ロードバイクやMTBなどのスポーツバイクには無数の周辺機器が存在します。ウェア、プロテクター、アクセサリ、トレーナー、リペアキット、サプリetcetc…
鍵、ライト、ベルみたいな実用アイテムさえがピンキリです。1万のU字ロック、3万のレコーダー付きライト、5000円のチリンチリンがふつうにあります。
どれを買うん?!
おすすめで買い揃えるも・・・
初心者チャリダーはショップやネットのおすすめやトレンドに従って、ひとしきりにこういう小物を買いそろえます。
また、収集好きは手頃なボルトやグローブやキャップをやたらめったら大人買いして、カードやシールみたいにコンプリートします。この気持ちはちょっと分かります。
しかし、自転車歴が長くなって、チャリダーのスタイルが固まると、小物や周辺機器は自然と厳選されます。日帰りライダーにはバイクパッキング用のソロテントやマットは不要でしょう。
ハンドル周り
以下ではうちのチャリ事情とトレンドの流転からあえなくおくらいりした自転車パーツ、ほこりを被ったスポーツバイクグッズをピックアップします。
ビンディングペダル
スポーツバイクのアイコン的な装備がビンディングペダルとビンディングシューズです。スキーやスノボーみたいな固定金具で靴と板をカチャっと一体化します。
速度アップ、パワーロスの軽減、引き足の活用、効率化、一体感、本格競技者のふんいきなどの効果があります。
しかし、長所は短所の裏返しです。立ちごけの危険性、着脱の手間、足の位置の不自由さ、足つきの悪さ、価格、手軽さの欠如、靴の選択肢の少なさなどが反作用的に発生します。
ぼくの身体的特徴からシューズの選択肢の少なさはことさらに致命的です。市販のビンディングシューズは4Eの幅広甲高さんにはきゅうくつです。
これは自転車だけの問題ではありません。2Eや3Eはそこそこありますが、ウォーキング、ランニング、登山系以外の4Eの競技用スポーツシューズは天然記念物クラスのレアものです。
趣味の自転車遊びは長丁場のアウトドアです。球蹴りみたいに一時間や二時間では済みません。数時間~一日中、きっついギチギチのシューズを履き続けるのはしんどいものです。
そして、ビンディングの着脱がじみにめんどうです。で、足の置き場所を変えられない。二足歩行で金具がかちゃつく・・・CONSが募ります。
常識的にぎっちぎちの専用品 < ぴったりの汎用品です。靴の幅が合わないのはメガネの度数が合わないようなものです。合わない専用品はただのコスプレです。度付きのダテメガネ。
で、これをがまんして使うのはなんかビミョーに不健全です。で、『がまん』と『慣れ』は危険な兆候です。で、ブラックな部活ノリの第一歩が始まります。ヤバイ!
結局、ぼくのスタイルではフラットペダルとスニーカーの方が気楽で高パフォーマンスです。性に合う。腑に落ちる。これは非常にだいじなことです。てか、最優先事項でしょう。
適性の認識、スタイルの確立、これは完全なる初心者卒業のあかしです。で、ビンディングペダルのCANDY 3はこの期におくらいりとなしました。
たしかにビンディングの「カチャ!」の音はスポーツマンシップと承認欲求をくすぐりますが、足のつらさを補うには至りません。度付きのダテメガネで事務仕事できないように。
すくいはGIROのビンディングシューズのファッショナブルさです。スニーカーとしての完成度が高得点だ。じゃまなビンディングを外して、ちょっとしたお出かけに履いて行きます、ははは。
パッド付きショーツ
普段着でチャリダーするぼくの手元にはサイクルウェアがほぼありません。一枚だけです。オフロード系のショートパンツです。
しかも、なんと立体型パッド付きのインナーショーツがバンドルします! 尻のストレスとオサラバできるぜ! ヒャッハー!
て、ノリノリで飛び出しますが、早々にもくろみをぶち砕かれます。インナーのぴったり感はぎりOKですが、パッドの圧迫感がぎりNGです。ケツが窒息する~。
個人的に以下のものがだめです。
- ボクサータイプのパンツ
- 靴下
- 肌着
- 腕時計
- シャツの裾・イン・ズボン
- アクセサリ全般
- マスク
- マフラー
ウェアや小物の締め付け感、密着感が生理的にむりです。あと、ウール系のちくちくがだめです。カシミアはOKです。
で、サイクルショーツのパッドのフィーリングはNGな圧迫系のウェアの一部に入ります。ももまわりとケツがきゅうくつだ。
ぼくは球蹴りとランニングをしますから、ケツモモまわりがそこそこボリューミーです。ズボンのサイズ選びはウェスト基準でなく、ヒップ基準です。
で、せっかくのパッド入りショーツはマイプリケツにはしっくり来ず、たんすのこやしとなりました。ショートパンツは夏場のライドやおでかけにかつやくします。
そして、のちのちにパッドはチョキチョキ切り出されて、長距離用のサドルカバーに生まれ変わりました。
問題解決!
