いして、白い粉を取りました。
アナログの目盛りの読み違えを考慮して、念のためにスポーク+ニップル+ハブで重量をはかりました。これが195gになります。
で、リムが330gです。
330+195=525
500gちょいの軽量ホイールです。しかし、リム幅がイマドキではありませんし、へたなハイトのおかげで横風が鬼門です。