最近、ぼくの愛機のマウンテンバイクさんが不調です。バッドコンディションの一因はたびたびの技の練習でしょう。
なになにアップ系、ジャンプ系の動作は非常にストレスフルです。小一時間の練習は小落車100連発のようなものだ。
てことで、車体は急速に痛みます。今回の不調はけんちょにリアホイールに来ました。ハブのエンドキャップが緩んで、フリーがずれて、ラチェットの爪が壊れました。
一度目の処方ではかけらを取り除いて、グリスを入れなおして、キャップをしっかり締めました。一時的に状態は回復しましたが、数日後に症状が再発します。
応急処置では対処できません。で、パーツ交換を検討します。補修部品は新しい爪ですね。そんなに高いものではありません。数百円です。
このハブは台湾のNOVATECのハブです。では、おきまりの中華サイトのAliExpressでサーチを!
しかし、爪の単品の在庫を見つけられません。なぜだ?!
英語名は”hub pawl”です。で、”Novatec hub pawl”でGoogle検索すると、Chain Reactin Cyclesの商品ページに行きつきました。
なぜに?
CRCとWiggleのPrime=Novatec
自転車通販の聖地はイギリスです。最大手はWiggleです。北アイルランドに本拠を構えるCRCが長年のライバルでした。
しかし、2016年の春ごろにWiggleがCRCを買収して、自転車通販戦争に区切りをつけます。いまやWiggle=CRCです。ついでにドイツのBike24もWiggle関連ですね。
CRCの独自レーベルPrimeホイール
Wiggleと合併する前後の時期にCRCは独自のハウスブランドをおひろめします。Primeがそれですね。おもにホイールの独自商品です。最近ではハンドルなどがおめみします。
看板商品はトレンディーなカーボンクリンチャーです。ロード用のフルカーボンホイールが10万を切ります。憧れのカーボンが高級アルミホイール値段だ!
てことで、コスパの良さと目新しさからスマッシュヒットしました。
で、CRCやWigglehは通販ストアです。サイクルベースあさひだ。小売店は製造業者ではありません。
つまり、Primeは独自のプライベートブランドではありますが、Made in UKでもなければ、Made by Englandでもありません。自前の工場はない。
ために商品は外注です。ストアの仕事は監修と企画ですね。山崎パンの工場でセブンイレブンやファミマのおやつが作られるようなものだ。
で、実際にPrimeのハブを作るのは台湾・中国系の自転車メーカーです。てか、全分野の『メーカー』とか『工場』てものがほぼアジア圏に集中します。チャリは例外じゃない。
Primeのローンチの当初から製造元は公然の秘密でした。台湾Novatecがその候補に上がります。
ここの商品は高コスパのハブの代表格です。実際、中華のセミオーダーホイールの標準がNovatecです。
で、Primeハブ=Novatecハブですから、補修パーツもそれに準じます。そして、CRCにはPrimeの”hub pawls”の在庫がありました、600円ちょい。
買いました。
商品のレビューには”useful for Novatec”とかなんとかの文面がおどります。が、そこはスモールパーツのクセです。現物合わせをしないと、なんともゆえない・・・
Prime=Novatec?!
現物です。
ちっこい金属パーツとまるい針金です。これは4ツメタイプのパッケージですね。ちなみに3爪、6爪とかがあります。
これは3段オフセットの板ばね式のラチェットです。
もちろん、このツメとバネはこのフリーボディ専用品です。
Novatecのツメと見比べましょう。
左がNOVATECハブのツメです。先端の一部が欠けます。右がPRIMEです。ザ・うりふたつです。丸ばねの大きさもそっくりだ。
と、まあ、うだうだゆわずに、この爪をNOVATECのボディにはめましょう。すぱっとな。
ぴったしだあ!!
ここに長年のまことしやかな推測が完全に証明されました。Primeハブ=Novatecハブです。もっとも、リムは別のところでしょうが。KINLIN?
ホイールハブ復活!
ツメの交換はかんたんです、こんなふうにパーツの互換性がきちんとあれば。見切り発車で調達しましたけど、うまく使えました。
ついでにラチェットにグリスを入れます。白いのがAZのフッ素グリスです。
スプロケをつけなおして、試走にでかけました。ウィリー、マニュアル、ジャックナイフ、立ちこぎ、バニホなどなどがOK牧場です。