細いタイヤ
現在の国内の自転車トレンドはロードバイクです。高速軽量が人気です。スポーツバイクのビギナーがこのブームに乗っかると、早晩に細い軽いタイヤに行きつきます。
チューブ入りのクリンチャータイヤの最細は21mmです、コンチネンタルスーパーソニックなど。しかし、これは高級品で人気で品薄です。
で、より手頃な準最細タイヤの23Cを買いあさります、車種を問わず。
で、親の仇のようにフロアポンプをしゅこしゅこして、カッチカチのカンカンの高圧にします。推奨空気圧の上限が下限、オーバープレスが正義です。10barまで入れて、鬨の声を上げます、ウラー!
しかし、超高圧タイヤが真価を発揮できるのはきれいなまっさらの路面ばかりです、サーキットやトラックやバンク。
が、一般ライダーの主戦場は天下の公道です。路面の状況はばらばらです。道は広い直線ばかりではない。天候は刻々と変化します。
通り雨、カーブ、坂が重なれば、じまんの高圧レーサータイヤがママチャリタイヤ以下のぽんこつの太い輪ゴムに降格します。
ウェットなカーブですってんころりんする前にグリップ、振動吸収性、路面追従、推奨空気圧のだいじさに気付ける人は果報者です。
20インチ用のパナレーサーミニッツライトに10barとか入れてはしゃいだなあ・・・
軽量チューブ
スポーツバイクのタイヤの主流はクリンチャーです。ゴムタイヤ x インナーチューブで足回りを構築します。
利点は手軽さ、コストです。弱点は性能の半端さ、耐パンク性のへっぽこさ、乗り心地の悪さです。
なによりの弱点はインナーチューブです。軽量なものは薄手できゃしゃです。天然ゴムのラテックスチューブは熱でやられる。Tubolitoのようなポリウレタン製はぼったくりだ。
さらにオフロードのシーンからチューブレスシステムがほかのジャンルへ一挙に広がります。転がり性能、耐パンク性、乗り心地、カーボンリムとの相性、いずれがクリンチャーを軽くしのぎます。
で、チューブレスの味を知ってしまうと、クリンチャーに一抹の物足りなさを感じてしまって、空気入りチューブの意味、旧態依然のクリンチャーシステムの本質に疑問や不満を抱き始めます。
そして、この仕様変更でチューブの立ち位置がメインシステムのレギュラーポジションから緊急用のサブ補欠に降格してしまいます。じゃあ、性能や軽さよりコストとじょうぶさが重要になります。
おのずと高価な軽量チューブは表舞台から消えて、ノーマルなぶっといチューブが力強い黒子役になります。
計量チューブの噛み込みパンクはもう懐かしい笑い話です。
9mmクイックリリース
実用系自転車から入門用スポーツバイクや本格自転車に乗り換えると、その整備性の良さにおどろきます。ホイールが工具なしでかんたんに外れる?! 不良品ですか?! はぴー!
これはひとえにクイックリリースのたまものです。
これはイタリアの総合自転車パーツ屋のカンパニョーロの創業者のカンパニョーロさんの革命的発明品です。このクイックリリースの誕生でホイールのメンテ性は飛躍的に向上しました。
が、長所は短所の裏返しです。ホイールがかんたんに外れる=固定力が足らない、です。
実際、9mmクイックリリースxドロップアウトのバイクとスルーアクスルやトラック系のナット止めのバイクを乗り比べると、前者には少々のたよりなさを覚えます。
トラックバイクやピストの整備性はママチャリや軽快車みたいに致命的ではありません。てか、実用車の整備性がぶっちぎりで極悪です。
スルーアクスルはさらに高剛性です。
ディスクブレーキとの相性、がっちり感、ソリッドな手応えを思うと、9mmクイックリリースとドロップエンドを選択肢から外せます。ホビーチャリダーに数秒を争うホイール交換の機会はない。
純正系のごっついのはまだましですが、軽量タイプの9mmクイックリリースの固定力はほんとにひんじゃくです。そして、これをしっかりきちんと締めない人が少なくない。
てなわけで、バイバイ、9mmクイック。
おくらいり自転車用品のまとめ
こんなふうにおくらいりの自転車用品を見返すと、おのれのチャリスタイルや嗜好を再認識できます。心身ともに締め付けや束縛をきらい、マイペースとフリーダムを愛する。
じゃあ、ソロのバイクパッキングやフランクなオフロードにチャリスタイルが偏るのは偶然ではありません。一人でぷらっと気ままにチャリででかけるのがザ・最高です。
自由だー!